CoinPostで今最も読まれています

バイデン米大統領、共和党予算案を「裕福な仮想通貨投資家の税の抜け道」になると批判

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

180億ドルの抜け道

バイデン米大統領は9日、2.4兆円(180億ドル)に上る「裕福な暗号資産(仮想通貨)投資家の税の抜け道」を許容しているとして、共和党の予算案を批判するツイートを投稿した。

MAGA共和党員の価値観を推測する必要はない。彼らは、我々にはっきりと伝えているのだから。

このツイートでは、バイデン政権が連邦予算から180億ドルに相当する「裕福な仮想通貨投資家を助ける税の抜け道」を削除すべきだと考えているのに対し、「MAGA共和党員」は150億ドル(約2兆円)相当の食品安全検査を削減すべきだと考えていると、指摘している。

米連邦政府の債務上限問題で、無条件での引き上げを求めるバイデン政権と、政府の歳出削減を条件とする下院共和党の協議は平行線を辿っており、未だ進展は見られていない。

ジャネット・イエレン財務長官は1日、議会による債務上限の引き上げがなければ、早ければ6月1日にもデフォルトする可能性を警告した。

共和党を批判するツイートは、このような状況で発せられたものだ。

MAGAとは

”Make America Great Again”=「アメリカを再び偉大な国にする」の意味で、米国の政治で用いられる選挙スローガン。1980年の大統領選でロナルド・レーガン第40代大統領が初めて使用。近年ではドナルド・トランプ前大統領が二度の大統領選挙で使用し、保守層の政治活動場面でよく使われている。

▶️仮想通貨用語集

ウォッシュセール規則の適用

バイデン大統領のツイートでは具体的に何が「税の抜け道」にあたるのかには言及されていない。しかし、3月に発表された2024会計年度(23年10月~24年9月)の予算教書では、仮想通貨に対する課税方法の変更が提案されている。

その一つが、仮想通貨に「ウォッシュセール規則」を適用し、同一または類似の仮想通貨を売却した後、迅速に買い戻すときに発生した損失に対する税の控除をなくすという提案だ。米国では、株式や債券の取引には同規則が適用されている。

バイデン政権はこの変更により、10年間で4.3兆円(約316億ドル)相当の歳入が得られると見積もっている。

ブルームバーグは3日、個人トレーダーがウォッシュセールを利用して損失を申告することで、「何十億ドルもの」租税回避を行っていると、全米経済研究所(NBER)の分析に基づいて報道した。

ブローカーに1万ドル以上の仮想通貨取引の報告を義務付けるなど、内国歳入庁(IRS)による監督が厳しくなる中、トレーダーは仮想通貨取引では許容されているウォッシュセールを使った「合法的な税の回避」に切り替えていることが明らかになったとしている。

NBERは既存の税法や規制が仮想通貨に対処するよう設計されていないと指摘。「仮想通貨課税に関する監視と政策の明確化」が喫緊の課題だと主張した。

予算教書では上記に加え、以下の変更も提案している。

  • 金融機関と仮想通貨ブローカーによる情報報告
  • 仮想通貨も時価評価税制の対象にする
  • 米国外の仮想通貨口座に多額の資産を保有する米国人に対して、 その資産をIRSに報告することを義務付ける

関連:米バイデン政権の予算教書 仮想通貨課税に関する変更提案も

マイニング企業への課税

バイデン政権はまた、2024年度予算で「デジタル資産マイニングエネルギー(DAME)税」を提案。仮想通貨マイニング企業に対し、マイニングに使用する電気代の30%に相当する税金の負担を求めている。

DAME税は、2024年から年に10%づつ、3年間をかけて段階的に導入される予定で、2026年末に目標の30%に達する見込みだという。

関連:バイデン政権、仮想通貨マイニング企業に30%課税を提案

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア