CoinPostで今最も読まれています

米デジタル商工会議所、対SEC裁判でバイナンスを支援

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

バイナンス擁護の法廷助言書

米国のデジタル商工会議所は19日、米証券取引委員会(SEC)対暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスの裁判で、バイナンスを擁護する法廷助言書(アミカス・ブリーフ)を地方裁判所に提出した。

デジタル商工会議所はデジタル経済とブロックチェーン技術に関連する企業や団体のための業界団体の一つ。デジタル商工会議所の主張によれば、SECに越権行為があり、証券法の定義を証券市場に関係のない分野にまで拡大している可能性がある」と申し立てた。

過剰規制は米国内のイノベーションを阻害し、業界参加者の米国外への移転・人材流出を促すことにもつながると警鐘を鳴らしている。

「トークン自体は証券ではない」と申し立て

アミカスブリーフの主な焦点は、有価証券を構成する「投資契約」の定義にあった。SECは、有価証券を未登録で提供・販売したなどとしてバイナンスを訴えているところだ。

デジタル商工会議所は、これまで米国の裁判所は一般的に、トークンを含め投資契約の対象となる商品自体は、投資契約あるいは証券ではないという判例を示してきたと指摘した。

SECがバイナンスに対して訴訟を起こすことは、オレンジなど果物を販売する食料品店や、アマゾンのようなオンライン電子商取引市場を訴えるようなものだと述べている。仮想通貨のトークンは、オレンジなどの果物と同様に、それ自体は有価証券ではないと主張している。

例えば、過去の最高裁で、フロリダの柑橘畑の権益の提供をめぐる判例があった。その際には、フロリダの柑橘畑に関する利益分配を受ける権利などについては「投資契約」とされたが、柑橘畑や、果実そのものが「有価証券」にあたるとはみなされていなかった。

デジタル商工会議所は、こうした例を参照しつつ、以下のように続けた。

SECは、投資契約そのものと、その契約の対象物との区別を崩そうとしているが、一般に取引所で取引可能なトークンは、証券をあらわす「契約、取引、スキーム」ではない。

SECは、取引所で取引されるトークンが、その保有者に利益を受け取る権利を付与するものであるとは主張しておらず、またそう主張することもできない。

トークンを証券とみなすのであれば、それと同様にオレンジやウイスキーなど投資契約の対象となる可能性のある商品や資産まで証券性を持ち、SECの管轄対象になってしまうことになるが、そうしたことは不可能だとも論じている。

法廷助言書(Amicus Brief)とは

米国の法廷における制度。裁判当事者以外の第三者が、公式に意見書を提出することを可能にするもの。その内容は裁判で考慮される。

▶️仮想通貨用語集

明確な規制の必要性

デジタル商工会議所は、仮想通貨に対する明確な規制枠組みが必要であると唱えた。米国議会が、消費者保護とイノベーションを両立させるための立法を行っていくべきと強調する格好だ。

規制を明確化しようとする試みは議会で開始されている。7月には米下院農業委員会が「21世紀のための金融イノベーションとテクノロジー法」を可決した。現在は下院の審議を待っているところだ。

この法案は、SECと米商品先物取引委員会(CFTC)が、仮想通貨に特化したルールを共同で作成することを求めている。また、一定の条件を満たすことを条件に、トークン販売について証券法の適用免除を認める内容も盛り込んだ。

関連米下院農業委員会、仮想通貨規制を明確化する法案可決 下院での審議へ

リップル社の事例

米地裁は7月、仮想通貨XRPの証券性をめぐるリップル社対SECの裁判において、トークンとしてのXRP自体は有価証券ではないとの判決を下している。なお、機関投資家への販売については、証券にあたるのSECの主張を認めた。

関連「仮想通貨XRP自体は有価証券ではない」米地裁、裁判で判決下す

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
12/08 金曜日
11:45
サム・アルトマン支援のMeanwhile Group、1億ドルのビットコイン運用ファンドをローンチ
Meanwhile Advisorsが仮想通貨ビットコインに焦点を当てたプライベートクレジットファンドを立ち上げ。BTCで5%の利回りを提供し、2024年第1四半期までに1億ドル調達の計画。OpenAIのサム・アルトマンが支援するMeanwhile GroupはBTCベースの生命保険ビジネスも展開。
11:00
ブロック社、BTCのセルフカストディウォレットをローンチ
米ブロック社は、仮想通貨ビットコインのセルフカストディウォレットBitkeyをローンチ。ウォレットの特徴や仕組み、出荷時期などが明らかになった。
10:40
ソラナDeFi「Kamino Finance」、将来エアドロップ向けのポイントシステムを開始予定
仮想通貨PYTHやJTOなどソラナプロジェクトの無料配布が注目を浴びる中、ソラナDeFi「Kamino Finance」は将来のエアドロップに向けてポイント制システムを導入すると発表した。
10:15
バイナンス、UAEアブダビでの投資ファンドライセンス申請取り下げ
大手仮想通貨取引所バイナンスは、UAEアブダビにおける投資ファンドのライセンス申請を取り下げた。グローバル戦略見直しの一環とみられる。
08:25
米国株AI銘柄上昇 日銀総裁発言で円高進む
米国株は来年の米利下げへの行き過ぎた期待との指摘が散見される中、AI関連株ではグーグルのGemini発表や、AMDの新たなAIチップ発表などがAI相場上昇への追い風となった。
07:50
仮想通貨Jito(JTO)、バイナンスやBybitにも上場 価格高騰
ソラナの大手リキッドステーキングJitoのガバナンストークン「JTO」は昨夜、仮想通貨取引所大手コンベースやバイナンス、Bybitに上場し価格が暴騰していた。
07:40
Uphold、補助型のセルフカストディウォレット提供へ
Web3金融プラットフォームUpholdは、補助型のセルフカストディウォレットをローンチ。まずは仮想通貨XRPに対応し、今後はビットコインなどにサポートを拡大する。
07:05
SECのビットコインETF審査 最終段階か=ロイター報道
米証券取引委員会(SEC)と申請企業の間で重要な技術的な詳細について協議が進んでおり、近く仮想通貨現物ビットコインETFを承認する可能性があることが示唆された。
12/07 木曜日
17:00
「Beyond The Price」、未公開内容や過去のまとめを配信
第11回のGM Radio:Beyond The Priceは2日に公開。仮想通貨ビットコインなどについて過去の配信をまとめ、未公開の内容も追加した。
15:00
「ビットコインETF承認は機関投資家を後押しする決定打となる」米ARKのウッドCEO
米ヘッジファンドARK Investのキャシー・ウッドCEOは、米証券取引委員会によるビットコイン現物ETFの承認は、仮想通貨投資を検討している機関投資家に対し、「確定的なお墨付き」を与える可能性があると述べた。
14:30
仏大手銀行がイーサリアムでステーブルコイン「EURCV」を初発行
ソシエテ・ジェネラルがイーサリアムでユーロ連動ステーブルコインEURCVを発行。暗号資産(仮想通貨)取引所Bitstampに上場。入出金時にはKYC(顧客確認)およびAML(資金洗浄防止)コンプライアンス手続きが適用される。
14:20
IEO後に高騰したアイドルトークン「NIDT」の裏側|関係者インタビューvol.1
関係者インタビュー NIDT(Nippon Idol Token)は、web3時代の女性アイドルを創造する「IDOL3.0 PROJECT」の独自暗号資産(仮想通貨)です。 I…
13:55
コインチェックがアバランチの取扱いを開始 
暗号資産(仮想通貨)取引所コインチェックがアバランチ取り扱い開始。AVAXの取扱いを皮切りに、クリプト技術を活用し社会や経済に実際の利益をもたらすプロジェクトを支援していく方針を示す。
13:30
サザビーズ、ビットコイン版NFT「Ordinals」のオークション初開催
サザビーズはビットコイン版NFTプロジェクト「オーディナル」作品で初めてのオークションを開催。「BitcoinShrooms」の入札を行う。
12:27
ビットコイン、時価総額で世界9位の資産に 
暗号資産(仮想通貨)ビットコインが時価総額8,500億ドルを超え世界第9位に。ウォーレン・バフェット率いるバークシャーを上回り、エヌビディアを追う勢い。首位の金(ゴールド)市場の1/16ほどの規模となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2023/12/08 12:00 ~ 13:00
その他 オンライン
2023/12/12 14:00 ~ 16:00
その他 オンライン
重要指標
一覧
新着指標
一覧