- 日本金融庁や米SECも参加する「世界投資者週間」が開催
- 今月10月1日から7日にかけて、World Investor Weekが開催されている。その参加者には、SECや、CFTC、FINRA、日本からも、金融庁や日本取引所グループが参加している。その中で、投資家教育に向けて、投資全般の注意点が公表され、同時に仮想通貨関連の話題についても言及された。
World Investor WeekでICOについて言及される
今月10月1日~7日にかけて行われているWorld Investor Weekにて、アメリカ証券取引委員会(SEC)も参加、今後、個人投資家、従業員、経済全体における投資および、貯金の重要性に焦点を当てていくことを強調し、ICOやデジタル資産、分散型台帳技術などの仮想通貨関連の話題にも言及した。
World Investor Weekは、証券監督者国際機構(IOSCO)が主体となって開催され、6大陸の規制局が、投資家教育を念頭においたこの会議に参加。
アメリカからはSECだけでなく、アメリカ商品先物取引委員会(CFTC)や金融取引業規制機構(FINRA)などの規制機関が参加し、日本からも金融庁や、日本取引所グループなども参加した。
その中でSECの投資家教育および支持部門では、CFTCやFINRA、北米証券監督官協会(NASAA)と共に投資全般の教育、仮想通貨関連の投資への注意喚起を含む、投資家の指南書を公開した。
投資全般の教育
詐欺プロジェクトにおいて、昨今多く見られる傾向として挙げられたのは”私は金融のプロだ”と言って近づいてくる人々の事例だ。
これに対し、BrokerCheck.org 、Investor.gov、SmartCheck.govなどのウェブサイトで実際に登録業者であるのかを確認すべきであるとの注意喚起が行われた。
これらのウェブサイトでは、公式機関に認可されているか否かだけでなく、その登録者が過去に顧客からクレームがあったかも参照することができると記載されている。
特に、認可された登録業者は、基本的にクレジットカードでの投資を推奨していおらず、もし金融のプロを装う人に、投資商品の購入や、投資口座へのクレジットカードでの入金を勧められた場合は、特に注意すべき必要があると強調した。
また、公開された指南書では、アインシュタインが過去に「複利は人生最大の発見」と発言したように、複利の力の重要性を説くと共に、ポートフォリオの分散化も推奨した。
仮想通貨についての言及
その指南書では、2017年に大きな高まりを見せた仮想通貨市場についても言及され、特にICO分野では多くの詐欺まがいのプロジェクトが存在し、注意喚起を行う必要があることを以下のように記述した。
「魅力的なICOウェブサイトや、友好性を感じ、特筆すべき経歴を持ったプロフィール、非常に精巧なホワイトペーパーが用意されていても、詐欺である可能性は充分にあり得るため、投資家は、常に最新の注意を払っておく必要がある。」
ICO詐欺サイトの一例として、SECが独自に作成したhoweycoins.comとうたう、実在しない仮想通貨HoweyCoinのICOサイトを挙げ、このhoweycoinsのようなウェブサイトを持つプロジェクトは、注意が必要であることも記述した。
このサイトを覗くと、政府の公認プロジェクトなどと記載する文章など、政府や規制当局の名前を出し、良いプロジェクトかのような記述がなされている。
ICOのような初期プロジェクトへの投資は、例え、それが詐欺まがいのプロジェクトでなくとも、リスクが非常に大きいことを理解し、全資産を失う可能性があることも念頭に置いた上で投資を行うことが大切であると重ねがさね強調した。
実際に、ICO分野でもよく見られるように、業界内外の著名人の名前を広告塔として使用し、資金調達を成功させようと考える人々も存在しているが、指南書では、有名人を起用していることが、そのプロジェクトの正当性を保証するものではないと強調、「ある有名人がそのプロジェクトを良いと言っているから」という理由で投資をすべきではないとした。
最後に、SECの責任者を務めるJay Clayton氏は、「私が話を聞いた投資家のほとんどが、もっと小さい頃から、投資や市場における教育を受けていたかったことを明かした」と語り、早期からの投資教育の重要性を説いた。
この投資教育は、日本の中でも課題点に挙げられており、日本人投資家は世界的にも多いと言われている状況下の中で、詐欺事例や正しい投資のあり方を伝える投資教育は、規制と並行した一つの重要な課題と言えるかもしれない。
参考記事:SECプレスリリース
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