Bitkeyウォレットのβテスト
ジャック・ドーシー氏がCEOを務める米決済企業ブロック社は15日、同社が手掛ける暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)ウォレット「Bitkey」のオープンベータプログラムを発表。一般のビットコインユーザーにその試用を募っている。
Bitkeyとは、セルフカストディ型のハードウェアウォレットであり、ユーザー自身が自身のビットコインを管理できる。複数の秘密鍵でビットコインを保護する機能や、紛失時の復元を可能にするリカバリーツール、及びモバイルアプリがセットになっている。
オープンベータプログラムとは、製品の正式リリースに先立ち一般のユーザーがその性能を試すためのプログラムだ。参加ユーザーは所定のトランザクションを行い、そのフィードバックをブロックに提供し、製品改善に貢献することが期待される。
ベータ版ではBitkeyの機能はビットコインの基本的な送受信や上限付の決済に制限されている。さらに、Bitkeyは取引所としてCoinbaseやCashAppとのみ連携しており、ユーザーはこれらのプラットフォームから、コピー&ペーストなしでビットコインをウォレットに転送できる。
プログラムへの参加を希望するユーザーは、2023年6月30日までに申請フォームを提出し、その後7月末までに選考結果がメールで通知される。選ばれた参加者は、契約条件を確認した上でBitkeyハードウェアデバイスの配送先を登録し、デバイスを受け取り次第アプリをダウンロードして使用を開始する。
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ブロック社のビジョン
Bitkeyは将来的に、より多くのサードパーティの取引所と連携し、ユーザーがアプリを通じてビットコインを直接購入できるようになる予定だ。また、大手仮想通貨取引所CoinbaseはBitkeyとの国際的なパートナーシップを発表。ユーザーがビットコインを現地通貨に換金する機能を提供することを明らかにしており、対象国としては、米国、カナダ、英国、ブラジル、オーストラリアなどが挙げられている。
セルフカストディウォレットとは、ビットコインなどの暗号資産をユーザー自身が秘密鍵を管理して保有するためのウォレットのことで、「自己ホスト型」や「セルフカストディ型」などとも呼ばれている。これにより、取引所を通さずに自己の資産を管理することが可能となる。
ブロック社は、「個々の人々が自分自身のビットコインを真に所有し、その管理を自身で担う」というビジョンを具現化する製品としてBitkeyを位置づけている。
ビットコインのセルフカストディは、顧客が自分の金融生活をよりコントロールし、所有するための重要なステップになるだろう。
ジャック・ドーシー氏がCEOを務める米フィンテック企業であるブロック社は、かつてはSquare Inc.という名前で知られていたが、2021年12月に現在の名称に改名した。その株価ティッカーはSQのまま引き継がれ、15日の取引終了時点では約4%の上昇を記録している。
ブロック社が運営する送金アプリ「Cash App」は、数年前からユーザーに対してビットコインの購入機能を提供してきた。ビットコインを利用した支払いオプションや、ライトニングネットワークを通じたコイン受け取りオプションも提供している。なお、新たに開発されたBitkeyは、ライトニングネットワークに対応していない。