マネロン対策の不備を指摘
ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)は28日、同国の暗号資産(仮想通貨)・ ブロックチェーン企業ビットコイン・グループ(ADE)の子会社futurum Bankに対してマネーロンダリング対策の不備を是正するよう命令した。
futurum Bank(フトゥラムバンク)は、ビットコイン・グループの100%子会社であり、株式・債券などの取引に加えて、「Bitcoin.de」という暗号資産(仮想通貨)の取引プラットフォームも運営している。
BaFinは10月、同社に対してマネーロンダリングおよびテロ資金調達防止措置の不備に対処するよう命令。特に、内部セキュリティ対策、デューデリジェンス(顧客のリスク確認)義務の履行、不審行為報告システムに重大な欠陥があったと述べていた形だ。
今回改めて、フトゥラムバンクは欠陥を修正し、進捗状況についてBaFinに継続的に報告しなければならないとしている。
これを受けて、フトゥラムバンクは29日に声明を発表。内部管理システムを改善するための措置を講じているところだとして、次のようにコメントした。
ビットコイン・グループは現時点でグループ内にマネーロンダリングおよびテロ資金供与に関する法律違反の兆候はないと明言する。
また、すでに規制要件を満たすための対策を講じており、指摘された不備をすみやかに是正することを目指しているとも述べた。
同社のマルコ・ボーデワインCEOも、BaFinと協力して「近年の同社の成長に追いついていなかった内部プロセスの弱点」に対処しているところだと説明している。
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仮想通貨に進出するドイツの大手企業
ドイツでは従来型の金融機関も仮想通貨やブロックチェーン事業に参画を始めているところだ。
11月にはドイツ対外貿易の約30%を扱うメガバンクのCommerzbank(コメルツ銀行)が仮想通貨カストディのライセンスを取得。まず最初の段階として、機関顧客のために規制を完全に遵守した、安全で信頼性の高いカストディプラットフォームを構築するとしている。
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また、9月にはドイツ銀行が、スイスのTaurus(トーラス)と提携しており、仮想通貨のカストディや、現実資産(RWA)トークン化事業へ進出する姿勢を示した。
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RWAとは
「Real World Asset(現実資産)」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債権等の有価証券などが含まれる。
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