イーサリアムPoWフォーク(ETHW)、マージ完了から24時間以内にリリースへ

ETHWのリリース予定

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の大型アップグレード「マージ(The Merge)」が目前に迫る中、チェーン分岐を伴うハードフォーク「EthereumPoW(ETHW)」のリリースも近づいている。

マイナー主体の暫定ガバナンスグループ「EthereumPoW」は、ETHWがマージ完了から24時間以内に開始されることを表明。詳細な日時は、ETHWのネットワーク公開の1時間前に正式に発表される。

マージ後、ETHWのメインネットが開始されるまでの2048のブロックは「空っぽ」で生成される。その間、リプレイアタックを防ぐチェーン識別子「Chain ID」が10001に切り替わること、ETHWの中で最長チェーンであることを確認する。

2049番目のブロックから初めて、ETHW上のトランザクションが含まれるようになる。なお、2048の空ブロックの採掘報酬は1559のマルチシグウォレットに向けられるという。

ETHWの懸念

EthereumPoWによると、最終コード、設定ファイル、バイナリ、ノードデータ、RPC、エクスプローラ情報などの重要な資料は、その後に公開される予定。こうしたぎりぎりの対応に、外部開発者からは不満の声も上がっている。

米コインベースのソフトウェアエンジニアRoberto Bayardo氏は9日、開発者向けプラットフォーム「GitHub」で要求書を提出。ChainIDがまだ提出されていないことを指摘した後、EthereumPoWはChainIDが10001であると公表した。

ChainIDとは

イーサリアムで分岐チェーンを見分けるための識別子。2016年にメインのETHチェーンと、分岐のETCチェーン間のリプレイアタックを防ぐためにEIP-155で導入された(ChainIDはETH:1、ETC:61)。トランザクション署名時に含めるChainIDを変更することで、ハッシュが代わり、取引のリプレイ(再生)を防ぐ。

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別のGitHubユーザー「mrtestyboy781」は最終コードの公開がマージ直前だとテストのための時間が無いと指摘。また、ChainIDは期間中の合計難易度(TTD)に応じて自動的に切り替えるべきだと批判した。

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RotKiの創設者Lefteris Karapetsasは、TTDを実装する初歩レベルの開発者さえもEthereumPoWチームには「おそらく、いないのだろう」と加えている。

マージ後にPoWフォークが登場すると、イーサリアムウォレットに保管されていたトークンやNFTに2つのバージョン(PoWとPoS)が存在することになる。しかし、これらのコピートークンの取扱いには慎重になる必要がある。

仮にリプレイプロテクションが不十分であれば、これらのコピートークンを売りに出した途端にメインネットのトークンまでもが売却される事態が想定される。

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多くのNFTプロジェクトやステーブルコインの発行体、オラクルプロバイダーがサポートしていないETHW版のトークンは実質無価値であるとして、フォークチェーン上でボットによる売却の連鎖が起きるとの指摘も出ている。

仮想通貨ETHWのみを安全に受け取りたいユーザーは、大手取引所の対応について別途チェックしておきたい。

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