CoinPostで今最も読まれています

投資家の関心で仮想通貨の短・中期的な動きを予測|米イェール大学が論文を発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米イェール大論文「仮想通貨のリスク・リターン」
世界有数の大学として知られるイェール大が発表した論文で「モメンタム効果および投資家からの関心によって、仮想通貨の短・中期的な動きを予測できる可能性がある」と言及した。

米イェール大論文「仮想通貨のリスク・リターン」

世界最高峰の大学として知られるアメリカ・イェール大学の経済学者Aleh Tsyvinski氏および、経済学部の博士課程のYukun Liu氏は、「仮想通貨におけるリスクとリターン(Risks and Returns of Cryptocurrency)」と題した論文を発表しました。

論文内では、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)の3種類の仮想通貨を対象にしており、今回の発表に対して以下のようにコメントされています。

地方のバーテンダーから、ゴールドマンサックスの役員に至るまで、多種多様な人々が仮想通貨について話している。

しかしほとんどの場合、仮想通貨の研究は、コンピューターサイエンス的な側面で行われることが多く、経済面からの包括的な分析が欠けていた。

他の資産クラスと違い

論文内では、仮想通貨が株式や既存通貨、貴金属コモディティのような資産クラスと同様の動向を持つか否かについて言及されました。

まず株式については、金融文学から、155もの潜在リスク要因を特定したものの、仮想通貨のリターン要因となるものはなかったため、仮想通貨が株式の動向が類似していないと記述されました。

同様に、既存通貨のユーロ、オーストラリアドル、カナダドル、シンガポールドル、英ポンドの主要5通貨、そして、金や銀、プラチナなどの貴金属コモディティとも比較した結果、動向の類似性が見られることはなかったと言及されています。

ビットコイン動向の予測

他の資産クラスとの動向に類似点が見られなかった一方で、彼らは、”モメンタム効果”および”投資家からの関心”によって、仮想通貨の短・中期的な動きを予測できる可能性があることを示唆しました。

“モメンタム効果”とは、その資産価値が上昇していっている場合、継続的に価値が上昇して行く傾向にあることを指します。この傾向は、多くの資産クラスで見られますが、仮想通貨には特にその傾向が強いと記述されました。

この”モメンタム効果”に最大の恩恵を受けるため、ビットコインが前週に20%以上の値上がりを見せた際には、翌週も価格上昇が起きる可能性が高いと言及しています。

さらに、仮想通貨業界は“投資家からの関心”に大きく左右されやすい特性を持っていることも主張されました。

Google検索やTwitterで、仮想通貨について言及される数が異常に高い場合、価格は上昇傾向にあるとされ、逆に、「ビットコイン ハッキング」などの検索回数が増えれば、価格は下落する傾向にあるとされています。

最後に、Tsyvinski氏は、以下のように言及しました。

仮想通貨市場では、あらゆることが起こり得る。

今回発表した統計に基づいた傾向が完全に変化することも、明日にでもビットコインが規制局によって規制されてしまうことも、完全にハッキングされてしまう事もあり得る。多大な影響を及ぼす要素は無数に存在している。

今回のように世界的に有名な大学で、仮想通貨関連の論文が正式に発表され、積極的に研究が進められていることは事実であり、関心の対象となっていることは良い傾向であると言えるでしょう。

CoinPostの関連記事

今後10年で仮想通貨はメインストリームに、必要な6つの課題|英大学とeToro共同研究
世界トップレベルの大学インペリアル・カレッジ・ロンドンと証券、仮想通貨の取引プラットフォームを提供するeToroは共同で仮想通貨に関する報告書を発表。仮想通貨が今後10年間で商品やサービスの支払い手段として普及すると記述されています。
リップル社:世界17大学と提携|ブロックチェーンと仮想通貨の普及見据え約55億円寄付
リップル社は世界の有力大学との共同提携による「大学ブロックチェーンリサーチ構想(UBRI )」と呼ばれるプロジェクトを発表しました。同社は、このプロジェクトを通して、5千万ドル(約55億円)の資金を寄付すると表明しています。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/25 木曜日
07:00
ジャック・ドーシー率いるBlock、店舗売上をビットコインに変換へ
新たに導入する予定の機能は「Bitcoin Conversions」というもので、Cash Appのアカウントを持つSquareのユーザーは、店舗収益の最大10%を仮想通貨ビットコインで受け取ることができるようになる。
06:10
米司法省、バイナンス創業者CZ氏に懲役36ヶ月求刑
仮想通貨取引所バイナンスの元CEOのCZ氏は自分の「不適切な決断」を謝罪し、自分の行動の全責任を受け入れる内容の手紙を2月に提出した判事へ提出したことが明らかになった。
04/24 水曜日
17:00
「BTCは上昇トレンドに入る可能性」SCB銀
仮想通貨ビットコインは再び上昇トレンドに入る可能性があるとスタンダードチャータード銀行が分析。今回もビットコインとイーサリアムの価格予想をしている。
16:23
Block社(Square)、ビットコイン採掘産業の分散化に向けて高性能チップを開発完了
デジタル決済企業ブロック(旧Square)が、3ナノメートル技術を採用した最新のビットコインマイニングチップ開発を完了。このプロジェクトはオープンソース化され、ビットコインマイニング業界の分散化を推進することを目指している。
15:09
WebX2024、最大73%割引の「開幕セール」終了まで残り1週間
株式会社CoinPostが主催する日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」にて、チケット販売を開始しております。2024年4月30日まで、最大73%割引のお得な開幕セールを実施中です。
14:35
米ブロックチェーン協会ら、仮想通貨業界の声をまとめSECを提訴
米ブロックチェーン協会とテキサス州暗号資産自由同盟は、米証券取引委員会が新たに制定したディーラー規則の阻止を求めて、SECを提訴した。
13:00
香港の現物ビットコインETF 4月30日にも発売かー報道
香港でボセラとハッシュキーキャピタルが提供するビットコインETFが取引を開始すると報じられた。2社の現物ビットコインETFは、価格安定性が高く、投資家に直接的な市場価格連動のメリットを提供する。
12:09
半値戻しのビットコイン、投資家心理改善で買い先行
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが66000ドル台まで反発し、50MA手前で一服した。イランとイスラエルを巡る中東リスク後退で米国株式市場でも買い戻しが先行しており、投資家心理が改善した。
12:00
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、70日連続流入を記録
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が70日連続で資金流入を記録した。運用資産は約2.8兆円に達している。
11:00
リップル社、SECによる20億ドルの罰金提案を過大と反論
リップル社は、XRPをめぐるSECとの裁判で新たな書類を提出。リップル社に対して約3,100億円の罰金支払いを求めるSECの主張に反論した。
09:40
「BTC価格上昇は半減期から50〜100日後」QCP Capital
仮想通貨ビットコインの今後の価格が急上昇するのは半減期から50〜100日後であるとQCP Capitalが分析。また、Bitfinexも半減期後の相場レポートを公開した。
08:45
ソラナJupiter、DEXモバイルアプリ5月公開予定
既存のUltimateウォレットは5月22日から利用できなくなるため、その前に仮想通貨の一時的移転(PhantomやMagic Edenウォレット)を推奨した。
08:10
米国のイーサリアムETF上場申請、5月承認は見込み薄か
申請中の仮想通貨イーサリアム現物ETFの多くは5月に最終判断を迎える予定だが、多くのアナリストは承認の確率が低いと予測。背景には、イーサリアム財団への任意捜査で米SECがETHを有価証券に分類しようとしている点や、ビットコイン現物ETFが承認されてからまだそれほど時間が経っていない状況などがある。
07:10
ビットコインの機能を拡充する新提案が公開
仮想通貨ビットコインのブロックチェーン上でスマートコントラクトなどを実現する開発提案がBIP-420として公開。以前から関心を集めている提案の内容が改めて説明された。
06:35
バイナンスアプリの削除、フィリピン当局がアップルとグーグルに命令
フィリピンはバイナンスの顧客基盤における重要な構成国だが、同SECは2023年11月以降、バイナンスを投資に利用しないよう国民に積極的に警告していた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/24 11:30 ~ 13:30
その他 オンライン
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧