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ブラジル、仮想通貨のクロスボーダー決済に課税検討 規制強化で抜け穴封じ=報道

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

為替取引と同等の扱いに

ブラジル政府が、暗号資産(仮想通貨)を利用したクロスボーダー決済への課税を検討していることが明らかになった。ロイターが政府関係者の話として報道した。

ブラジル中央銀行(BCB)は今月10日、仮想資産サービスに関する3つの新規制を公表。その一環として、仮想通貨を用いた購入・送金・交換などの取引を「為替取引」とみなし、外為規制の対象とする方針を示した。

関係者によると、財務省はこれを踏まえ、ステーブルコインを含む仮想通貨を利用した一部のクロスボーダー決済を金融取引税(IOF)の対象とする案を検討している。

現在、ブラジルでは仮想通貨取引にIOFは課されないものの、投資家は月間の非課税枠を超えた利益に所得税を支払う必要がある。財務省は本件への公式コメントを控えているが、関係者は、今回の措置の目的は新たな歳入確保ではなく、規制上の抜け穴を塞ぐことにあると説明している。

関連:ブラジル中銀、仮想通貨と国際資本取引の新ルール導入

施行は2026年2月

中央銀行の新規制は2026年2月に施行される予定だ。国外との資金移動や投資目的の送金には上限が設けられ、認可を受けた事業者以外との取引は1回あたり10万ドル相当までに制限される。また、仮想通貨を利用した外国投資や外部からの融資などの資本取引も新たな報告義務の対象となる。

ステーブルコインの売買・交換をはじめ、仮想通貨を使用した国際送金、カード決済、自己管理型ウォレット間の資産移動も外国為替取引として扱われるが、9ヶ月の猶予期間が設けられる。

関係筋によれば、この規制は自動的に金融取引税の義務を発生させるものではなく、実際の課税は連邦税務当局が別途定めるガイダンスに従う必要がある。連邦税務当局は17日、ブラジル国内でサービスを提供する海外プラットフォーム経由の取引も対象とすると発表した。

仮想通貨市場の急成長と規制の必要性

ブロックチェーン分析企業チェイナリシスの最新レポートによると、ブラジルは中南米最大の仮想通貨市場である。2024年の同国における仮想通貨の流通額は、推定3,188億ドル(約49.5兆円、中南米全体の約3分の1)で、前年同期比109.9%の成長率を記録。2025年のグローバル仮想通貨普及指数では第5位にランクインしている。

連邦税務当局のデータによると、2025年上半期の仮想通貨取引額は2,270億レアル(約6.6兆円)に達し、前年比の20%増となった。このうち3分の2は米ドル連動型ステーブルコイン「USDT」の取引で、ビットコイン(BTC)の取引額は全体の約11%にとどまった。

ブラジル当局は、ステーブルコインが投資よりも「支払い手段」として使われ、規制の空白を突いたマネーロンダリングに悪用されるリスクを警戒してきた。

今年2月初旬、ブラジル中央銀行のガブリエル・ガリポロ総裁は、「クロスボーダー取引量の約90%はステーブルコインによるもの」と指摘。関係筋によれば、中央銀行はステーブルコインが主にドル残高を低コストで保有する手段として利用されていると評価しており、この判断を踏まえ新たな規制枠組みを導入することで、税制改革への道を開いたとしている。

関係筋は新たな規制の目的について、「ステーブルコインの利用が従来の外国為替市場における規制裁定取引を生じさせないことを確保すること」と説明している。これまで規制対象外であったステーブルコインや仮想通貨を外国為替取引として位置付けることで、規制の抜け穴を是正する狙いがある。

連邦警察の関係者によると、機械や部材の輸入において公式には20%のみ申告し、残りをUSDTで支払うことで関税を回避するケースも確認されているという。政府は、仮想通貨を利用したこのような「裏送金」により、年間300億ドル(4.6兆円)以上の税収が失われていると推計している。仮想通貨取引がIOFの課税対象となることで、取引の可視性が向上し、他の輸入税の徴収も容易になると見込まれている。

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