
機関投資家向け担保の選択肢を増やす
世界最大手仮想通貨取引所バイナンスは7月24日、機関投資家向けオフエクスチェンジ(off-exchange)決済サービスにトークン化実物資産(RWA)2種類の対応を発表した。利回り付きステーブル資産のUSYCとcUSDOが新たに担保として利用可能となり、機関投資家の資本効率向上を支援する。
USYCはUSDC発行企業サークルが今年1月に買収したハッシュノートが発行するトークン化マネーマーケットファンドで、約6.8億ドルの資産を保有している。米国債を担保とするレポ取引を主要投資対象とし、USDCへの即座償還機能を提供する設計となっている。
cUSDOはオープンエデンデジタルが発行するリベーシング型利回り付きステーブルコインで、米国債とレポ取引による収益を保有者に還元。バミューダ当局の認可を受けた規制対象事業体により運営され、機関投資家グレードの透明性を確保している。
新サービスでは2つの管理オプションを提供する。バンキングトライパーティでは規制対象第三者銀行での管理を、ミラーRSVではセフが運営する分離型コールドウォレットでの管理を選択できる。いずれも取引時の取引相手リスクを軽減しながらバイナンスの流動性にアクセス可能だ。
また、バイナンスは2025年末まで全サービス手数料を無料化し、機関投資家の導入障壁を低減する方針だ。トークン化された高品質資産への需要が高まる中、従来のポートフォリオ要件に適合する資産を活用した仮想通貨市場参加の新たな道筋を提供している。
関連:サークル社、SeiチェーンにネイティブUSDCとCCTP V2を導入 効率的なステーブルコイン利用を促進
関連:ステーブルコイン「USDC」の買い方、DeFi運用・使い方を徹底解説