CoinPostで今最も読まれています

米下院議員ら、仮想通貨規制を明確化する法案を発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨規制明確化のための草案

米下院の共和党幹部らは2日、暗号資産(仮想通貨)の規制に関する法律草案を発表した。米国で待ち望まれている、仮想通貨規制の明確化を目指す法案となる。

草案を起草したのは、金融サービス委員会のパトリック・マクヘンリー委員長、農業委員会のグレン・トンプソン委員長である。

マクヘンリー議員は、草案について「デジタル資産エコシステムに待望の規制明確化をもたらすための第一歩」だと説明。草案への建設的なフィードバックを待っていると呼びかけた。草案冒頭では、その意義について次のように説明されている。

デジタル資産に対する現在の規制枠組みはイノベーションを妨げ、適切な消費者保護を提供できないものだ。下院の金融サービス委員会と農業委員会は、市場参加者と消費者の両方にとってうまく機能する枠組みを確立することで、こうした欠点を解決しようとする。

今回提案する枠組みは、仮想通貨企業に明確な規制を提供し、米商品先物取引委員会(CFTC)と米証券取引委員会(SEC)の当局間に存在している見解の差を埋めることにもなるだろう。

「証券」と「商品」の線引き明確化

草案は特に、ある仮想通貨トークンが、証券としてみなされる場合と、商品(コモディティ)としてみなされる場合の線引きを明確にしようとするものだ。あるトークンのプロジェクトが十分に分散化され、投資契約ではなくなる場合について明確な定義を与えている。

具体的には、ある仮想通貨の発行者が、その仮想通貨のネットワークが分散型であることを、SECに示すための証明プロセスを規定した。

この点は今後変更となる可能性もあるが、現在の草案によると、「分散型」のネットワークとは、少なくとも過去1年間の間、誰も管理者が存在せずトークン発行者や組織がそのトークンの20パーセントを超えて所有していないネットワークと定義されている。

他に、分散型ネットワークとして認定される前の3か月間、プロジェクトのマーケティングやトークン発行が行われていないことも条件だ。12か月以内にトークンが発行されていた場合は、エンドユーザーに対してのみ発行されていた必要がある。

SECは法律に照らして、その証明に異議を唱えることができるが、その理由について詳しく述べる必要がある。また、プロジェクトが分散型から中央集権型に変化した場合、SECは分散型としての認定を取り消すことが可能だ。

さらに草案によると、仮想通貨取引プラットフォームはオルタナティブ取引システム(ATS)として事業登録できるようになる。SECが、仮想通貨を取り扱うことを理由として、あるプラットフォームがATSとして運営することを拒否することも禁じるものだ。

なお、決済用のステーブルコインは証券指定からは免除されるとしており、そうしたステーブルコインに対応するための法案は、マクヘンリー議員らが別途用意している。

関連米下院 ステーブルコイン草案の公聴会開催

SECとCFTCに共同作業を義務付け

草案は、仮想通貨についてSECとCFTCが共同で取り組んでいくことも定めている。デジタル資産に関する、CFTCとSECの合同諮問委員会を設立することを盛り込んだ。

この委員会は、20の市場参加者から構成され、デジタル資産について両委員会に助言を提供することになる。

また、CFTCとSECが分散型金融(DeFi)に関する共同研究などを実施することを義務付ける条項も存在。両委員会が、仮想通貨市場の包括的な規制のために新たな枠組みを策定し、企業には法的遵守のための移行期間が与えられることも提案した。

CFTC(商品先物取引委員会)とは

商品取引所に上場する商品や金利、デリバティブ全般など、米国の先物取引市場を監督する機関。

▶️仮想通貨用語集

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/29 月曜日
20:00
株式の信用取引とは|現物取引との違いや効果的な投資スタイルを解説
株の信用取引とは、最大約3.3倍のレバレッジをかけられ、売りからも始められる取引です。そのため現物取引に比べて利益の幅が大きく、投資機会が多いです。仮想通貨の分散投資先の候補として考えてみてください。
16:37
GSTの買い方、特徴やSTEPNでの役割を学べる完全ガイド
歩いて稼ぐフィットネスWeb3ゲーム「STEPN」の注目度が再び高まっています。2024年以降に底値から大幅上昇した暗号資産(仮想通貨)GSTの買い方やGMTとの違い、将来性について初心者にもわかりやすく解説しています。
12:54
ブロックチェーンゲーム「Heroes of Mavia」、MAVIAトークンのインフレ抑制へ
Web3ゲーム「Heroes of Mavia」は、イーサリアムベースの独自トークン「MAVIA」のインフレ抑制のため、ロック解除スケジュールを変更した。
12:27
ワールドコイン開発元、OpenAIらとの提携を検討か=報道
仮想通貨ワールドコイン開発企業は、決済大手ペイパルや、アルトマン氏の別事業OpenAIと提携を模索していると伝えられる。
10:00
仮想通貨の「ポイ活」潮流、将来のトークン配布を見越した投資戦略
ポイ活やエアドロップといった、2024年の暗号資産(仮想通貨)市場におけるトレンドを掘り下げる。将来のトークン発行に向けて最大限の報酬を得るため、ソラナやBASEでユーザーの活動量が増加。資本競争が激化している。
04/28 日曜日
11:30
ビットコイン相場は中期的には下降チャネル内での揉み合い続くか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン半減期を終え1000万円周辺で推移する相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BTCの半減期完了に高い関心
今週は仮想通貨ビットコインが半減期を迎えたこと、QCP Capitalによる半減期後の相場分析、イーサリアムの証券性などを巡りConsensysが米SECを提訴したことに関する記事が最も関心を集めた。
04/27 土曜日
21:00
OKCoinJapan 5月にオプティミズム(OP)取扱い開始へ
OKCoinJapanが暗号資産(仮想通貨)オプティミズム(OP)の取扱いを開始へ。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、その技術はCoinbaseが支援するBaseやバイナンスのopBNBの基盤に使用されている。OPのユースケースや今後の展望も言及。
17:20
機関投資家のDeFiリスク管理を強化、Fireblocksの新セキュリティ機能
FireblocksがDeFi製品にdApp ProtectionとTransaction Simulationを追加。リアルタイム脅威検知と安全なトランザクション実現で、機関投資家のオンチェーン活動をサポート。
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安で1ドル158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア