- CMEのビットコイン先物:平均出来高が順調に増加
- CMEがビットコイン先物の第3四半期データを公開した。そのデータでは、前期比率で41%増、2期前からは172%出来高が増加していることが明らかになり、ビットコイン市場に置いてより重要な存在になりつつある。
- CMEとは
- 正式名称はChicago Mercantile Exchangeで、米国にある「シカゴ・マーカンタイル取引所」のこと。金融先物取引所で、農産物・通貨・金利・株価指数等、広い範囲の先物取引・先物オプション取引を行なっており、仮想通貨ビットコイン先物も取り扱っている。
CMEのビットコイン先物:平均出来高が順調に増加
ビットコイン先物取引を昨年12月より提供する米CMEは、第3四半期の取引データをツイッターで公開した。
CMEのデータによると、グラフ左の青色が示す第3四半期の先物取引の平均出来高は、第2四半期の3577から5053まで増加し、前期比率で41%増になった。
第1四半期からも大きく増加しており、1854(Q1)から5053(Q2)まで、172%増と順調に出来高を増加させている。
また、グラフ右の水色が示すOpen Interestは、未決済の建玉(先物取引における未決済になっているコントラクトの総数)は、第2四半期から19%の増加、第1四半期から増加傾向にあることがわかった。
ビットコイン先物の人気増加傾向
CoinDesk主催のConsensus Singapore 2018会議にて、CMEの株式、オルタナティブ投資の国際部門責任者を務めるTim McCourt氏が、同社におけるビットコイン先物の人気増加について言及している。
同氏によると、ビットコイン先物市場が更に伸びつつある状況を明らかにし、その背景に「アジアからの高い需要」があるといい、9月のスピーチ時点では、40%がアメリカ国外から取引が行われるようになり、内21%がアジア圏からの取引となっていると言及した。
価格下落の要因との懸念は?
また、同カンファレンス内にて、2018年年初からの下落の流れは、伝統的な取引所におけるビットコイン先物市場の開始で、投資家がショート(売り)ポジションを取れる様になったことが、下落の原因になったのではないか、というTomLee氏などの発言に対して、否定する場面も見られた。
McCourt氏は、出来高こそ増加傾向にあるが、同社が提供するビットコイン先物は、市場全体の中で一部に過ぎないとした上で、ビットコイン価格の大幅下落を直接引き起こした原因ではないと強調、先物提供の背景には、市場からの需要と安心できる水準までリスク管理が適切に行われた商品の提供があると、ビットコイン先物の重要性に言及している。
より重要性を増す先物取引のSQ日
米国ビットコイン先物市場では、米国のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の他に、シカゴ・オプション取引所(Cboe)で「先物取引」が提供されている。
限月(先物期限の満期日)が近付くにつれ、機関投資家などによる「ポジション解消の大量売買」が行われ、仮想通貨市場が動く可能性が指摘されており、特にビットコインFXトレーダーを中心に、その値動きに注目が集まっているが、現物市場にも大きく影響があるため、一般投資家においても重要となる。
これには、先物の仕組みが関係し、一定の期間が経過すると、投機取引のほとんどが取引最終日(SQ日)までに反対売買を行うことで、先物契約を決済する必要があることが挙げられる。いわゆる期限が設定されていることになる。
今回のように、先物の出来高や建玉の増加傾向は、これらの影響度をより市場に重要視させることになるだろう。
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