ARK 21Shares Bitcoin ETFの承認
米国証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー委員長が11日、暗号資産(仮想通貨)ビットコインに対する批判的な声明を発表したことに対し、アーク・インベストのキャシー・ウッドCEOは不満を示した。
ブルームバーグ・ラジオでのインタビューで、ウッド氏は「SECのためらいを踏まえると、金融機関は新しい規制枠組みに注意深く対処する必要があるだろう」と述べている。
SECは11日、11銘柄のビットコイン現物ETF(上場投資信託)の申請を承認し、翌日から取引が開始されると見られる。アークと21シェアーズが共同で申請した「ARK 21Shares Bitcoin ETF(ARKB)」も11銘柄の一つである。個人や機関投資家は、米国ではMorgan StanleyのE-Trade、Fidelity Investmentsなどの証券口座を通じてこれらのETFにアクセスできるようになる見込みだ。
ウッド氏は多くの個人投資家の間で仮想通貨への関心が高まっていると語り、「これはビットコインにとって新たな章の開始であり、当社はこのETFを通じてトップクラスのプロバイダーになることを目指している」と強調した。
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ビットコインに関するゲンスラー氏の警告
ビットコインETFの承認は、ゲンスラー氏を含む5名のSEC委員による投票で決定され、その結果は3対2だった。ゲンスラー氏は賛成票を投じたが、承認発表後の声明では、グレースケール裁判の判決により方針転換を余儀なくされたことを示唆した。
さらに、「特定のビットコイン現物ETP株の上場と取引を承認したが、ビットコインを承認または支持したわけではない」と述べて、ビットコインが主に投機的で不安定な資産であること、また違法な活動に使用される可能性があることを警告した。
私たちは中立的な立場を保っているが、金属ETP(上場取引商品)の基礎資産には消費者や産業用途がある一方で、ビットコインは主に投機的で変動が激しい資産であり、身代金要求型マルウェア、資金洗浄、制裁回避、テロ資金調達などの不正行為にも使用されている。
ウッド氏は「ゲンスラー委員長の発言は、暗号資産全体を否定するものであり、信じられない」とし、「破壊的イノベーションに対する抵抗の典型例」であると指摘した。また、ゲンスラー氏の姿勢を「古い考え方が新しいDNAをバッシングしている」と批判した。
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