- 韓国取引所:抱えるセキュリティ問題、高まる保険の需要
- 韓国大手保険会社ハンファが、ハッキング被害を対象に含む「サイバー保険サービス」を提供予定だと報じられた。仮想通貨取引所と保険契約を結ぶため、来月から交渉を開始する。
韓国の仮想通貨取引所のハッキング被害
今年の6月頃に、韓国大手の仮想通貨取引所Bitthumbやマイナー取引所Coinrailが相次いでハッキング被害を受けるなど、韓国国内でも仮想通貨取引所のセキュリティ問題が取り沙汰されています。
過去に韓国政府機関が行った「仮想通貨取引所ハッキング事件」に関する調査データによると、ハッキングで盗難された仮想通貨の総額は、1.1億ドル(約125億円)にも上ることが判明しています。
韓国以外でも、今年1月にBTC取引量日本1位を誇っていたCoincheckが、ハッキングを受けて5.2億NEM(当時約580億円)の被害を被り、2月にはイタリアの仮想通貨取引所BitGrailが、約204億円のハッキング被害を受けています。
それを受け、韓国インターネット振興院や韓国の国家行政機関、未来創造科学部が中心となり仮想通貨取引所の調査を行いました。調査によると、一部の取引所で改善が見られるものの、十分ではなく、ほとんどの脆弱性は改善されていないと報告されています。
このように仮想通貨取引所のセキュリティ問題は、喫緊の課題となっています。
高まる需要:ハッキング被害に対する保険
セキュリティ問題が大きな課題となる状況の中で、ハッキング被害に対する「保険サービス」の需要は、一層高まっています。
地元メディアによると、韓国の大手保険会社ハンファは国内仮想通貨取引所向けのハッキング被害に対する保険サービスの新たな提供を予定しており、同社は取引所と保険契約を結ぶため、来月から、それぞれの取引所と交渉を開始する計画を明らかにしました。
また同社は、「仮に取引所が保険に入ろうとしても、そのためには保険会社と取引所が対等な関係であることが求められる」と言及しました。
ローカルメディアは、
「もし十分な補償がなされない場合、あるいは保険料が高すぎる場合、取引所が保険に入らない可能性もある」
と発言しています。
Bithumbは、すでにヒュンダイ海上火災保険とHeungkuk海上火災保険の2つの保険会社と契約していますが、それに対してCBC Newは、
この保険は、情報整備に対する攻撃やデータ損失、窃盗、サイバー脅迫、投資家の個人情報漏洩、ハッキング損害などを対象としていない。
と論述しています。
現在の保険会社の動向
Business Koreaの報道によると、韓国ブロックチェーン協会は、ヒュンダイ海上火災保険やハンファ損害保険と、あらゆる規模の仮想通貨取引所にどのように保険適用するか議論を続けていますが、現時点ではカバーされていません。
現在、韓国ブロックチェーン協会は23の取引所を抱えており、その取引所には韓国上位4つの取引所Upbit、Bithumb、Coinone、Korbitが含まれます。
これら4つの取引所はハッキング被害に対する保険を掛けているものの、保険の適用範囲は狭く、まだまだ課題が多いのが実情です。
参考記事:Major Korean Insurer to Offer Crypto Exchanges Insurance for Hacking Damages