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ビットコイン・レイヤー2「Stacks(STX)」、年初来で約6倍に高騰

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Stacks(STX)が好調

ビットコイン(BTC)にスマートコントラクトレイヤーを提供する「Stacks(STX)」の資産価格が急騰している。18日時点、暗号資産(仮想通貨)STXは前日比+29%を観測しており、年初来で6倍に増加している(データ参照元:CoinMarketCap)。

出典:CoinMarketCap

StacksのDeFi(分散型金融)エコシステム銘柄も軒並み上昇。STXのリキッドステーキングプロトコル「ALEX Lab(ALEX)」は前日比+31%、レンディングサービス「Arkadiko Finance(DIKO)」は同+18.9%となっている。

23年に入り、NFT発行プロトコルOrdinalsの台頭や、最近銀行信用リスクが高まる状況などを背景に、ビットコインの決済以外のユースケースが見直される中で、DeFiのプラットフォームとして利用されるStacksも注目を集めているようだ。

Ordinalsとは

Ordinals Protocolは1月21日に公開された。ビットコインの最小単位であるsatoshi(1BTCの1億分の1)に通し番号をつけ、一つのsatoshiに動画や画像などのデータをビットコインのブロックチェーンに直接保存する。主要なNFTコレクション「Ordinal Punks」は、2月に9.5BTC(約2700万円)で取引された。

Stacksは、ビットコイン・ブロックチェーンのセキュリティを使用する、分散型アプリケーションとスマートコントラクト用のオープンソースネットワーク。

StacksのMuneeb Ali共同設立者はOrdinalsがビットコインのスケーラビリティ問題に直面することで、L2として補完的な役割を担うStacksのようなソリューションが重要になると主張していた。実際に、先述のALEXはOrdinalの取引を間もなく開始する予定だ。

DeFillamaによると、Stacksネットワークにロックアップされた資産総額(TVL)は47億円(3,600万ドル)でイーサリアムのエコシステムと比べると比較的に小規模だが、23年2月初旬の700万ドルから5倍程に急拡大している。Stacks上のレンディングプロトコルやDEXのTVLも前週比で2桁成長を遂げている状況だ。

出典:DeFillama

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Stacksのアップデート

Stacksでは、STXトークンをロックアップしてネットワークのセキュリティに貢献し、報酬としてBTCを獲得する「Stacking(スタッキング)」という仕組みを採用。3月20日に予定される「バージョン2.1」アップデートの目玉として、「Stacking 2.0」へのバージョンアップが組まれている。

Stacking 2.0では、これまで不評だった2週間のクールダウン期間や、スタッキング単位を撤廃。「トッピングオフ」と呼ばれる少量ずつの追加や、自動の複利スタッキングが可能になる。

スタッキングの収益率向上は、Stacks上の自己返済型ローンプロトコルArkadikoなどで資本効率が改善されるなど、ポジティブな影響が予想される。

さらに、バージョン2.1ではStacksとビットコインの相互運用性を強化する。HiroやXverseなどのSTXベースのウォレットにビットコインのネイティブアセットである「Ordinals」を送信できるようにする。一方、ビットコインアドレスにStacks資産を直接追加可能にするため、ユーザーや開発者はビットコインアドレスだけでStacksアプリケーションを利用可能になる。

23年の第4四半期には、「Nakamoto」と呼ばれるより大型のアップデートが実装される予定だ。‘Nakamoto’の実装後、ビットコインネットワークへのトラストレスな書き込みが可能なsBTCをStacksで導入する予定、時価総額69兆円に上るビットコインの流動性を開放し、DeFi運用のユースケースを提供すると期待される。また、Stacksブロックチェーンの送金速度を大幅に改善する。

Stacksの主要な開発企業Hiro Systems(旧:Blockstack)は2019年7月、米証券取引委員会(SEC)が(規定RegulationA+に基づき)承認する初めての仮想通貨のトークンセールで、1,550万ドル(約16億7,012万円)を調達したことで知られる。海外からの投資を受け入れるRegulationS規定と合わせて、合計2,310万ドル(約25億1020万円)の資金を集めた。

STXは、Stacksネットワークでの手数料の支払いや、マイナー報酬に使用されている。

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