CoinPostで今最も読まれています

米バイデン政権の予算教書 仮想通貨課税に関する変更提案も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ウォッシュセール規則の適用などを提案

米バイデン政権は9日、2024会計年度(23年10月~24年9月)の予算教書を発表した。暗号資産(仮想通貨)についても、課税などの面で変更を提案した箇所がある。

具体的には、仮想通貨を「ウォッシュセール規則」の対象とする。「ウォッシュセール」は、一般的に、投資家が実質的にある株式などのポジションを維持したまま、税控除を受けるために投資損失を出すことを目的として行われる売買だ。

一例としては、個人が株式を売却して損失を出した後で、その前後30日以内に同一または実質的に同一の株式や有価証券を購入する場合が挙げられる。

今回の予算案では、同一または類似の仮想通貨を購入し、売却してすぐに再購入する際に発生する損失に対しては税額控除をなくすという条項が盛り込まれた形だ。なお、株式や債券はすでに米国の税制上、そのような取り扱いを受けている。

バイデン政権は、この変更により、10年間の予算枠で約4.3兆円(約316億ドル)の歳入が得られると見積もった。

その他に仮想通貨関係では以下の変更を提案した。

  • 金融機関と仮想通貨ブローカーによる情報報告
  • 仮想通貨も時価評価税制の対象にする
  • 米国外の仮想通貨口座に多額の資産を保有する米国人に対して、その資産をIRS(内国歳入庁)に報告することを義務付ける

これらの変更により、10年間の予算枠約5.5兆円(約400億ドル)の資金を調達できると予測している。

なお、米国では議会に予算編成権があるため、予算教書は大統領が議会に方針を示す案となる。議会が、教書を参考にしつつ予算について議論を進める形だ。このため、その内容がすべて実現するとは限らない。

予算教書全体では、今後10年間で、連邦政府の財政赤字を約409兆円(3兆ドル)近く削減することを提案している。法人税率を21%から28%に引き上げることや、高額所得者のキャピタルゲインへの高率課税、米国企業の海外利益への課税、石油・ガス企業への課税強化なども提案した。

歳出総額は前年度比8%増の約937兆円(6兆8,830ドル)を要求している。

インフラ法の仮想通貨条項

バイデン政権で2021年に成立したインフラ法案にも、仮想通貨に関わる条項が設けられており、業界や一部議員から問題視されている。

この条項は、仮想通貨関連の「ブローカー」に対し、税務報告として、その顧客の情報開示を求めるものだ。しかし、ブローカーの定義が不明確であるため、マイナーや、ウォレット提供者など、本来顧客情報を持たない事業者にも報告義務が課せられるのではないかと懸念されているところだ。

関連下院でも修正案提出、米インフラ法の仮想通貨条項めぐり

パトリック・マクヘンリー議員とリッチー・トーレス議員を中心とする議員グループは7日、「ブローカー」の範囲を限定する修正案を再度提出した。当該条項は、デジタル資産技術の運用と相容れないもので、イノベーションを阻害する恐れがあるとしている。

インフラ法とは

8年間で1.2兆ドル(約130兆円)を道路・橋、鉄道、港湾・空港、水道、高速通信網、電力網などの国内インフラへの投資を行う。バイデン政権の経済分野の主要政策の1つ。2021年11月15日に成立。

▶️仮想通貨用語集

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/27 日曜日
13:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、アバランチのVisaカード発行やAI系ミームコインGOATの高騰など
仮想通貨市場の1週間の動きをまとめ、ビットコイン、イーサリアム、XRP、アバランチなど時価総額上位の仮想通貨の最新の材料を紹介。米国著名投資家の発言やマイクロソフトのビットコイン投資検討など、重要なトピックスも取り上げた。
11:30
心理的節目の上抜けに成功すれば、ショートカバー伴い最高値を試しにいく展開も視野|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストが1000万円台前半で底堅い推移となるビットコイン(BTC)相場を分析。今週の相場失速で失望するのは時期尚早だと言及し、今後の展望を解説した。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|DOGE時価総額3兆円突破に高い関心
今週は、ドージコインの時価総額3兆円突破、米政府のウォレットから30億円相当の仮想通貨が不正流出した可能性、マイクロソフトのビットコインへの投資評価に関するニュースが最も関心を集めた。
10/26 土曜日
14:00
「ビットコイン現物ETF、個人投資家が需要の8割を占める」バイナンスが報告
バイナンスがビットコインの流通量4.5%を現物ETFが保有していると指摘。個人投資家主導の需要拡大と機関投資家の緩やかな参入を分析している。
11:55
リップル社、仮想通貨XRPめぐる対SEC控訴裁判で4つの論点を提出
リップル社がSECとの裁判で控訴審に向けた陳述書を提出。ハウィーテストの適用など4つの重要論点を提示している。
07:20
マイクロストラテジー、24年ぶりの高値 ビットコイン強制売却の可能性は「極めて低い」 BitMEXが分析
BitMEX Researchのアナリストは、マイクロストラテジーが現在の債務構造に基づいて保有しているビットコインを強制的に売却する可能性は「極めて低い」と主張した。
06:35
ハッカー、米政府の仮想通貨ウォレットに大部分の流出資金を返還
米政府の仮想通貨ウォレットから流出した約30億円相当の資金のほとんどが、24時間以内に返還されたことが観測された。
06:15
テザーCEO、米政府捜査の報道を否定
ステーブルコイン発行企業テザーのパオロ・アルドイーノCEOは26日、米国の連邦検察当局が同社を調査しているとのWSJ報道内容を否定した。
10/25 金曜日
18:05
AIエージェントと仮想通貨の融合 コインベースが描く未来像
米コインベース・ベンチャーズは、人工知能(AI)とブロックチェーン技術の新たな融合がデジタル経済を変革すると主張。Web3上で、自律型AIエージェントが人間と自由にやりとりする世界「エージェントWeb」が誕生する未来のビジョンを描いた。
13:28
国内における「暗号資産ETF」実現に向け、 ビットバンクが勉強会の総意として提言公表
暗号資産(仮想通貨)bitbankを運営するビットバンクは、証券会社や資産運用業者、信託銀行等と共同で行う「国内暗号資産ETF」勉強会への参加とともに、参加メンバー一同として日本における暗号資産ETFの実現に向けた提言を発表した。
11:40
個人マイナーが再びビットコインブロック採掘に成功、3200万円相当の報酬獲得
仮想通貨ビットコインのソロ個人マイナーが再び大きな報酬を獲得したことが判明した。9月に続く事例である。
10:45
1995年公開「攻殻機動隊」のNFT、アニモカブランズジャパンから発売へ
今回は第一弾で、1995年に公開された押井守監督作品『攻殻機動隊』をフィーチャーしている。このNFTコレクションでは、作中に登場するキャラクターのパーツを、Mocaverse、CoolCats、San FranTokyoのPFP専用Traitsとしてそれぞれ描き下ろした世界に1つだけの作品となっている。
09:35
米国ビットコイン現物ETF、約100万BTCの保有でサトシ・ナカモトに迫る
米国ビットコイン現物ETFの保有BTCが98.5万枚を突破。サトシ・ナカモトの推定110万枚に接近している。
07:50
マイクロソフト、12月株主総会で「ビットコインへの投資評価」を議決権行使項目に設定
米IT大手マイクロソフトは12月上旬に予定されている2024年の年次株主総会に向けて、「仮想通貨ビットコインへの投資の評価」を議決項目の1つとして設定した。マイクロストラテジーのようにビットコイン保有企業になるか。
07:20
取引所らの企業、日本の仮想通貨ETF誕生に向け提言作成
日本で仮想通貨ETFが承認されることを目指し、取引所や法律事務所らが税制改正などを含め提言を作成した。対象銘柄をビットコインとイーサリアムに絞ることも提案している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧