CoinPostで今最も読まれています

マネックスグループが見る、コインチェックと金融産業の未来|海外仮想通貨投資家の間で話題

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マネックスグループ松本氏の見解
マネックスCEOの見解が、海外投資家向けに改めて発信され話題に。「理論上は、投資家票を集め、過半数が同意した場合のみ投資を行う”ブロックチェーンベースのファンド”を作ることも可能」などと言及した。

マネックス松本社長の仮想通貨業界への見解

日本最大手の総通貨取引所コインチェックは、1月26日に大規模ハッキングを受け、約580億円相当のネム(XEM)が流出したことで大きな話題になりました。

結果的に、流出したネムの補填は行われたものの、取引所コインチェックだけでなく、仮想通貨業界全体の不信感を増大させる出来事となりました。

そんな中、1999年に創業され、日本でも有数の金融グループ会社となったマネックスグループ株式会社が、今年4月に、Coincheckを完全子会社化し、3月末には、仮想通貨業界の情報発信を行う「マネックス仮想通貨研究所」をオープンさせるなど、仮想通貨産業に積極的に進出しています。

仮想通貨の可能性

松本氏が率いるマネックスグループが、コインチェックの子会社化をはじめ、積極的に仮想通貨産業に進出してきており、「仮想通貨および、仮想資産のポテンシャルは測りきれないほど大きい」と発言していることから、同氏が仮想通貨に対してポジティブな考えを持っていることは明らかです。

さらに以前、仮想通貨が証券や債券、コモディティ商品と同様、一つの資産クラスとして確立されるであろうことを示唆し、その中でも「特に重要な資産クラス」になると発言しました。

問題点の一つとして、現時点で日本の税金は、仮想通貨に適しているとは言えず、税率が高いことを挙げ、「国家は、規制的側面からだけでなく、税制的側面からも、今後仮想通貨にどのように対応していくかを考慮すべきではないか。」と述べています。

マネックスの役割

松本氏は、コインチェックおよびマネックスは、どちらも170万人ほどの顧客ベースを持っているものの、その顧客特性は大きく異なることについても主張しています。

コインチェックユーザーは、今まで投資自体を行なって経験がなく、仮想通貨が初めての投資初心者が多いのに対し、マネックス証券などを要するグループ全体の年齢層は比較的高く、仮想通貨に大きな関心はないものの、投資自体の経験は豊富なユーザーが多いとされています。

よって、投資経験が浅く、ポートフォリオが仮想通貨のみに集中しているコインチェックユーザーに対して、債券や上場投資信託(ETF)など、その他の資産を紹介することができると主張する一方で、既存のマネックスユーザーにも「仮想通貨投資という新たな選択肢」を与えることができると言及。互恵関係をもたらすことが期待されています。

また、現在「みなし業者」で金融庁の認可登録待ち状態であるコインチェックのコーポレートガバナンス、内部統制、サイバーセキュリティを改善し、既存金融業界と同等以上のレベルまで大幅強化することが最優先事項であり、マネックスが培ってきた19年間のノウハウを活かすことで、実現できると感じているとされています。

松本社長は、「理論上は、投資家からの票を集め、過半数が同意した場合にのみ投資を行う”ブロックチェーンベースのファンド”を作ることも可能」であると言及。「メリットとデメリットがあるが、こうした可能性を追求し、サービスを改善する努力を続けることで、資本市場を自由化する事に繋がる」と期待を込めています。

マネックスの今後

マネックスがコインチェックを子会社化したことに対しては賛否両論がありましたが、松本氏は、今回の買収に関して以下のようにコメントしています。

リスク面はある程度管理することができるが、これまでコインチェック社が仮想通貨市場で築き上げてきた「顧客ベース、ブランド力、規模」を一から作り上げることは、並大抵のことではない。(それだけ大きな価値がある)

また同氏は、銀行業を始め多岐にわたるサービスを手がける既存の金融機関ではなく、オンラインでの仮想通貨バンキングや、仲介サービスを提供する”新しいタイプの金融機関”を目指していることを示唆しました。

その実情は、既存金融機関とは変わらないものの、同様のサービスを仮想通貨基盤で提供することを目標としていると語り、そのビジョン実現に向けて、コインチェックが大きな役割を果たすとしています。

このように、日本有数の金融グループであるマネックスグループが仮想通貨を採用した”新しいタイプの金融機関”というビジョンの実現に向けて前進していっていることは、非常に注目すべき取り組みであり、今後の展開が期待されています。

松本社長は、以前コインチェックの合同記者会見で、「金(ゴールド)の時価総額は800兆円だが、仮想通貨の時価総額は金の5%ほどしかない」と発言し、市場規模の成長性と伸び代の大きさを示唆。以下のように言及しています。

(デジタルゴールドと呼ばれることもあるビットコインなど)仮想通貨は金よりも軽く、持ち運びも自由である。支払い手段としても資産を所有する手段としても、今後よりメジャーになってくることは間違いない。仮想通貨の未来は大変大きい。

なお、アメリカ合衆国内における”仮想通貨の法的枠組み”について、「通貨の送金か、コモディティーか、証券なのか、現時点では定まっていない」ことについて、慎重な調査を進めていることを念頭に置きつつ、海外進出に意欲を見せています。

さらに、日刊工業新聞が7月20日に報じたところによると、マネックスがコインチェックの米国進出に関するライセンス取得準備に取り掛かっており、コインチェックのサービスのローカライズ(英語化+α)で、年内参入を目指していると報じられています。

Monex chief sees cryptocurrency future for finance industry

参考記事はこちらから

CoinPostの関連記事

マネックスがコインチェックの米国進出に関するライセンス取得準備に取り掛かる|日刊工業新聞報道
マネックスが仮想通貨取引所コインチェックの米国進出に関するライセンス取得準備に取り掛かったと日刊工業新聞が7月20日に報じた。コインチェックのサービスを英語化して、ローカライズを目指す。
マネックスグループ松本CEOインタビュー:仮想通貨コミュニティの期待に応えていく
国内最大手の仮想通貨取引所のコインチェックをグループに迎え入れた、マネックスグループの松本CEOに対し、「仮想通貨メディアCoinPost」としてインタビューを実施。仮想通貨に興味を持ったきっかけやグループの今後の展望について、今現在の心境を語っていただきました。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/26 金曜日
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。
06:50
米Stripe、ソラナやイーサリアムでUSDC決済を導入予定
Stripeは2014年に初めて仮想通貨ビットコインの決済を導入した経緯がある。しかしその4年後の2018年にビットコインのバブル崩壊を受け同社はその取り組みを中止した。
05:50
モルガン・スタンレー、ブローカーによるビットコインETF勧誘を検討
最近の仮想通貨ビットコインETF資金流入状況に関しては昨日、ブラックロックのIBITが1月11日ローンチ以来初めて資金流入がゼロとなり、71日連続の流入記録が終了したことが確認された。
04/25 木曜日
17:42
ワールドコイン、仮想通貨WLDのトークンセールを計画
Worldcoinが個人認証に基づくベーシックインカムプロジェクトの拡大へ、機関投資家限定で暗号資産(仮想通貨)WLDのプライベートセールを計画。市場価格に近い価格で提供し、転売禁止やロックアップ措置を導入する。
15:00
ビットコイン強気相場継続の根拠、アーサー・ヘイズ氏語る
仮想通貨取引所BitMEXの創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、世界各国で法定通貨の供給量が拡大し続ける中、ビットコインをはじめとする仮想通貨の強気相場は今後も継続するとの考えを示した。
13:20
2028年の半減期に向けてビットコイン価格など5つの予測=Bitwise
Bitwiseの最高投資責任者は次の半減期までにビットコインに起こる5つのことを予想。ビットコイン価格は約3,880万円以上になるとする予測も含まれる。
10:25
ビットコインの供給インフレ率、金を下回る=レポート
Glassnodeは4回目の半減期についてレポートを発表。ビットコインの供給インフレ率がゴールドよりも低くなり、希少性が増したと述べた。
08:15
zkSync基盤のWeb3ゲーム企業Tevaera、野村などから7.7億円調達
TevaeraはzkSync上でレイヤー3のゲームチェーンを立ち上げる予定で、年内に200万人のプレイヤーと12人のゲーム開発企業をTevaeraエコシステムに参加させようとしている。
07:00
ジャック・ドーシー率いるBlock、店舗売上をビットコインに変換へ
新たに導入する予定の機能は「Bitcoin Conversions」というもので、Cash Appのアカウントを持つSquareのユーザーは、店舗収益の最大10%を仮想通貨ビットコインで受け取ることができるようになる。
06:10
米司法省、バイナンス創業者CZ氏に懲役36ヶ月求刑
仮想通貨取引所バイナンスの元CEOのCZ氏は自分の「不適切な決断」を謝罪し、自分の行動の全責任を受け入れる内容の手紙を2月に提出した判事へ提出したことが明らかになった。
04/24 水曜日
17:00
「BTCは上昇トレンドに入る可能性」SCB銀
仮想通貨ビットコインは再び上昇トレンドに入る可能性があるとスタンダードチャータード銀行が分析。今回もビットコインとイーサリアムの価格予想をしている。
16:23
Block社(Square)、ビットコイン採掘産業の分散化に向けて高性能チップを開発完了
デジタル決済企業ブロック(旧Square)が、3ナノメートル技術を採用した最新のビットコインマイニングチップ開発を完了。このプロジェクトはオープンソース化され、ビットコインマイニング業界の分散化を推進することを目指している。
15:09
WebX2024、最大73%割引の「開幕セール」終了まで残り1週間
株式会社CoinPostが主催する日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」にて、チケット販売を開始しております。2024年4月30日まで、最大73%割引のお得な開幕セールを実施中です。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧