はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

Matter Labsが示す「ZK信条」、ゼロ知識証明の新たなビジョン 

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ZKクレド

イーサリアム(ETH)のレイヤー2スケーリングソリューションzkSyncの開発を手掛けるMatter Labsは23日、「ZKクレド(信条)」と名付けた新たなビジョンの初版を公開した。

ゼロ知識証明(ZK)技術がインターネットの次のフェーズ、すなわちWeb3における分散化、プライバシー、セキュリティをいかに促進するかを示した。

ここでの”ZK”は、暗号技術の一つであるゼロ知識証明を示している。ZKクレドは、ZK Revolution(ゼロ知識証明による革新的な世界観)とZK Principles(ゼロ知識証明を適用するための基本的な原則)を通じた、一連の思想や信念としてまとめたものとなる。

「ZK Revolution」は、ゼロ知識証明(ZK)の進化とその影響を指しており、その詳細について”Integrity”、”Privacy”、そして “Magic” という3つの側面から説明されている。この「ZK Revolution」は、ブロックチェーン技術とWeb3を通じて個人の自由を更に推進するとされている。

具体的には、「Integrity(完全性)」は数学やオープンソース、ブロックチェーンの基本精神である「信じるな、確認せよ」を反映し、再帰的ZK証明(証明の集約技術)を用いることで、あらゆる規模で計算の完全性が確保される。

次に、「Privacy(プライバシー)」は、デジタル社会における基本的な人権であり、ZK技術が取り組むべき課題と位置づけられている。最後に、「Magic(魔法のような技術)」は、ZKが複雑な操作をシンプルなクリックに変換し、統合システムを可能にする力を表している。

関連:イーサリアムL2「zkSync」、zkEVMのメインネットのアルファ版を全ユーザーに提供開始

ZK Principles

一方、「ZK Principles」では、分散型ネットワークが守るべき基本的な8つの原則を明示している。それらは、信頼の不要性、セキュリティ、確実性、検閲耐性、プライバシー、超スケーラビリティ、アクセシビリティ、主権の8つが挙げられている。

– 信頼の不要性:他人に依存することなく、取引とネットワーク状態の完全性を独立して検証できる
– セキュリティ:個々のユーザーに対する攻撃が、ネットワーク全体を攻撃することと同等の困難さと費用を必要とする
– 確実性:ネットワークが一貫して正確に動作すること
– 検閲耐性:誰もが許可を必要とせずにネットワーク上で取引を行える能力
– プライバシー:ユーザーの身元や取引の詳細を守る能力
– アクセシビリティ:dAppsが手頃な価格で、使いやすく、安全であること
– 超スケーラビリティ:他のすべての重要な特性を保持しながら、限界なく拡大する能力
– 主権:ネットワークを分割(フォーク)する権利

これら全ての原則が、個々のユーザーが自身のデジタル資産やデータを自由に保持、管理する環境を作り上げることを目指している。しかしながら、これらの原則を守るためには技術だけでは足りず、コミュニティ全体で分散化の理念を深く理解し、受け入れる必要があるとMatter Labsは強調している。

さらに、Matter Labsは、イーサリアムがこれらの原則を達成するための最も近いプラットフォームであるとしつつも、プライバシー、スケーラビリティ、アクセシビリティといった面でまだ十分でないと指摘している。その上で、ZK技術を利用すれば、これらの不足を補うことができると示唆している。

Matter Labsは、「ZKクレド」がzkSyncだけでなく、より広範なWeb3(分散型ウェブ)エコシステム全体の指針になると主張。この新たなビジョンの初版は現在GitHubで公開されており、一般のコミュニティからの議論やフィードバックを募っている。

関連:イーサリアム財団、「ゼロ知識証明」サマープログラムのオンライン説明会を6/26に開催

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
06:40
アーサー・ヘイズ、米国債信頼低下で2028年までのビットコイン100万ドル到達を予測
アーサー・ヘイズ氏が最新ブログで、米国債市場の信頼低下と海外資本の本国送還によりビットコインが2028年までに100万ドルに達すると予測。トランプ政権下での資本規制強化が仮想通貨市場を押し上げる要因になると分析した。
06:05
米ウィスコンシン州、460億円超のビットコインETFを全売却 香港企業は買い増し
ウィスコンシン州投資委員会が3.2億ドル相当のブラックロックビットコインETFを完全売却する一方、香港のアベニアは第一四半期に340万株を追加購入し保有拡大。
05:45
イーサリアム、今後の価格動向を示唆する重要なホルダーコスト水準とは?
BlitzzTradingの最新分析によると、過去一週間で高騰していた仮想通貨イーサリアムは現在重要な価格帯に到達。ETHホルダーの平均コストに関連した価格動向が明らかに。
05/15 木曜日
17:44
リミックスポイントが決算発表、経常赤字5.4億円に 来期の暗号資産は強気シナリオ想定
リミックスポイントが25年3月期の決算を発表。暗号資産(仮想通貨)評価損が影響し、5.4億円の経常赤字となった。一方、来期はビットコインETF資金流入やトランプ政権政策を背景に、業績の大幅回復を見込んだ。
17:16
NXPCとは|MapleStory N対応の仮想通貨を解説|買い方・将来性
Nexon発のMapleStory Nで使用される仮想通貨「NXPC」の仕組みや買い方を初心者向けに解説。メイプルストーリーのWeb3版ゲームの経済システムからウォレット設定まで徹底ガイド。
14:00
「イーサリアムにおける重要な転機」BTCS社、ETH保有増やすために最大84億円調達へ
ナスダック上場のBTCS Inc.が84億円規模の転換社債発行で仮想通貨イーサリアム購入戦略を強化。第一弾の調達ではバリデーターノード運用拡大とステーキング収益増加を目指す。
13:15
米民主党、トランプ一族の仮想通貨事業に関する「疑わしい活動報告」提出を財務省に要請
米下院の民主党幹部が財務省に対し、トランプ一族のDeFi事業「WLF」とミームコイン「TRUMP」に関する疑わしい活動報告(SAR)の提出を要請した。民主党は、要請の根拠として「贈収賄、汚職、利益相反」への懸念を挙げた。
13:00
パンテラCEO、ビットコインが米株式市場を凌駕する理由を解説
仮想通貨VC大手パンテラキャピタルの創設者がToken2049で講演。米政権の好意的な政策や市場の割安感から、ビットコインが株式市場を上回る成長をいずれは遂げると分析。
12:00
JPモルガン・Ondoなど、RWAトークン化のクロスチェーン決済実験に成功
チェーンリンク、JPモルガン、Ondo Financeが共同でトークン化米国債ファンドのクロスチェーン決済テストを実施した。DvP取引の効率化とリスク低減を実現するとしている。
11:53
アジア富裕層が仮想通貨投資を拡大、アルトコイン市場は節目を超える
暗号資産(仮想通貨)ビットコインは10万ドル台を堅持し、過去最高値まであとあと6%の位置に迫る。アルトコイン市場も840億ドルの抵抗線を突破し、底打ち反転のシグナルも。UBSの調査ではアジアの富裕層が従来の資産から仮想通貨へ資金を移している現状が指摘された。
11:20
ウクライナ、国家のビットコイン準備金創設へ=報道
ウクライナが国家戦略としてビットコイン準備金創設を進める模様。トルコでのロシア・ウクライナ首脳会談の動きと併せて解説。
11:15
カルダノ創設者ホスキンソン、3700万ウォレットに仮想通貨エアドロップ計画を発表
チャールズ・ホスキンソン氏がConsensus 2025で8つのブロックチェーンをまたぐ「Glacier Drop」を発表。ベンチャーキャピタル排除の新エアドロップ戦略で仮想通貨コミュニティの統合を目指す。
10:30
セイラーのストラテジー社、「ビットコイン戦略でナンバーワンの上場企業へ」=アナリスト
アナリストのジェフ・ウォルトン氏はFTの特集で、ストラテジー社が仮想通貨ビットコインを基盤に市場で最強の企業になると予測。
09:50
リミックスポイント、ビットコインを追加購入 暗号資産保有総額は111億円超に
リミックスポイントがビットコインを5億円分追加購入。イーサリアムやリップルなども含めた暗号資産(仮想通貨)の総保有額は111億円を突破。Web3領域の投資事業を加速。
09:45
イーサリアム価格急騰の3つの要因とは、資産運用会社が分析
仮想通貨イーサリアムの価格急騰の背景には、ステーブルコインとトークン化、Layer 2の進展、投資家のショートポジション解消などが影響。市場動向と成長要因を詳しく解説。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧