SBIがgumiの筆頭株主に
SBIホールディングスは22日、gumiとの資本業務提携、およびgumiが実施する第三者割当増資を引き受け、同社株式の取得合意を発表した。
SBIホールディングスが新たに8,800,000株を取得して筆頭株主となるほか、スクウェア・エニックス・ホールディングスにも1,180,000株を割り当てる形で、計約70億円を資金調達する。
これに伴う議決権比率は、SBIは22.46%、スクウェア・エニックスは3.01%となる見込み。
資本業務提携の背景
gumiはプレスリリースで、同社のメタバース(仮想空間)事業を今後の収益の柱となるよう成長させるにあたり、下記の3つの事業に積極的な経営資源投下を行ってきた。
- ブロックチェーンゲーム等のコンテンツ開発
- グローバルにおけるファンド投資
- 有力ブロックチェーンのノード運営
その上で、gumiグループがこれまで培ってきたゲーム開発の豊富なノウハウや高い技術力のみならず、暗号資産(仮想通貨)トークン発行やトークンエコノミー形成、最新のトレンド等も含めたエコシステム(生態系)の構築が必要」と言及。
これまでの投機性の高いブロックチェーンゲームから脱却し、新たな価値を創造し、全世界のユーザーに届けるためには、金融のノウハウを有する企業及び有力IP(知的財産権)・コンテンツ開発力を有する企業との戦略的提携が必要不可欠だったと述べた。
その点において、「SBIグループは、金融サービス事業、資産運用事業、投資事業及び暗号資産事業から構成される金融分野の事業を核に、Web3事業等の今後の急成長が期待される先進的な事業を次々と展開しており、Web3における制度・インフラ構築を積極的に推進する」などと資本業務提携の意義を強調。
NFTマーケットプレイス事業への進出や、「大阪デジタルエクスチェンジ」など次世代の金融商品として注目されるセキュリティ・トークン(ST)の発行・流通市場の整備にも注力している点を優位性に挙げた。
また、スクウェア・エニックス・グループは、すでにスマートフォンゲーム領域で「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス」「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争」等の様々なタイトルでgumiと協業してきた。
スクエニは、中期事業戦略における新規領域として、ブロックチェーンを基盤とする分散型ゲームを展開していくことを掲げており、高いシナジーが見込めるとしている。
今後は、モバイルオンラインゲーム及びブロックチェーンゲームの開発・配信に係る提携のほか、ブロックチェーンゲーム専用プラットフォームの設立検討に向けた提携やWeb3領域のネットワークの相互活用による提携などを推進していく。
Oasysにも追い風
スクウェア・エニックスやgumiなど国内大手ゲーム企業は、先行するグローバル市場に対抗するため、国内発のブロックチェーン「Oasys(OAS)」でも連合体として共同戦線を張る。
ブロックチェーンのネットワークに接続し、チェーン上の取引が正しいかどうかを検証するノードのひとつとして機能するOasysの初期バリデーター(承認者)には、他にもセガやバンダイナムコ研究所、GREEなど東証上場ゲーム企業やbitFlyerやdouble jump.tokyo、Astarなど国内発のWeb3関連企業を中心に21社が提携・参画している。
初期バリデーターは、次世代型Web3ゲームの研究・開発を模索する役目も担う。
Oasysは、「Blockchain for The Games」をコンセプトにゲーム系IP(知的財産)ホルダーとゲーマー向けに構築されたゲーム特化型ブロックチェーン。合意形成アルゴリズムPoS(プルーフオブステーク)を採用し、これまで大きな課題となっていたゲームプレイヤーの取引手数料(Gas代)無料化や取引処理の高速化を掲げる。
今月12日にはメインネットをローンチしたほか、ネイティブトークン「OAS」がOKX、Kucoin、Bybit、Gate、Huobiに初めて上場した。
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