仮想通貨支持を表明する大統領候補
米国の大統領候補で、民主党指名争いに出馬表明したロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は19日、マイアミで開催されたビットコイン2023カンファレンスにて、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)で選挙活動への寄付を受け付けると発表した。
米国の大統領候補者が、BTCの寄付金を受け入れるのは初とみられる。
ケネディ氏は、ジョン・F・ケネディ元大統領の甥。民主主義の観点からビットコインを支持する姿勢を示し、聴衆に次のように語りかけている。
大統領に選ばれた暁には、ビットコインを保有したり利用する権利が不可侵であることを保証する。
私は生涯をかけて”民主主義と自由”を支援していきたい。ビットコインの保有は“自由”の行使結果であると同時に、“自由”を保証するものでもあるからだ。
ケネディ氏は、具体的に仮想通貨について以下のような方針を表明した。
- 自己管理型ウォレットにビットコインを保管する権利
- ブロックチェーンのノードを自宅で運用する権利
- 業界に依存しないエネルギー規制
- 米国が仮想通貨技術の中心地(ハブ)であり続けること
- 仮想通貨規制の管轄権と、ガバナンスの整備
ケネディ氏はビットコインの環境負荷を認め、環境に配慮したエネルギー技術を普及させていくことを奨励した。その一方で、議論すべきことの焦点をぼかすためや、仮想通貨業界を弱体化させる口実として、環境負荷を持ち出すべきではないと述べた。
ケネディ氏は、今の政府および規制当局SEC(証券取引委員会)は、仮想通貨セクターに対して敵対的な姿勢を強めている状況だと指摘。自身が大統領になれば、仮想通貨企業にとってよりよい政策環境を整備することができると強調した。
暗号資産擁護派は民主党議員だけには止まらない。現野党である共和党の大統領候補として立候補を表明する実業家のヴィヴェック・ラマスワミ氏も19日、仮想通貨で選挙キャンペーンの寄付を受け付けることを発表した。
米大手仮想通貨決済企業BitPayのサービスを利用しており、寄付者はQRコードを読み取って、様々な支払いオプションを選ぶ画面へとアクセスできる。
仮想通貨に批判的なバイデン政権
現職のバイデン大統領は、最近仮想通貨に批判的な発言を行っているところだ。
9日には、共和党の予算案に対して「裕福な仮想通貨投資家を助ける税の抜け道」が盛り込まれていると批判した。これは、課税回避するためにも行われることがあるウォッシュセールに対する税の控除をなくすという、共和党の案に反対したものとみられる。
バイデン大統領は、G7首脳会議の席でも、「富裕層の税金回避行為や仮想通貨トレーダーを保護するような提案に同意するつもりはない」と繰り返している。
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ウォッシュセールとは
投資家が実質的にある株式などのポジションを維持したまま、税控除を受けるために投資損失を出すことを目的として行われる売買。一例としては、個人が株式を売却して損失を出した後で、その前後30日以内に同一または実質的に同一の株式や有価証券を購入する場合が挙げられる。
▶️仮想通貨用語集
さらにバイデン政権は2日にも、仮想通貨マイニング企業は、マイニングに使用する電力コストの30%に相当する税金を支払うべきとも提案しており、ケネディ氏は、ビットコインマイナーに不利益を与えない「中立の立場」の規制方針を表明している。
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