Republic、INXに7億円超出資へ
デジタル証券と暗号資産(仮想通貨)の取引プラットフォームを提供するINXは19日、金融会社Republic(リパブリック)と協力して、ブロックチェーンベースのインフラを構築し、一次・二次市場向けに資産トークン化を進めると発表した。
リパブリックは、INXに約7.5億円(525万ドル)を投資することになる。リパブリックは、INXをプレマネー(資金調達前の企業価値)で、約71億円(5,000万ドル)と評価した。
この取引で、リパブリックはINXの発行済み株式の約9.5%を所有することになる。また、両社は、リパブリックが最高約171億円(1億2,000万ドル)の評価額でINX普通株式の100%を取得する契約についても検討する計画だ。
INXのシャイ・ダティカCEOは、次のように説明した。
私たちの目標は、必要なインフラストラクチャーを構築することで世界的なトークンエコノミーを成長させることだ。トークンエコノミーの運営をサポートするだけでなく、世界中の投資家に喜ばれるような投資体験を整備したい。
戦略的投資家としてのリパブリックと協力して、私たちは従来型資産とデジタル資産の両方が成長するための環境を作り出していく。
両社は、TradFi(伝統型金融)とDeFi(分散型金融)の両方における専門知識とリソースを組み合わせることで、プライマリー市場(資産を発行し、資金調達する市場)とセカンダリー市場(投資家間での売買市場)の両方に対応する、規制に準拠した幅広いソリューションを導入する予定だ。
DeFi(分散型金融)とは
ブロックチェーンを活用し、中央管理者不在の状態で行われる金融サービス、またはそのシステムを指す。「Decentralized Finance」の略。DeFiで行われる金融サービスには、ステーブルコインの発行や通貨の貸出、仮想通貨取引所などがある。イーサリアムのブロックチェーンを利用しているプラットフォームが多い。
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仮想通貨取引システムの統合も
協力協定で、INXとリパブリックは主に次のようなことを行う。
- INXは、リパブリックの企業ポートフォリオに、セキュリティトークンやトークン化された株式などの資産トークン化サービスを提供。年中無休で利用できるINX ATS(代替取引所システム)で流通市場向けにそれらのトークンを上場する。
- INXの、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ステーブルコインなど仮想通貨の取引ソリューションを、リパブリックのエコシステムに統合。
- リパブリックのFXブローカー・ディーラー機能をINXのプラットフォームに統合。
- INXの取引プラットフォームとリパブリックのウォレットを統合。
リパブリックは2016年に設立され、米ニューヨークを拠点としている。スタートアップや仮想通貨、不動産、美術品などに投資できるプラットフォームを運営しており、ブロックチェーン顧問サービスや、プライベートキャピタル部門も設置している。
モルガンスタンレーなど大手金融企業の支援を受けており、1,500社を超える企業のポートフォリオや、100か国以上からの300万近くのユーザーを擁している。米国の他に、英国、アラブ首長国連邦(UAE)、韓国、シンガポールでも事業を行っているところだ。
セキュリティトークンとは
セキュリティトークンは、「有価証券をトークン化してブロックチェーン上でやり取りするもの」である。有価証券は保有している資産を証明するものでなけれならず、その価値が法定通貨などで担保されることに基づき、セキュリティトークンとは「ブロックチェーン上で管理する、株式や債権など」と言い換えられる。
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