CoinPostで今最も読まれています

通貨危機時の資産逃避先に、ビットコインが選択肢|トルコリラの変動率がBTC超え

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

下落が続く法定通貨トルコリラ
法定通貨トルコリラは、欧州中央銀行関係者の発言や、アメリカによって関税が引き上げられることなどの要因によって、8月10日にドル建てで20%以上の下落を記録した。
通貨危機時の資産逃避対象
トルコ国内の仮想通貨取引所BtcTurkや、Paribuなどでの取引量が急激に増加しており、一時プレミアム価格がつくなど、通貨危機時に、法定通貨トルコリラからの逃避先の一つとしてビットコインを始めとする仮想通貨が挙げられている。

下落が続く法定通貨トルコリラ

トルコリラは、8月10日に、ドル建て、そして、円建てで20%以上の下落を記録し、同月13日には、過去最安値を記録しました。2018年初めから比較すると、ドル建てで40%以上の下落となっていることから、トルコの通貨危機に陥っているとの声も挙がってきています。

この背景には、欧州中央銀行(ECB)関係者が、トルコ向け債券への懸念を示唆したこと、アメリカのドナルド・トランプ大統領が自身の公式Twitterで「トルコからの鉄鋼および、アルミニウムへの関税を倍にする。アルミニウムは、20%になり、鉄鋼は50%になる。現時点で、トルコとの関係は良好ではない。」とツイートしたことなども、大きな影響を及ぼしていると考えられています。

そして、トルコのエルドラン大統領も、ドルを避け、中国や、ロシアなどの国々と貿易を行う準備はできていること示唆するなど、アメリカに対し一貫して強硬な姿勢を保っています。

さらに、エルドラン大統領は、金利を嫌う発言をし、中央銀行によって政策金利が引き上げられることも拒否していることも下落をさらに加速させる結果となっています。

トルコでの仮想通貨取引

そんな中、Coinmarketcapによると、トルコの仮想通貨取引所であるParibuやBtcTurk、Koinimは、8月10日時点で、その24時間取引量がそれぞれ100%以上増加しました。

世界有数の国際的な仮想通貨取引所と比べると、未だ小規模であるトルコの仮想通貨取引所ですが、この一時的な取引量の増加は注目すべきものであると言えるでしょう。

Coinmarketcapによると、記事執筆時点の8月14日にも、BtcTurkは取引量が過去24時間で+353%、Paribuは+210%と驚異的な上昇を遂げています。

そして、8月10日時点でも、ビットコイン(BTC)は、国際的に6,500ドル(約72万円)ほどで取引されていたのに対し、トルコ最大級の取引所であるBtcTurkでは、7,150ドル(約79万円)、同じく同国最大級の取引所であるParibuでは、7,050ドル(約78万円)というプレミアム価格で取引され、そのビットコインへの需要の高さから、BTC/トルコリラの価格は、過去7ヶ月において最高値を更新しています。

forbesでは、現地の仮想通貨ユーザーは、トルコの通貨危機に対する危機感の高まりを背景に、「CoinDesk」の取材内容で、「仮想通貨で資産を保有するほうが、安全だと思う」と考えるユーザーを紹介しました。

価格変動率がビットコインを上回る

bloombergの報道によると、直近10日間の米ドルに対してのトルコリラのボラティリティ(価格変動率)は、ビットコインを上回っており、この現状は、2017年4月以来であるとしています。

同報道機関は、ビットコインの高いボラティリティの影響は、現在買い物などへの利用や金に似た高い信頼性を誇る価値の保存として選択されることを妨げており、実際に減少していると合わせて説明したことから、よほどトルコリラの現状が悪化していることがわかります。

何れにせよ、ビットコインも高いボラティリティの通貨ではあるものの、通貨危機時の資産逃避対象として選択される状況が増えてきている状況が、明らかになってきています。

CoinPostの関連記事

米国債が崩壊する前に、ビットコインと金へ投資せよ|Kim Dotcom氏が過激発言
Kim Dotcom氏は、ビットコイン提唱者でもあり、米国政府が毎年、国債へ1兆ドル増やし続ける反面、返済能力がないとの自論の元、価値の保存として、ゴールドやBTCへの投資を促しています。
イタリア財政危機|政局不安からビットコイン買いが増し仮想通貨全体の価格高騰か
イタリアの政局混乱からユーロやイタリア国債を売る動きが強まっている中、5月29〜30日にビットコインの買いが増し、価格は急激な上昇を見せました。法定通貨の価格が不安定になるとビットコインが買われる「有事のビットコイン買い」が行われています。
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
06/01 木曜日
21:40
Zaif、暗号資産FXサービス終了と「第一種金融商品取引業」の廃止を決定
暗号資産(仮想通貨)交換業者Zaifは1日、ビットコインやイーサリアムの暗号資産FXサービスの終了と「第一種金融商品取引業」の廃止を発表した。
15:29
AI のもたらし得る「深刻なリスク」に一部専門家が警鐘
「AIによる絶滅リスク」の軽減を訴える公開声明に、世界に名だたるAI技術の研究者や企業幹部ら350名が署名し、話題となっている。声明の主張には賛否両論あるが、AIについての議論の場を広げるものとして歓迎される。
15:10
Web3企業向けマーケティングツール「ソシャマ」リリース
ソーシャルマーケティング株式会社がWeb3企業向けのマーケティングSaaSツール「ソシャマ」の提供を開始した。仮想通貨やNFTを取り扱うWeb3事業者が抱える、ツイッターなどソーシャルメディア上でのマーケティングニーズに対応する。
12:32
英TP ICAP、機関投資家向け仮想通貨マーケットをローンチ
世界有数のインターディーラーブローカーTP ICAPは、ビットコインなど仮想通貨のスポット取引市場「Fusion Digital Assets」をローンチした。機関投資家向けで、分離運営モデルを採用している。
11:30
東京都政策企画局がデジタル証券発行支援を開始
東京都政策企画局は、デジタル証券(セキュリティトークン)発行支援事業の開始を発表した。これは、ブロックチェーン技術の広範な活用を促進し、スタートアップ企業の資金調達を多様化するための取り組みだ。
10:55
EU、包括的な仮想通貨規制案MiCAを正式承認
EUは、ビットコインなど仮想通貨に関する包括的な規制案「MiCA」を正式承認した。ステーブルコインに関する規定は2024年7月から、その他規定の多くは2025年から発効する予定である。
10:05
香港の新しい仮想通貨関連組織、Huobiが参加へ
Huobiは、香港の仮想通貨関連の新組織に加わることを発表。この組織は、香港を世界最大の仮想通貨市場にすることなどをミッションにしている。
08:20
PayPalベンチャーズなど、仮想通貨ウォレットサービス「Magic」に72億円出資
仮想通貨ウォレットプロバイダーMagicは昨日、72億円(5,200万ドル)規模の戦略的資金調達ラウンドを終えたことを発表した。
07:40
バイナンス、欧州で12のプライバシー関連銘柄を上場廃止へ
バイナンスは5月31日、欧州市場でプライバシー関連銘柄の取引提供を中止する予定を発表した。
07:10
バイナンス、人員削減の報道を否定
仮想通貨取引所バイナンスは、従業員の解雇を実施したことが報じられた。人員の20%を削減したとの報道もあるが、同社CEOのCZ氏は「解雇に関する報道は悪い噂(FUD)である」と説明している。
05/31 水曜日
17:22
改正資金決済法施行で国内ステーブルコイン発行可能に
改正資金決済法施行により、法定通貨を裏付けとするステーブルコインが発行可能になることへの関心が急上昇している。海外発行のステーブルコインについては、発行者ではなく流通業者が資産を保全するよう義務付けられる。
16:59
仮想通貨取引所SBI VCトレード、エックスディーシー(XDC)を国内初上場
SBIグループにて暗号資産(仮想通貨)交換業を運営するSBI VCトレード株式会社は31日、国内初となる「エックスディーシー(XDC)」の取扱い開始を発表した。
14:00
イーサリアムからビットコインへのNFT移行を実現する「BRC-721E」が誕生
イーサリアム上で流通するNFTを、ビットコイン・ブロックチェーン上に移行可能にする新トークン規格「BRC-721E」がローンチされた。トークンブリッジプロトコル「Bridge any NFT to Ordinals」も同時に提供されている。
13:17
米デジタル商工会議所、テキサス州の反ビットコイン的なエネルギー法案成立を阻止
米デジタル商工会議所はテキサス州議会に提出された「反ビットコインマイニング法案」が法制化に至らなかったと発表した。マイニング企業の収益に大きな影響を与える「電力クレジット」の取得制限に関連する法案は成立しなかった。
13:12
ビットコインの採掘難易度、過去最高値更新へ
翌年に「半減期」を控えるビットコインマイニングの採掘難易度が過去最高値を更新する見込み。Ordinals プロトコルおよびBRC-20トークン需要やAI(人工知能)流行に伴う半導体企業の成長などを受け、マイナー間の争奪戦が激化している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア