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SECとバイナンスUS、資産凍結の回避で合意

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

バイナンスUS資産の凍結は回避

米証券取引委員会(SEC)と大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスの米国部門「バイナンスUS」は、バイナンスUS資産の凍結を回避することで合意した。エイミー・バーマン・ジャクソン地裁判事も、この合意を承認している。

合意には、バイナンスホールディングス、バイナンスUS運営会社(BAM Trading Services:BAM)などの企業や、バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOが保管していたバイナンスUSの顧客資産を、米国に送還することも含まれている。

また、BAMに対して、SECによるバイナンスに対する訴訟の裁判期間中、米国の顧客資産を米国内で維持し、顧客による出金を処理することも課す。その他には、次のような事項が盛り込まれた。

  • BAMがバイナンスホールディングスなど関連会社や、CZ氏に資産または資金を移すことなどを禁止する
  • 通常の事業経費を除いて、BAMが資金を支出することを制限。BAMの経費支出をSECが監督する
  • バイナンス側が記録を破棄することを禁止する
  • 顧客資産の保管と安全に関して、SECに対する証拠開示を義務付ける

当初SECは、バイナンスUS資産の凍結を求めていたが、バイナンス側はこの要求は「不必要かつ不当」であり、事実上バイナンスUSの事業を終わらせて顧客資産もリスクにさらすものだと訴えた。

その後、SECとバイナンスはこの要求を中心として協議を行っていた。このたび、資産凍結は避けられた格好だ。

関連米SECとバイナンスUS、資産凍結を巡り協議を開始

対立するSECとバイナンス

SEC執行部のグルビル・グレワル ディレクターは、次のようにコメントしている。

私達は、SECが訴訟で申し立てている不正行為を追及し、証券法違反疑惑などに対してバイナンスとそのCEOに責任を取らせていく。その一方で、米国の顧客がバイナンスのプラットフォームから資産を引き出すことができることを保証した。

SECは、CZ氏とグローバル版バイナンスが、バイナンスUSの顧客資産を管理していて、顧客資産を自由に転用したりすることができたと申し立てている。グレワル氏は、この主張を改めて強調し、今回の同意でバイナンスに課される禁止事項は、投資家の資産を保護するために必要だとも述べた。

一方で、バイナンス側は、バイナンスUSが顧客資産を分別していなかったとするSECの主張に反論しているところだ。

関連バイナンスUS、SECの主張に反論 裁判書類提出

バイナンスUSは今回の合意について、裁判所は「事実と法律の両方から明らかに不当な」SECの凍結要求を認めなかったとして、次のように声明を発表した。

当社は裁判所命令によりSECとの間で、通常の事業を継続することを可能とする合意に達することができた。

顧客資産の不正使用に関して、SECはこれまでに証拠を提出していない。実際、SECの弁護士らは今週初め、法廷で判事の質問に対して、資産の不正使用が起こったことを示唆する証拠はないと認めている。

バイナンスUSは、「SECはあらゆる手段を使って仮想通貨業界を潰そうと試みている」とも主張した。

また、SECによる訴訟は、バイナンスのビジネスと評判にダメージを与えたものの、不当な告発や「強制執行による規制」というSECの戦術から身を守るという決意は変わらないと続けている。

SECとは

1934年設立。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。仮想通貨が有価証券に該当するかという判断も行う。SECは「Securities and Exchange Commission」の略で、日本では「証券取引等監視委員会」が近い役割を担っている。

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