はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米国会では当分仮想通貨に関する立法は見込めない|専門弁護士が公聴会を分析、見えてきた2つの懸念点

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

専門弁護士が公聴会を分析
専門弁護士のJake Chervinsky氏が、米時間11日に行われた米国会の公聴会での仮想通貨に関する議論を受け、自身のTwitterで詳細な分析を記述した。彼は仮想通貨推進派のPeter Van Valkenburgh氏のパフォーマンスを高く評価する一方で、対する反対派のNouriel Roubini氏は議論の質が低いと評価している。
議論のまとめ
Chervinsky弁護士は、懸念点をあげながらも、概ね意義のある議会だったと認めており、議員のこの領域への理解も少しずつではあるが進歩していると論じた。

議論内容に関する分析と各参加者の印象

昨日行われた米国会の公聴会で仮想通貨に関する議論が行われ、経済学者のNouriel Roubini氏(仮想通貨反対派)とCoin CenterのPeter Van Valkenburgh氏(仮想通貨推進派)がそれぞれ相反する立場から激しい議論を繰り広げた。

専門弁護士のJake Chervinsky氏はこの公聴会を受けて、自身のTwitter でが詳しく分析した。

本記事ではその要点を踏えて分析を紹介する。

なお、公聴会の内容についてはコインポストのこちらの記事 をご参考に。

専門弁護士による分析

Chervinsky氏はまず、仮想通貨とブロックチェーン技術が革新的であるとして支持するValkenburgh氏と、これに反対して、銀行や企業が同技術を導入することはないと断言するRoubini氏の両名の議論の姿勢と質に言及した。

これによれば、Valkenburgh氏は詳細で明快な内容を提示し、Chervinsky弁護士も好感を持った様だが、Roubini氏に関しては、相手の意見の批判にばかり力を入れ、相手の主張を正しく引用することもできていなかったと、厳しい見方をした。

Chervinsky弁護士曰く、実際に、Roubini氏はビットコインの手数料を誤った価格で引用していたり、一般的に非常に困難であるとされる51%攻撃を簡単でよくあることだと述べるなどしていた。

そして、この公聴会において重要なこととして、議員の見解がどう進んだかということが挙げられるが、これについてはChervinsky弁護士は以下のように述べた。

私の感覚では、議員の仮想通貨に対する理解は進歩を見せたように思えるが、その進歩も決して大きくはない。ほとんどの議員がまだ基本を理解しようとしているところで、一部が仮想通貨に好感・興味を示し、そしてごく一部は否定的であるか全く関心がないといった状況だ。

また彼は、結局のところ議員は誰一人としてこの技術の理解に本気ではなく、現状では具体的な法案の一つすら通せないだろうと見なしている。

議員からの質問では、「ビットコインではなくブロックチェーンについて話してくれ」などといった、理解が十分でない場合によくある光景も見られた。

とはいえ、質の高い質問も議員からは出ていたようで、仮想通貨のメリットをわずかながらでも認める議員も出ていたことから、Chervinsky弁護士は今後仮想通貨への好意的な姿勢の可能性も感じられたと述べた。

議論のまとめ

同氏は、今回の公聴会での議論に関して、懸念点が残る点が2つあると話した。

一つは、市場の拡大可能性について尋ねられた際、Valkenburgh氏は「既存金融市場などからの機関投資家たちの流入が鍵だ」と答えたことだ。

これは一部の議員を満足させるに足る内容ではあるが、実際のところそれでは非中央集権の可能性を弱め、仮想通貨で変えてゆくべき伝統市場構造となんら変わらなくなるのではないかという点がChervinsky弁護士の意見だった。

そしてもう一つの懸念点は、ビットコインの犯罪利用の可能性について問われた際、Valkenburgh氏による「ブロックチェーンはパブリックで全ての取引を追跡可能なため、犯罪利用は現実的でない」という回答であった。

同氏によれば、これは今現在では確かにそうかもしれないが、今後ビットコインにも匿名性が実装されていくのは疑いようがないとのことだ。

今回の公聴会の中では、Valkenburgh氏は、ブロックチェーン技術が今後、政府による監視を上回る展開を見せるだろうということについては触れなかった。

米国での規制について関心が高いChervinsky弁護士にとっては、今後この事実が議員たちに判明した際の反応が心配であるとのことだが、総じてValkenburgh氏の今回の発言を賞賛している。

議員についてもわずかではあるが理解の進歩が見られたとして喜んでいた。

最後に、「現時点では、国会がSEC、CFTCに仮想通貨分野を任せ切っており、関与しないことに満足しているのが現状だ」と言い、当分正式の法案が見込めないと暗示した。

CoinPostの関連記事

金融安定理事会がG20をフォローアップ:仮想通貨は(現時点で)金融の安定を脅かすものではない
2018年3月にFSB長官からG20加盟国の財務大臣と中央銀行長官に宛てられた、報告書のフォローアップが公開された。仮想通貨関連業務のレビューも兼ねている。
韓国大手仮想通貨取引所Bithumbが396億円で買収される|アルトコインへの影響も考察
シンガポールに拠点を置くブロックチェーン投資ファンドのBK Global社が韓国最大級の仮想通貨取引所Bithumbを約396億円で買収したと報じられた。現在Bithumbが仮想通貨マーケットの中での重要性とアルトコインへの影響の期待感を考察した。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/13 木曜日
15:22
CMEグループとFanDuel、仮想通貨や株価指数などの予測市場アプリを12月に開始
FanDuelとCMEグループが12月に予測市場プラットフォーム「FanDuel Predicts」を開始。株価指数、仮想通貨、商品などのイベント契約取引が可能に。2035年に14兆円規模へ成長が予測される予測市場に、ロビンフッドやドラフトキングスなど大手企業も参入。
13:50
レンジ相場続くビットコイン、10万ドルが防衛線に=Glassnode分析
Glassnodeの最新分析によると、ビットコインは9.7万〜11.2万ドルのレンジ相場が継続している。10万ドルが重要な心理的防衛ラインとなっており、これを下回ると急落リスクが高まる可能性がある。
13:43
イーサリアム上のトークン化資産が30兆円突破 他のチェーン合計を上回る
イーサリアム上のトークン化資産が2010億ドル(約30兆円)を突破し、全ブロックチェーンの3分の2を占める。ステーブルコイン27兆円、機関投資家向けファンド、RWA1.8兆円と多様なエコシステムが拡大中。
13:35
Visa、ステーブルコイン決済の試験運用を開始 クリエイターやギグワーカー向け
Visaが米ドル連動型ステーブルコインUSDCを活用した決済サービスの試験運用を開始。クリエイターやギグワーカーに数分以内の即時入金を提供し、国境を越えた決済を迅速化。2026年後半に本格展開予定。
13:25
円建てJPYC、日本国債の新たな購入者に 日銀の穴埋め役として期待も=報道
JPYC株式会社の岡部代表が、JPYCの準備金が日本国債市場で新たな力になる可能性を話した。日銀の購入縮小も背景に、今後ステーブルコイン発行者の存在感が拡大することも考えられる。
13:15
トランプ大統領、米史上最長43日間の政府閉鎖を終了させる予算案に署名 仮想通貨市場への影響は
トランプ米大統領が連邦政府機関の閉鎖を終了させる予算法案に署名し、43日間続いた米史上最長の閉鎖が終結した。下院は222対209で法案を可決。再開により複数の仮想通貨ETFが承認される見通しだ。
11:25
ブラジル大統領、押収仮想通貨の即時売却を合法化する法案を提出 組織犯罪対策強化へ
ブラジルのルラ大統領が犯罪捜査で押収した仮想通貨を裁判結果前に売却できる法案を議会に提出した。中央銀行は今週、仮想通貨事業者への認可制導入を含む新規制も公表している。
10:25
ユーザー資金を凍結できる16ものブロックチェーンを特定、分散化の観点で議論呼ぶ=Bybit
仮想通貨取引所Bybitがユーザー資金の凍結機能を持つブロックチェーンを特定した。ハッキング対策に有効だが、分散化の理念と矛盾するとの指摘もある。
10:15
SBIグループで資産運用|証券・銀行・仮想通貨投資を効率的に
証券・銀行・仮想通貨を1つのエコシステムで管理できるSBIグループ。スマホ1つで株式、投資信託、金ETF、仮想通貨への投資を始められます。手数料優遇、ポイント連携、スムーズな資…
09:45
ヤフー・ファイナンス、ポリマーケットと提携し予測市場ハブを数カ月以内に開設へ
ヤフー・ファイナンスが予測市場プラットフォームのポリマーケットと提携し、新たな予測市場ハブを立ち上げる。経済や市場動向の確率データと分析を組み合わせて投資家を支援。
09:20
ビットワイズ、2026年にICO復活で数十億ドル規模の資金調達を予測 コインベーストークン販売サービス立ち上げを受け
仮想通貨資産運用会社ビットワイズのホーガンCIOが、コインベースのトークンセール・プラットフォーム立ち上げを受けて2026年にICOが資本調達の重要手段として復活すると予測。
08:50
モバイルゲーム大手KLab、ビットコインをトレジャリー資産として購入
モバイルゲーム開発のKLabが約2,000万円のビットコインを購入。国内では今夏以降、Defコンサルティング約50億円、イオレ約160億円など上場企業のトレジャリー戦略が加速。
08:30
JPモルガン、ベースチェーンで「JPMコイン」提供開始
JPモルガンが米ドル建て預金トークン「JPMコイン」を機関投資家向けにイーサリアムL2のBase上で提供開始した。B2C2、コインベース、マスターカードがテスト取引を完了している。
07:55
スイ、ネイティブステーブルコイン「USDsui」を年内ローンチ
ブロックチェーンのスイ(SUI)がネイティブステーブルコイン「USDsui」を年内に立ち上げる。ストライプ傘下のブリッジが発行し、主要プラットフォームとの相互運用性を備える。
07:12
サークル、独自ブロックチェーン「Arc」向けトークン発行を検討 USDC流通量は前年比2倍超
ステーブルコイン発行企業サークルがArcブロックチェーン向けネイティブトークンの発行可能性を発表した。第3四半期のUSDC流通量は前年比108%増の737億ドルに達し、純利益は202%増加している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧