はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

3CXサプライチェーン攻撃で仮想通貨企業がターゲットに バックドアが仕込まれる

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

大規模なサプライチェーン攻撃

情報セキュリティ企業カスペルスキー(Kaspersky)社は3日、3月末に報告された大規模なソフトウェアサプライチェーン攻撃を独自に分析した結果、少数の暗号資産(仮想通貨)企業がターゲットにされ、バックドアが仕込まれていることを発見したと発表した。

3月29日、ビジネスコミュニケーションのソフトウェア開発を行う3CX社のVoIP(インターネット回線を使用した音声通話)デスクトップアプリで、悪質な活動が確認されたと複数のサイバーセキュリティ企業が報告。特定のバージョン(Windows版とMacOS版)のインストーラで、コードが改ざんされ「トロイの木馬化」しており、情報を窃取するマルウェアに感染する可能性が指摘された。

3CXによると、同社のVoIP電話システムは、1,200万人以上のでデイリーユーザーを抱え、世界の60万以上の企業で製品が利用されている。その顧客リストには、トヨタやホンダ、三菱などの自動車メーカーをはじめ、アメリカン・エキスプレス、コカコーラ、マクドナルド、エールフランス、英国の国民保健サービスなど多くの著名企業や組織が含まれている。

カスペルスキーは、感染したインストーラファイルに含まれる動的リンクライブラリ(DLL)の分析から、この攻撃の背後には、「Gopuram」と名付けられたマルウェアがあるとの結論に至った。

同社は2020年、東南アジアの仮想通貨企業へのハッキングを調査していた際、被害者のマシン上にGopuramと、北朝鮮のハッカー集団ラザルスが用いるバックドア「AppleJeus」が共存しているのを発見して以来、Gopuramを追跡してきたという。

今回のサプライチェーン攻撃に関係したDDLは、Gopuramのデプロイに使用されていたものだという。Gopuramへの感染数は、2023年3月から増加しはじめた。

カスペルスキーはGopuramとAppleJeusの関係性などを踏まえ、3CXを狙った攻撃はラザルスによるものであると、中〜高程度の確信を持って評価している。

仮想通貨企業に「特定の関心」

カペルスキーのテレメトリ解析によると、感染した3CXソフトは世界中で検出されているが、ブラジル、ドイツ、イタリア、フランスで最も高い感染数が観測されているという。

一方、Gopuramがデプロイされたのは10台未満のコンピュータであることから、カスペルスキーは攻撃者が「外科的な精密さ」でターゲットを絞り、バックドアを使用したと指摘。その対象は仮想通貨企業で、攻撃者はこの業種に「特定の関心を持っている」と同社は述べた。

カスペルスキー社のセキュリティ専門家であるGeorgy Kucherin氏は、次のようにコメントしている。

3CXサプライチェーン攻撃で展開された悪意のあるペイロードは、情報の窃取だけではない。Gopuramの背後にいる脅迫行為者は、さらに本格的なモジュール式のGopuramバックドアで標的とするマシンを感染させる。我々は、Gopuramが攻撃チェーンにおける主要なインプラントであり、最終的なペイロードであると確信している。

また、仮想通貨企業が標的となる可能性が高いため、今回の攻撃に注意を払い、さらなる侵害が起こっていないか、システムを精査する必要があると述べた。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/18 木曜日
16:50
「社会のジレンマを突破する」日本初のステーブルコイン発行ライセンス取得、JPYC岡部典孝氏が語る|独占インタビュー
JPYC株式会社が日本初の日本円建てステーブルコイン発行ライセンスを金融庁から取得。代表の岡部典孝氏が語る100万円制限の実態、3年後10兆円の発行目標、プログラマブルマネーがもたらす金融革命とは。
13:40
ウォーレン米議員ら、トランプ政権の仮想通貨特命官に対する倫理調査を開始
エリザベス・ウォーレン米上院議員ら8名の民主党議員が、トランプ政権のAI・仮想通貨特別顧問デービッド・サックス氏の特別政府職員としての任期制限超過疑惑について倫理調査を開始した。130日の上限を超過している可能性を指摘し、詳細な勤務日数報告を要求している。
13:35
米SECが承認、BTCやXRP投資のマルチ仮想通貨投資信託のETF転換
米SECがグレースケールのマルチ仮想通貨ETPを承認し、ビットコインやイーサリアムなど5銘柄への一般投資家アクセス投資が可能になった。新たな包括的上場基準も同時に導入されている。
13:02
ポリマーケットでの裁定取引で年間60億円の利益発生か 研究者ら分析
分散型予測市場ポリマーケットでミスプライシングを利用した裁定取引により年間60億円の利益が発生しているとの論文が発表された。研究者による分析を解説する。
12:04
FRB利下げ決定も仮想通貨の市場反応は限定的、BNB前週比9.2%高で1000ドルの大台迫る
FOMCでは米FRBが0.25%利下げを決定したが、暗号資産(仮想通貨)への影響は限定的だった。主要アルトコインでは、BNBが前週比9.2%高の1,000ドル目前に。背景としては、バイナンスの規制環境の進展の兆しとMegadropなどの需要が挙げられる。パウエル議長は年内2回の追加利下げを予想するも慎重姿勢を維持。
11:03
業界の行方を決める「天王山」に臨む──ビットバンク廣末氏が描く未来戦略
ビットバンク廣末紀之CEOが語る、預かり資産1兆円規模への成長と今後の展望。金商法への移行と分離課税実現に向けた2025年後半は業界の「天王山」。
11:00
ビットコイン・トレジャリー企業の勢い減速か、4社に1社が純資産割れで取引=K33報告
K33リサーチなどが報告したところによると、ビットコイン・トレジャリー企業の4分の1が純資産価値を下回る時価総額で取引されており、業界の統合が進む可能性が指摘された。
10:02
ヴィタリック、イーサリアムの開発計画をプレゼン
ヴィタリック・ブテリン氏は、仮想通貨イーサリアムの開発計画についてプレゼンを行った。大阪で開催されているイーサリアムのカンファレンスEDCONに登壇した。
09:40
フォワード・インダストリーズ、最大5900億円規模の資金調達でソラナ戦略を推進
米上場企業フォワード・インダストリーズが最大40億ドル規模のATM増資で仮想通貨ソラナトレジャリー戦略を推進する。DeFi Development Corpもソラナ買い増しを発表した。
08:45
トランプ・ジュニア出資のサムザップ、750万ドージコインを初購入
米ナスダック上場のサムザップメディアが750万ドージコインを200万ドルで公開市場から初回取得したと発表した。
07:20
米SEC、仮想通貨ETF上場手続きを大幅簡素化へ
米証券取引委員会が、ナスダック、Cboe BZX、NYSEアルカの3大取引所による包括的上場基準を承認。今後、仮想通貨を含むコモディティベース株式の上場プロセスが大幅に簡素化される見通しである。
07:10
SBI新生銀行、トークン化預金「DCJPY」の導入を検討へ
SBI新生銀行は、円建てトークン化預金DCJPYの導入を検討すると発表。JPモルガンらが参加するプラットフォームを活用し、トークン化預金での多様な外貨の取り扱いも検討する。
06:50
仮想通貨取引所Bullish、NY州からビットライセンス取得 米国展開へ
機関投資家向け仮想通貨取引所ブリッシュが17日にニューヨーク州金融サービス局からビットライセンスと送金業ライセンスを取得したと発表した。
06:25
マネーグラム、ステーブルコイン送金サービス開始 
国際送金大手のマネーグラムが9月17日にクロスミントと提携しステーブルコインを活用した新たな送金サービスを南米コロンビアで開始すると発表した。
06:02
カルシ、予測市場エコシステムハブ開始 ソラナとベースと提携
予測市場プラットフォーム大手Kalshiが17日、ソラナとベースとの提携によるエコシステム支援ネットワーク「カルシエコ」の開始を発表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧