無期限先物取引レポート
暗号資産(仮想通貨)取引所CoinExは6月、仮想通貨取引所における無期限先物取引(Perteputal Futures)に関するレポートを発表。弱気相場の到来にもかかわらず、取引量は依然として高い水準を維持しているとの結論を下した。
レポートはCoinExとToken Insightが連携して執筆したもの。2021年から2022年上半期における無期限先物取引に関するデータをまとめた。
無期限先物取引は永久スワップとも呼ばれる先物取引の一種。従来の先物取引とは違い、期日を設けない投資契約となっている。テラ・UST騒動やマクロ的な経済情勢の影響などを受け、仮想通貨市場の時価総額が1兆ドルまで減少する反面、無期限先物の取引量は大きく影響を受けていないと分析した。
2022年1~5月にかけて、無期限契約の取引量はスポット市場の下落や取引量の減少に大きな影響を受けず、月間取引量は4兆ドル(550兆円)を超えて推移している。
特に2022年5月時点では主要な4つの取引所(バイナンス、OKX、FTX、ByBit)が75%を占めた。
取引量シェア別では、依然としてバイナンスが1位(45.93%)にランクインした反面、バイナンスのシェアは2021年6月の56%から2022年5月には46%に縮小しつつある。
無期限先物契約とは
一般的な先物取引とは異なり、決済日の設けられていない先物契約の一種。従来の先物取引より長く保有するポジションを持続することができる反面、口座残高の追加や清算が課される可能性がある。
永久スワップとも称される。
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無期限取引プラットフォームの比較
CoinExによれば、無期限契約取引を提供する取引所の大半が最大レバレッジ100倍までをサポートしていると指摘。バイナンスやOKX、MEXCなどの大手取引所は125倍、Huobiに至っては最大200倍まで対応している。
一方で、FTXは主要取引所の中では20倍のレバレッジは最も少なかった。
流動性
流動性スコアではバイナンスが上昇を継続。FTXは2021年の強気相場から継続的にOKXとBybitを上回り、バイナンスに次ぐ2位へとランクインした。
また、取引ペア数ではGate.ioとByBitが上位に名を連ねた。特に、Gate.ioの取引ペア数は2022年に入り急増しており、5月時点では283組に達している。
未決済建玉(OI)
他にも、無期限先物取引におけるOI(未決済建玉)は21年11月にピークを迎えた後、22年5月時点では40%以上減少。特にBybitとFTXはOIが50%以上減少した。
未決済建玉とは
別称、Open Interest(OI)。先物契約などの未決済のポジションを指す。OIの増加は、より多くの資金が市場に流入し、投資家が近いうちに価格が動くと予想していることを示している。
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「最も重要なイノベーション」とは
なお、2021年から2022年にかけて最も重要なイノベーションとしてCoinExは「マルチアセットマージン・メカニズム」を挙げた。マルチアセットマージンは、仮想通貨銘柄を含む複数の資産が証拠金担保としてサポートされる仕組みを指す。
このシステム下では、担保とした仮想通貨を等価の米ドル(USD)に換算して証拠金を計算する。OKXやCoinFLEXは30銘柄以上の対応を行なっている。