- XRP有価証券問題に関する訴訟を連邦裁判所へ移転
- Ripple Labs社の弁護士陣は、同社が現在争っているXRPの有価証券問題に関する集団訴訟について、連邦裁判所へ移転させた。弁護団は今回の訴訟について「世界的な訴訟であり、特定の地域による条例だけでは裁くことができない」と主張している。
- 連邦裁判所への移転によるメリット
- 一概には言い難いが、一般的に連邦裁判所は当初の原告による申し立てを棄却する可能性が高く、判決を下すまでの時間が十分にあるなどのようなメリットがあるとも言われている。仮想通貨界隈に精通した著名な弁護士も自身のTwitterで、今回のリップル側の対応を「非常に戦略的だ」と評価している。
リップル社がXRP証券化問題に関する訴訟を連邦裁判所へ移転
法律専門報道 によれば、米国Ripple Labs(リップル社)の弁護士陣は、同社が現在争っているXRPの有価証券問題に関する集団訴訟(class action)について、争いの場をカリフォルニア州の上位裁判所(Superior Court)から連邦裁判所へ移転させた模様だ。
背景として、リップル社はXRPの発行及び配布に関連してXRPの投資家から6月に集団訴訟を受けており、原告はXRPが証券として登録されるべきだと主張している。
原告はさらに、恣意的な価格操作によって同社のXRPトークンの売却益を最大化したとして同社とそのCEOを訴えている。
当訴訟にあたっては、大手弁護事務所であるスキャデン・アープス・スレート・マー・アンド・フロムLLP(以下スキャデン・アープス)に加え、元SEC委員長Mary Jo White氏も同社の弁護団として雇われている。
そして、これまでリップル社を被告とした一般投資家による集団訴訟は、カリフォルニア州のサンマテオ郡上位裁判所で行われていた。
しかし、11月7日に同弁護団によって公表された訴訟移転に関する通知では、スキャデン・アープスのパートナーであるPeter Morrison氏が争いの場を移転する余地があると主張している。
この集団訴訟は「世界的な訴訟問題であり、特定の地域による条例だけでは裁くことができない」とMorrison氏は主張し、集団訴訟公正法(Class Action Fairness Act)に基づいて司法権を連邦裁判所へ移転させるべきだとしている。
また、集団訴訟公正法に基づいてMorrison氏は通知の中で以下のように記述している。
一般的な集団訴訟は以下の項目に該当する場合において、連邦管轄の適切な裁判所へ移転されうる。
- 100人以上のメンバーによる”集団”訴訟の場合
- 原告であるクラス(集団)のメンバーの全てが、被告人と違う国に属する場合
- 訴訟が5百万ドル(約5.7億円)以上の金銭に関わる場合
なお、今回の訴訟では、上記の3つの項目全てに該当している。
連邦裁判所への移転によるメリットは?
連邦裁判所への移転は、一概には言えないが被告にとってメリットをもたらすこともあると考えられる。
米国の法律専門サイト によれば、一般的に、連邦裁判所は告訴文面のみに基づいて判決を下すため、まず、州裁判所に比べて、判決に至るまでの必要な審議時間がより多く費やされる傾向も、そして、確固たる根拠が立証された場合、当初の原告による申し立てを棄却する可能性も高くなるとされている。
仮想通貨界隈に精通する弁護士であるJake Chervinsky氏も今回の騒動に関してツイッターでコメントし、リップル社の巧みな法的戦略について言及している。
Ripple's legal team showing some tactical brilliance here.
— Jake Chervinsky (@jchervinsky) November 9, 2018
It's hard to explain the procedural maneuver in one tweet & I'm not going to thread this, but suffice to say it's a *seriously* crafty attempt to go federal. Might not work, but slick regardless.https://t.co/DuR5kWNJwy
リップルの弁護団は戦略的に訴訟へ対処している。一つのツイートでことの顛末の全てを語るのは難しいが、連邦裁判所へ争いの拠点を移すというのは非常にスマートな方法であると言っていいだろう。これが有効に働くかは別だが、それでもやはり見事な戦術であることには間違いない。
結果に至るまでは恐らく当分時間がかかりそうだが、仮にこの動きによって、訴訟が解消された場合、XRPの相場に対して極めて重要な好ファンダと言えるだろう。
さらに、有価証券問題を巡るトークンの発行・販売に関しても一つの懸念解消となりうるだろう。
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