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ゲンスラー委員長の主張「SECはすでに規制ガイドラインを提供済み」 バイナンスとコインベースの主張に反論

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

コインベースらに対する訴訟の渦中で見解示す

米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長は8日、フィンテック関連のカンファレンスに出席し、暗号資産(仮想通貨)に対する規制方針を改めて示した。

SECは大手仮想通貨取引所コインベースとバイナンスに対して、未登録証券の提供などで提訴したところだ。これに関して、両取引所などから反論が上がる中、SECの見方を改めて強調している。

ゲンスラー氏は、SECはすでに何が証券と判断されるのかについてガイドラインを示してきたと述べた。一例として、2019年にSECスタッフが作成した『デジタル資産の「投資契約」分析のフレームワーク』を挙げた。

また、様々な企業との間でSECが和解した訴訟や裁判所の判決も、トークンの提供と販売がいつ証券であるかを明らかにしていると続けている。

ゲンスラー氏は、ハウイーテストによれば「投資契約は、他者の努力から利益が得られるという合理的な期待を持って」一般企業に資金が投資される場合に存在」するものだとした。

さらに、裁判所はハウイー事件の判決の中で、投資契約の定義は「固定的な原則ではなく、柔軟なものであり、事業などに使う資金を求める人々が考案した無数の枠組みに適応できるもの」だと述べていたとも指摘している。

ゲンスラー氏は、仮想通貨のステーキングについても証券に当たるとして、次のように説明した。

顧客は自分の資産をプラットフォームに投資し、プラットフォームはそれらを貸し出したり、プールしてステーキングしたりして、いずれの場合も収益を約束する。こうした仕組みは、仮想通貨の世界に関わらず、古典的な証券とみなされる。

ハウイーテストとは

米国で特定の取引が「投資契約」という証券取引の定義の一つに該当するかどうかを判定するテスト。SECのW. J. Howey社に対する訴訟事件に由来する。これ自体には法的拘束力はないが、SECはこのテストをもとに複数のICO(トークン販売)に対してリーガルアクションを起こした経緯がある。

▶️仮想通貨用語集

一方で、仮想通貨業界やそれを支持する議員ら、およびSECの一部委員からも、SECが示してきた基準は不明確であり、SECは明確なガイドラインを示すことなく取り締まりを行っているとする批判の声が上がってきた状況がある。

共和党議員らは今月、仮想通貨規制を明確化する法案の叩き台を公開しており、議論を呼びかけた。この草案では、あるトークンのプロジェクトが十分に分散化され、投資契約ではなくなる場合について明確な定義を与えている。

関連米下院議員ら、仮想通貨規制を明確化する法案を発表

バイナンスに対する申し立て内容を強調

ゲンスラー氏は特にスピーチで、バイナンスの不正行為を指摘している。SECは訴状で、バイナンスが運営者や提携マーケットメーカーによる市場操作的な取引などを隠蔽していたと申し立てていた。

ゲンスラー氏は訴状の内容に言及し、バイナンスと、チャンポン・ジャオ(CZ)CEOが、その所有・管理する口座を通じて、バイナンスの数十億ドルの顧客資金を、CZ氏が管理する法人「Merit Peak Limited」の口座資金と混ぜていたとも改めて主張している。

関連米SEC、バイナンスとCZ氏を提訴 多くの仮想通貨銘柄を有価証券と主張

ゲンスラー氏は仮想通貨業界においては、取引所、ブローカーディーラー、清算などの機能を一つの企業が行っているケースが見られることについても懸念を表明している。

他の証券市場のように、コア機能を分離すれば、こうしたサービスの混合によって発生する可能性のある問題を抑えることができるとも述べた。

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