CoinPostで今最も読まれています

コンセンシス、「メタマスク」の知的財産めぐり訴訟に直面

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

起業家ジョエル・ディーツ氏による訴訟

米国の起業家で暗号資産(仮想通貨)関連のエンジニアでもあるジョエル・ディーツ氏は1日、ブロックチェーンソフトウェア技術企業Consensys(コンセンシス)に対して訴訟を起こした。Blockworksなどが報じた。

カリフォルニア州の裁判所に提出された訴状によると、同社が提供するイーサリアム(ETH)系のブラウザ内ウォレット「メタマスク」の開発にディーツ氏は貢献したが、これについて適切な評価を受けていないと申し立てている。

ディーツ氏は、2014年に、ブラウザ内仮想通貨ウォレットの知的財産を「Vapor」というプロジェクトで開発したと主張。2015年、このプロジェクトのコーディング支援のためにコンセンシスの従業員アーロン・デイビス氏を採用していたとする。

しかしその後、デイビス氏はVaporのアイデアを用いて、ダン・フィンレイ氏とともにメタマスクをローンチしたと述べる格好だ。

訴状によると、2015年には、Vaporの開発チームは適切なプロトタイプの開発に成功していた。しかし、第三者から調達できると見込まれていた資金が入手できないという問題が発生し、この時点でデイビス氏からディーツ氏への連絡は途絶えていたという。

ディーツ氏は、デイビス氏が、メタマスクの開発にあたってはディーツ氏が関わっていたことを認めていないと主張。このため、ディーツ氏はメタマスクに対する所有権を行使する機会が与えられずに損害を被ったと続けている。

メタマスクとは

イーサリアム系の仮想通貨ウォレット。モバイルアプリやウェブブラウザの拡張機能にてサービスを提供しており、仮想通貨の管理や送受金が可能。DeFi(分散型金融)やゲームなどのdApps(分散型アプリケーション)で標準的に利用されているウォレットでもある。

▶️仮想通貨用語集

コンセンシスの反論

この訴訟について、コンセンシスの広報担当者は次のようにコメントした。

ジョエル・ディーツ氏は、トークンを販売したり、世界中の投資家から資金を得るために、自身をメタマスクの創設者であると偽って宣伝していた。

ジョエル・ディーツ氏はメタマスクの創設者ではなく、メタマスクやそのテクノロジーとは何の関係もない。私たちは裁判所がディーツ氏による軽薄な申し立てを速やかに却下することを望んでいる。

一方、ディーツ氏は次のように述べている。

この訴訟では、メタマスクの創設パートナーとしての私の役割を証明する実質的な証拠を示すことができると確信している。また、何人かの同僚もそのことを証明してくれるだろう。

ディーツ氏は現在メタバースやAI(人工知能)用のプログラミング言語に取り組んでいる人物だ。アラブ首長国連邦(UAE)ドバイのデジタル化を進める政府組織Digital Dubaiのメタバースアドバイザーや、マサチューセッツ工科大学(MIT) のサイエンスフェローも務めている。

また、クリエイターのためのWeb3メタバースプラットフォーム「Open Metaverse Alliance for Web3(OM3)」の創設メンバーの一人で、メタバースプラットフォーム「MultiversalME」のCEOでもある。

メタバースとは

インターネット上に構築された、多人数参加型の3次元仮想現実世界のこと。アバターを使い、様々な楽しみ方ができる。例えば、『The Sandbox』というゲーム内のメタバースでは、ボクセルアート制作ツールやゲーム制作ツールが提供されており、ユーザーはそのなかで自作のゲームや施設を作ることができる。

▶️仮想通貨用語集

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
10:20
大統領候補ケネディJr氏、米政府のビットコイン積立を提唱
ケネディJr氏は、米大統領に当選した場合、政府が財務資産として仮想通貨ビットコインを毎日購入し積み立てるようにすると話した。
09:45
3兆円運用の米ミシガン州の退職年金基金、10億円以上のビットコイン現物ETF保有
仮想通貨ビットコインの現物ETFに対する米国の年金基金からの需要は増加傾向にある。運用資産総額3兆円に相当するミシガン州の退職年金はウィスコンシン州とニュージャージー州のジャージー市の年金基金に続き、ビットコインETFの株を保有していることを報告した。
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア