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インド政府、日本の金融庁に視察団を派遣|仮想通貨禁止令が覆る可能性も

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インドの仮想通貨規制
世界人口第2位のインドが”仮想通貨の規制問題”に揺れている。これに伴い、インドの証券取引委員会は、日本に視察団を派遣した。政府関係者は、とある理由から、「現行の仮想通貨取引禁止令は覆される」との見方を示している。

インドの仮想通貨規制の現状

世界第2位、13億人を超える人口を抱えるインドですが、仮想通貨に関しては、全面禁止には至っていないものの、中央銀行であるインド準備銀行(RBI)が全ての金融機関へ仮想通貨の取り扱いを禁止する通達を行うなど、大変厳しい状況にあります。

インド政府は、昨年12月に財務省内に仮想通貨に関する検討委員会を設置し、新しい規制の提言を行うため、国内外の仮想通貨の現状に対する調査をはじめ、各国の規制や法的枠組みの研究、消費者保護や資金洗浄対策の調査などに取り組んでいます。 

この委員会には国家財政と税務を担当する財務省、財務省下で国家予算作成を担当する経済局、中央銀行のRBIならびにインド最大の国有銀行、インドステート銀行の代表が参画しています。

委員長を務める経済局書記官の、Subhash Chandra Garg氏によると、規制草案は、7月に提出され、9月には規制の枠組みが公表される予定だったものの、作業は大幅に遅れており、おそらく、今年末の提言提出となる見通しだとのことです。

地元メディアのQuartzの報道によると、財務省の検討委員会は 「ブロックチェーンと仮想通貨をそれぞれ別に取り扱う方法」を検討中で、ブロックチェーン技術がもたらす恩恵については前向きなものの、仮想通貨の取り扱いには躊躇している姿勢が伺えます。

インド証券取引委員会の動き

そんな中、インド証券取引委員会(SEBI)が、他国の仮想通貨規制について学ぶための視察団を日本を含む3カ国へ送っていたことが明らかになりました。

 SEBIの年次報告書によると、同委員会は、イギリス金融行動監督機構(FCA) 、スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)、そして日本の金融庁へ、各国の仮想通貨とICOの取り扱いや規制方針についての調査のため、視察団を派遣したとのことです。

インドの最高裁判所は、RBIの「仮想通貨取引禁止令」に反対する全ての嘆願書の最終ヒアリングを、来たる9月11日に行い、異議申し立ての多い同法令に対する最終判断が下されることになります。

インド証券取引委員会(SEBI)も、インド政府やRBIと並んでこのヒアリングに参加することになっているため、海外視察の成果がどのような形で司法の判断に反映されるか、注目されます。

政府関係者の見解

政府関係者が、匿名を条件にQuartzに語ったところによると、仮想通貨は、コモディティ(商品)として規制される可能性があり、現行の全ての仮想通貨取引禁止令は、覆されるのではないかとの見方を示しています。

ある関係者は、次のように述べています。

誰も、仮想通貨全般を禁止するということは考えていないのではないだろうか。

問題は、取引を規制することであり、その資金の出所について知る必要があるということだ。仮想通貨をコモディティとして認可することで、取引をうまく規制することができるかもしれない。

さらに、RBIは、禁止令を出した根拠の説明を回避していましたが、弁護士のVarun Sethi氏による情報開示申請により、RBIは事前に十分な調査や裏付けがないまま同法を発令したことが明らかになり、RBI側もその事実を認めています。 RBIは仮想通貨が社会にもたらすリスクについても説明を拒否し続けているようです。

一方で、一般のインド市民は、大手仮想通貨取引所Huobiも参入を表明した「P2PのOTC取引」や、海外の銀行口座を経由して行う、「Dabba取引」と呼ばれる方法など抜け道を見つけ、仮想通貨取引を続けているようです。

一般的に世界各国の中央銀行は、仮想通貨に対して否定的もしくは、極度に慎重な姿勢を取り続けていますが、テクノロジーの進展に歯止めをかけることは困難を極めるものと思われます。

インド最高裁判所による公正な判断が待たれるところです。

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