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米大統領候補ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏、大胆なビットコイン政策を発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインを非課税に

米大統領選の民主党候補ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は19日、新たにビットコインを使った二つの改革を公約として掲げると発表した。その一つがビットコインのキャピタルゲイン税免除であり、もう一つがビットコインを含む「ハードカレンシー」で段階的に米ドルを裏付けるというものだ。

「Heal-the-Divide」(分断を癒そう)を掲げる政治活動委員会(PAC)のイベントにオンライン参加したケネディ氏は、「アメリカを暗号資産(仮想通貨)、特にビットコインの世界的なハブにすることがケネディ政権の使命だ」と語った。

同政権下では、ビットコインを米ドルへ換金する際にキャピタルゲイン税から免除するという。この政策には負の側面もあるが、ケネディ氏は以下の例を挙げ、国にもたらす恩恵はその欠点を遥かに凌駕すると主張した。

  • イノベーションと投資の促進
  • 国民のプライバシーの確保
  • ビジネス成長のインセンティブ
  • 優秀な技術系人材が米国に留まる動機付け
  • 政府が通貨を武器化することを困難に=言論の自由の確保

同氏は免税がもたらす好影響について、クリントン政権がEコマースを10年間免税対象とした政策を例に取り説明。当初は、金持ちなど一部の層だけを利することになるのではと大きな論争を引き起こした政策だったが、結果的には、多くの才能あるエンジニアを米国に惹きつけ、eBay、ペイパル、アマゾンなどの成功した企業が米国に留まり、シリコンバレーの繁栄を生み出すこととなったと指摘した。

米ドルと国債の裏付け

ケネディ氏の二つ目の政策は、米ドルおよび米国国債を「有限な」資産である金(ゴールド)、銀、プラチナ、ビットコインで裏付けるというものだ。同氏は、ビットコインは「最もハードな流動資産」だと主張する。

私の計画は、まずは非常に小さく、たとえば発行された短期国債の1%を、金、銀、プラチナ、またはビットコインなどのハードカレンシーで裏付けすることから始めることだ。そして結果次第では、その割合を年々増やしていく。

同氏は、インフレと短期国債の利回りの上昇が、アメリカ国民、特に低所得層を苦しめていると指摘。個人経営を支える地方銀行が、流動性を提供せずローンの貸し渋りをしているため、経営を諦めるケースを多く見てきたという。しかし、短期国債にビットコインなどで裏付けを与えることで金利上昇を抑え、流動性の提供を可能にするとの考えだ。

「皮肉なことに、ビットコインが米ドルを救う助けとなるだろう」とケネディ氏は主張する。

ケネディ氏は5月に開催されたビットコイン2023カンファレンスで、ビットコインへの揺るがない信頼と支持を表明。今回のスピーチでも、ケネディ政権がビットコインの普及と伝播を奨励することを約束するとともに、カンフェレンスでの公約(ビットコインの自己管理の権利、ブロックチェーンノード運営の権利、CBDCの阻止など)を繰り返した。

関連:米大統領候補、仮想通貨ビットコインの寄付金受け入れへ

陰謀論支持の批判

ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は、1963年に暗殺されたジョン・F ・ケネディ(JFK)米大統領の甥にあたり、同政権で司法長官を務めたロバート・F・ケネディ氏を父に持つ。同氏も68年に暗殺されている。

政治エリート一族に生まれながらも、叔父と父を暗殺で失うという悲劇を経験したロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は、大統領選への出馬表明までは、政治の世界からは一歩引いて、環境保護や子供の健康を守る活動に傾倒してきた。

JFK大統領の暗殺についてケネディ氏は、当事者でしか知り得ない未公開の情報に基づき、CIAの関与を主張している。また、幼少期のMMRワクチン接種が自閉症と関連していると長年警鐘を鳴らしてきた。さらに、これまで人体に使われたことのなかったmRNA技術を基盤とした新型コロナワクチンについても、その危険性を訴えてきた経緯がある。

このような、一般に受け入れられている説とは異なるケネディ氏の主張は、主流メディアからは「陰謀論」として批判されることが多い。

直近では、米ホワイトハウスが、ケネディ氏が新型コロナウイルス感染症(Covid19)に対してユダヤ人と中国人に「最も免疫がある」と不当な主張を行ったとして批判。反ユダヤ主義や人種に対する偏見を煽るものだと指摘した。

このような批判に対し、ケネディ氏はホワイトハウスが言及したニューヨーク・ポストの記事は、間違っていると反論。実際には、「米国や他の政府が民族を標的にした生物兵器を開発している」ことと、「COVID-19ウイルスの2021年の研究では、COVID-19は特定の人種に不釣り合いに影響を及ぼすようである」という説を、研究論文から引用して、指摘しただけだと主張。ニューヨーク・ポストに対し記事を撤回し、記事を執筆したレヴィン・ジョナサン氏に謝罪するよう求めている。

また、この件に関して当事者であるユダヤ人コミュニティからは、同氏の発言に対する理解を得られているとツイートした。

ユダヤ人コミュニティからの支援に感謝している。彼らは私が反ユダヤ主義者でないことを知っている。本当の反ユダヤ主義はたくさんある。間違った非難でこの言葉の品位を落とさないでほしい。

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