資金流入の予想は引き下げ
米金融大手JPモルガンのアナリストは7月10日、2024年における暗号資産(仮想通貨)への資金純流入額を現時点で80億ドル(1,273億円)と概算した。
これは、1か月前の予測値である120億ドルから下方修正されたものである。アナリストのレポートを入手した海外メディアが報じた。
2024年1月から12月までの仮想通貨市場への純流入予測「80億ドル」の内訳は以下の通り:
- ビットコインの現物ETFへの純流入:+140億ドル
- 取引所からビットコイン現物ETFへの組み換え分を相殺:-170億ドル
- シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)先物への純流入:+50億ドル
- 暗号ベンチャーキャピタルファンドによる資金調達:+57億ドル
JPモルガンは、市場全体への120億ドルの流入予測を80億ドルへ引き下げた複数の要因の一つとして、ビットコイン(BTC)がその生産コストや金価格と比較して割高であると指摘した。ビットコインの現物ETFへの純流入予想値は先月の160億ドルから12.5%縮小している。
関連:ドイツ政府のビットコイン売圧軽減へ、保有量10億ドル下回る
売り圧は7月に沈静化か
一方で、ポジティブな見通しも出ている。
7月10日付のレポートによると、JPモルガンはビットコインの大量売却の流れが7月中に緩和し、市場は8月以降に反発する、と予想している。過去1か月に、Mt.Gox(マウントゴックス)の債権者への返済や、ドイツ政府による売却が進行し、この流れがひと段落したとの見方が市場で広まっている。
2014年に経営破綻したマウントゴックスは7月5日、債権者への返済を実施したと発表した。仮想通貨取引所を通じて、一部の債権者に対してビットコイン(BTC)およびビットコインキャッシュ(BCH)による弁済を開始した。
Just now, #German_Gov only owns 9,094 $BTC (~$521M) – which means they did sell 6,458 $BTC (~$379M) in last 24 hours.
— The Data Nerd (@OnchainDataNerd) July 12, 2024
With current speed, all of their $BTC will be out of stock within 2 days.
Address:https://t.co/OeIxrye28N https://t.co/heiRtBQ8kC
オンチェーンアナリストのThe Data Nerdによれば、ドイツ政府と推定されるアドレスの残高は12日時点で9,094 BTC(5.21億ドル)であり、11日には6,458 BTC(3.79億ドル)を売却。このペースで売却が続けば、2日以内にも残高が枯渇する見込みである。
ビットコイン相場は、マイナー(採掘業者)の大量売却を含む強まる売り圧を受け、過去30日間で-14.8%変動していた。
$BTC
— OverTheIndex (@overtheindex) July 8, 2024
Waktu harga di $56K
Ada yang withdraw bitcoin dari exchange, buy the dip
Reserve Bitcoin di Exchange makin turun…..
Pertanda apakah ini ? pic.twitter.com/4BXo5ON2k8
最近では、ビットコインの価格が下落する中で、安値で買いを狙う投資家が増えている。SoSoValueのデータによると、米国の11のビットコイン現物ETFは12日、約7,900万ドルの純流入を報告した。これに伴い、取引所からビットコインが引き出される動きが続いており、取引所のビットコイン準備高は過去1か月間でさらに減少している。