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イングランド銀行、CBDCのリテール運用のプライバシー問題を調査 Nuggetsがゼロ知識証明技術提供

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

CBDCのプライバシー機能

イングランド銀行(BoE)が、一般利用向けCBDCの運用におけるプライバシーリスクを調査していることが5日に明らかになった。Web3(分散型ウェブ)技術と決済サービスを手がける英国企業Nuggetsが、デジタルポンドのプライバシーとアイデンティティ管理技術を提供する。

CBDC(中央銀行デジタル通貨)とは、各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。その用途は主に金融機関同士の「ホールセール」と、一般向け「リテール」に大別される。

Nuggetsは、リテールCBDC(一般市民向けのCBDC)に関する監視とプライバシーの問題に対する解決策を提供している。検証済みの自己主権型分散ID(SSDID)を通じて、信頼性が高く法規制に準拠した取引の実現を目指している。

Nuggetsは現在、イングランド銀行とともに国際決済銀行(BIS)および欧州中央銀行(ECB)らと共同でリテールCBDCの運用について研究するプロジェクト「Project Rosalind」に参加している。Rosalindでは、リテールCBDCの技術的な実現可能性を試験し、その有効性を実証することに取り組んでいる。

Nuggetsは最近、BoEから独立した依頼を受け、デジタルポンドのプライバシーとセキュリティに関する調査と設計を開始したという。目指すのは、取引の追跡を防止し、詐欺やマネーロンダリングを防ぐプライベートで安全なシステムの設計だ。

BoEのプロジェクトでは、プライバシーを保護する一環として「ゼロ知識証明」という暗号技術が使用される予定だ。これにより、個人を特定できる情報を共有せずに、CBDCアカウントの凍結、解除、削除といった操作が可能になる。

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ゼロ知識証明とは

証明(Proof)プロトコルの一種であり、証明者が「自身の主張は真実である」以外の情報を検証者に開示することなく、その主張が「真実である」と証明するメカニズム。

イングランド銀行とCBDC

イングランド銀行(BOE)は2023年2月に、ポンドをデジタル化する計画について公募を開始し、公衆からの意見を求めた。ジェレミー・ハント財務大臣はその際、CBDC導入に対して積極的な姿勢を示していた。

現金が完全になくなることはないだろうが、イングランド銀行が発行し保証するデジタルポンドは、信頼され、アクセスしやすく、使いやすい新しい支払い方法として受け入れられるだろう。

イングランド銀行は、今後2年間でデジタルポンドの実験・設計段階を進行し、その成果を元にデジタルポンドの開発を進めるか否かを決定する予定だ。CBDCのパイロットテストは、少なくとも2025年までは開始されない見込みとなっている。

Nuggetsは、創業者兼CEOアラステア・ジョンソン氏と共同創業者のシーマ・キンダ・ジョンソン氏が2016年に設立した企業だ。同社はCBDC向けのウォレット・ソリューションの提供だけでなく、分散型自律組織(DAO)での投票システムや、ZKロールアップに対応したウォレットの開発など、多岐にわたるサービスを展開している。

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