CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン一時28000ドル台に、世界的な金融不安受けゴールドも高騰

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

前週末17日の米NY株式市場では、ダウは前日比384ドル(1.1%)安、ナスダックは86ドル(0.74%)安で取引を終えた。

関連:米国株反落、ドル安に ビットコイン27,000ドル台に復帰|18日金融短観

米銀行の破綻が相次ぐ中、金融大手クレディス・スイスの経営懸念が急速に台頭するなど、世界的な金融不安の高まりが背景にある。

一方、スイス投資銀大手UBSがクレディ・スイスの巨額買収に合意したことが伝わり、懸念後退につながった。米株安を受け、東京株式市場では日経平均株価が続落した。UBSの買収が下値を支えたものの、景気後退懸念も根強く、売り先行の状況は続く。

世界的に前例のないペースで急速な利上げが続く中、表沙汰になった金融機関の経営破綻および財政懸念は氷山の一角とされるほか、クレディ・スイスが発行していた多額の劣後債・AT1債(約2.2兆円)が無価値になったことも大手投資運用会社への影響は必至であり、市場心理を悪化させたものとみられる。

関連:スイス投資銀大手UBS、4200億円でクレディ・スイスの買収合意へ

関連:仮想通貨投資家にもオススメの株式投資、日米の代表的な仮想通貨銘柄「10選」

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比1.15%高の27,512ドルに。

BTC/USD日足

一時28,300ドルを上回り、2021年の強気相場の底値である28,800ドルに迫ったが、その後反落した。

20日に日米欧の中央銀行が協調して「ドル資金の供給強化」を発表するなど、金融不安の払拭に努める動きがある。投資会社アライアンス・バーンスタインのアナリストらは昨今の仮想通貨上昇について、「リスクプロファイルの見直しによるものだ」と述べた。

このような金融危機リスクにおいて、リーマン・ショック後の2009年1月に誕生したビットコインの真価が問われている。

ビットコインのジェネシス・ブロックには、「金融危機における中央銀行2度目の救済」を報じた英Times紙の見出しを模倣した『Chancellor on brink of second bailout for bank』の文字が刻まれており、中央銀行および伝統金融市場に対する“アンチテーゼ”とみなされてきた。

各国で法定通貨が大量増刷されるなか、インフレーションによる物価高の高止まりで相対的に現金及び預貯金の価値が目減りする状況にあることからも、“価値の保存手段”として金(ゴールド)やビットコインといった代替資産への逃避需要が発生しやすい。

新興国では、アルゼンチンの年間インフレ率は22年3月時点の55.1%からさらに急進。23年2月に100%を超え、30年ぶりの高値を記録した。今年2月の仮想通貨相場の下落局面では、BTCがドル建てで34%下落したのに対し、アルゼンチン・ペソ建てでは20%上昇したという。そのような経済や自国通貨が極端に不安定な国々では代替資産として重宝される。

米銀シリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻やクレディス・スイスの金融不安も影響し、安全資産とされる金価格もビットコインとともに高騰している。NY金先物価格は今年1月の高値を上回る1トロイオンス=1988ドルまで上昇した。

ゴールド価格 週足

米金融当局の利上げペースの減速および停止思惑がビットコイン上昇の主因と見る向きもある。米連邦公開市場委員会(FOMC)を日本時間23日3時に控える中、様子見基調が強まる可能性もありそうだ。

次回FOMCでは25bpsの利上げを現時点で7割ほど織り込んでいるが、「インフレ抑制」のための急速な金融引き締め断行が銀行破綻へつながった側面が指摘される中、「金融システムの安定」を優先し、このタイミングでピボット(政策転換)を示唆すべきかどうか極めて難しい舵取りを迫られる。

関連:米銀救済でビットコイン反転上昇、インフレ高止まりには不透明感も|bitbankアナリスト寄稿

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/12 土曜日
08:55
リップル共同創設者、XRPでハリス氏の支援団体に寄付
リップル社の共同創設者ラーセン氏は、仮想通貨XRPでハリス氏の支援団体に1.5億円を寄付した。同氏によるハリス氏への仮想通貨での寄付で記録されているものは今回が初めてとされている。
10/11 金曜日
13:44
仮想通貨DEX大手Uniswap、独自のイーサリアムL2「Unichain」を発表 
DEX大手Uniswapは1、新たなイーサリアムL2ソリューション「Unichain」の立ち上げを発表した。Unichainは低コストで高速なトランザクションと分散化を推進し、クロスチェーン相互運用性を高める。
12:55
米CPI発表などでビットコイン下落、クジラは過去半年間BTC買い占め
仮想通貨市場で米政府によるビットコイン対象清算の可能性が懸念され、市場参加者の間で警戒感が高まっている。昨夜発表のCPIはBTCの価格を一旦押し下げた。
11:35
ブロックチェーンで牛を追跡するCattleProof、米農務省から公式認定取得
家畜のデジタルID管理を行うCattleProofが、ブロックチェーンを活用したもので初めて米農務省のプロセス検証プログラム認定を取得。トレーサビリティ向上へ。
10:00
メタプラネットが10億円分ビットコイン追加購入、今週二度目
仮想通貨オンチェーン追跡ツールのArkham Intelligenceはメタプラネットの保有特設ページを公開。マイクロストラテジーやブラックロック、米政府のアドレスのように、ビットコイン保有数のリアルタイムトラッキングが可能となった。
09:45
ビットコインを公式通貨とする未承認国家「リベルランド」、トロンのサン氏を首相代行に指名
自称国家リベルランドが、トロン創設者ジャスティン・サン氏を首相代行に指名。仮想通貨とブロックチェーンに重点を置きビットコインを公式通貨としている。
08:55
マウントゴックス、弁済期限を25年10月末まで1年延長
マウントゴックスは弁済期限を25年10月末まで1年延長すると公表。仮想通貨ビットコインの売り圧軽減につながる可能性があるとの声が上がっている。
08:15
ドバイ仮想通貨規制当局、7つの無許可事業体に罰金と停止命令
ドバイの仮想資産規制当局(VARA)は、必要なライセンスを取得せずに営業し、マーケティング規制に違反した7つの事業体に対して罰金を科し、業務停止命令を出したと発表した。
08:00
トランプ氏の仮想通貨プロジェクト「WLF」、2200億円の評価額で445億円調達へ
米国のドナルド・トランプ前大統領と息子たちが関与する仮想通貨DeFiプロジェクト「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLF)」が、来週からトークンの初期販売を開始する計画が明らかになった。
07:30
リップル社、米SECを交差上訴へ
リップル社が仮想通貨XRPを巡る裁判で米SECを交差上訴へ。もう争点は残されていないことを明確にすると同社の最高法務責任者が述べている。
06:35
リップル、Ripple Custody拡充
米リップルは10月10日、銀行やフィンテック企業向けの仮想通貨カストディサービス「Ripple Custody」の機能を大幅に拡充したと発表した。
06:15
米SEC、カンバーランドを仮想通貨取引の「無登録ディーラー」として告発
米証券取引委員会は10月10日、仮想通貨取引会社カンバーランドDRWに対し、無登録のディーラーとして3,000億円以上の仮想通貨産取引を行ったとして訴訟を提起した。
10/10 木曜日
15:00
ステーブルコイン需要、ラテンアメリカで急増=Chainalysis
チェイナリシスの最新レポートによると、ラテンアメリカでステーブルコインの需要が急増している。同地域においてステーブルコインは、自国通貨の価値下落への対策として、重要な金融ツールとなっている。
14:05
イーサリアム創設者ヴィタリック氏、ノーベル経済学賞候補に値する? 著名経済学者が評価
著名経済学者コーエン氏とタバロック氏が対談。イーサリアム共同創設者ヴィタリック氏がノーベル経済学賞に値すると評価。ビットコイン創設者サトシ・ナカモトについても言及。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア