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Yuga LabsはPoS版ETHにのみ対応、イーサリアム分岐のリスクとは?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Yuga Labsの方針表明

「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」など高級NFTコレクションを複数手掛ける制作スタジオYuga Labsは18日、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の「The Merge(マージ)」後に存在する可能性のある分岐(フォーク)チェーンをサポートしない方針を表明した。

大方のイーサリアムコミュニティと同様に、PoWフォークが出現した場合、YugaはPoS版ETHチェーン上のNFTのみをライセンスの対象として認識し、関連するユーティリティを適用する。

例えば、Yugalabsの代表的なNFTコレクションである「BAYC(プロフィール画像向けにデザインされた1万点のサルの肖像)」の場合、所有者は会員限定クラブやNFTドロップなどの無料特典のアクセス権を得たり、Yuga Labsによるメタバースプロジェクトで3Dゲームキャラクターを利用したりできる。分岐チェーン版で誕生するコピー版のNFTで、これらの機能が適用されないことを意味する。

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マージとは

イーサリアム・ブロックチェーンのコンセンサス(合意形成)アルゴリズムを「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」から「PoS」へ移行する大型アップグレード。現在のメインネットとコンセンサス形成を担う新しいチェーンを統合することで、新たなネットワークが構成される。

▶️仮想通貨用語集

イーサリアム分岐のリスク

イーサリアムの大型アップグレード「マージ」の暫定予定日(22年9月15日前後)が迫る中、一部マイナーが主体となって従来のPoWチェーンを分岐(フォーク)する見通しが現実味を帯びている。

フォーク後の出来事については様々な見通しが議論されているが、特にNFTユーザーが抑えておくべきリスクとして、「リプレイアタック」が指摘されている。

マージ後にイーサリアムの本体はPoWからPoSに移行するが、イーサリアムの過去のデータが変更されることはない。マージ前にウォレットに保管されていた資産は事後も同様に保管され続けるため、ユーザーサイドで対処する必要は一切ない。

しかしながら、マイナーによって少なくとも1つのフォークチェーン「ETHPoW(仮)」が作成された場合、イーサリアムウォレットの保管されていたNFTに2つのバージョン(PoWとPoS)が存在することになる。0xQuitが指摘するように、PoW版のNFTを迂闊に障るとリプレイアタックにより、思わぬ損失を被る場合がある。

PoWでのトランザクションは、ETHPoSにもブロードキャストされる可能性がある。これをリプレイアタックと呼ぶ。単純なアドバイスは、ETHPoWチェーンを使用しないことだ。

リプレイアタックとは

フォークされた新しいブロックチェーンから既存のトランザクションをコピーし、古いブロックチェーンで同一のトランザクションを作成する攻撃 (またはその逆)。対策としては、ハードフォーク後に作成される新しい台帳に別の情報を加えて互換性を無くす「リプレイプロテクション」がある。

▶️仮想通貨用語集

リプレイアタックは、特にチェーン分裂やハードフォークの際に起こりやすい。マイナーが新しいchainID を設定しないでETHPoWフォークが誕生すると、ETHPoWチェーンからのトランザクションが正当なETHPoSチェーンにも複製される恐れがある。

「自分のウォレットから友人にETHPoWチェーンで100 ETHPoWを送った場合、友人はETHPoSチェーンで同じトランザクションをブロードキャストし、同じウォレットに100 ETHを送らせることができる」とNFTの専門家adamamcbrideはリプレイアタックについて語る。

ETHPoWを支持するコミュニティは12日、難易度爆弾を無効にし、リプレイプロテクションを実装するためにチェーン IDを更新したことを発表した。15日には、同コミュニティの中心的な開発組織「ETHWコア」がノードクライアント「Geth」をベースとしたフォークバージョンをリリースした。

しかし、ETHX、ETHY(仮)のような複数のPoWフォークがパートナー同盟を結成しているとの発表もあり、最終的なリプレイプロテクションの実装状況は不確かだ。いずれにせよ、イーサリアムユーザーはETHPoWチェーン分岐で得たNFTを含むトークンの取扱いに慎重になる必要がある。

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