はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

専門家が語る 20兆ドルにも及ぶ米国債が仮想通貨の大きな追い風になる可能性

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

経済危機に懸念相次ぐ
仮想通貨取引所ShapeShiftのCEOであるErik Voorhees氏はツイッターで、「20兆ドル規模の米国債は仮想通貨にとっては追い風」であると述べた。仮想通貨関係者以外の著名投資家や経済学者も米国債の規模の急上昇に懸念を示し、次の経済危機を警告している。経済危機となれば法定通貨への不安感から、仮想通貨への資金の流入の可能性も指摘されている。

20兆ドル規模の米国債は仮想通貨には追い風

仮想通貨取引所ShapeShiftのCEOであるErik Voorhees氏は11月9日、自身のツイッターで米国債の状況が、今後の仮想通貨の追い風になり得るとした内容を投稿した。

「次の金融危機が発生し、20兆ドル規模の負債を持つ組織(編集部注:米国政府)に返済の能力がなく、通貨発行をせざるを得ないということを世界が認識したとき、法定通貨は追い込まれる…その時仮想通貨に何が起こるかが楽しみだ。」

Erik氏の発言の背景にあるのは、急拡大を続ける米国債の規模だ。10月には連邦政府が1.34兆ドルの新規債発行を発表、これは一回の発行としては2010年以降では最大規模になる。

要するに金融危機が発生した時に、法定通貨の管理通貨制度における裏付け「信用」という担保を保つことが難しくなり、自ずと政府の信用力には紐づいていない仮想通貨に需要が集まるのでは無いかという予想だ。

米国の財政赤字と拡大する一方の米国債

こうした米国債の拡大について、懸念を示しているのは仮想通貨関係者だけではない。

世界最大の資産運用会社であるブラックロック(BlackRock Inc.)社のLaurence Fink氏は、2019年から米国政府は毎年1兆ドルの借り入れを行わなければならなくなるだろうと米 Yahoo Financeで述べている。

「合衆国財務省は先週、830億ドルもの長期債の発行を発表したばかりだ。これはリーマンショック直後の2009年から2010年当時の発行規模を上回る。2019年にも1.4兆ドルの国債発行が予定されており、国債の洪水ともいえるほどの状況になると指摘する専門家もいるほどだ。」と言及し、米国経済の先行きを危惧、以下の様に述べた。

こうした状況は全てに影響を与える。金利が上昇しすぎて、経済成長に冷や水を差しかねない。

下の画像は拡大を続ける米国政府の借り入れ額をBloombergが掲載したものだが、2019年には1.4兆ドルが予定されている状況は、リーマンショック直後の水準に匹敵する。

経済学者の指摘

経済成長が追いつけないほど金利が上昇しているという指摘は、投資家だけでなく経済学者からもなされている。

仮想通貨に対し懐疑的な態度でも知られ、クリントン政権では大統領経済諮問委員会の一員として経済政策に影響を与えたニューヨーク大学のヌリエル・ルビーニ教授もその一人だ。

ルビーニ教授は、project-syndicateのホームページにて、自論を9つのトピックに分けて展開し、掲載した。

財政刺激政策のタイミングが悪かったために、現在米国の景気は過熱状態にある。

米国FRBは米国債金利を現行の2%から2020年までに少なくとも3.5%に達するまでは上げ続け、その結果、短期長期ともに米ドル金利を押し上げることになるだろう。

….2020年までには金融危機の条件が整い、その後景気後退が起こるだろう。

という米経済衰退の予測を発表している。

藤巻健史議員も、経済危機時の仮想通貨の立ち位置を見る

仮想通貨の税制改正など、国会の場で問題提起されている参議院議員の藤巻健史先生も、現在の国の経済状況を危惧し、有事の際に仮想通貨需要が上がると見ている人物の内の一人だ。

藤巻健史先生の場合、懸念点として見ているのは日本の中央銀行である日銀だが、CoinPostの取材の「仮想通貨の市場規模拡大について」という内容の中で、今回の内容をお話しているため、以下に引用する。

仮想通貨の市場規模の話ですが、これが劇的に大きくなるとしたら、日銀破綻などの”Xデー”が訪れた瞬間ですね。

日銀破綻するのか、預金封鎖になるのか未来のことはハッキリとは分からないですけど、仮にそういう時期が差し迫った場合、危機感が一気に高まりますよね。今はみんな能天気だけど、私は危機感を覚えて警鐘を鳴らしている。

万が一、それらが具現化していった場合、みんなどうやって逃げるのかと。

例えば、米ドルを海外の銀行口座に持っていくというのは、一つの手段ではあるけど、簡単ではないんです。

私たちみたいに外資系にいて、金融の知識があって、ある程度英語が読めれば海外の口座を作るということもできますが、一般人には敷居が高い。

そんな時に最も手軽なのは、仮想通貨に逃げることだと思います。だからキプロスとか、キプロスをタックスヘイブン(租税回避地)に使ってたロシア人とか、まさにそう。

今のところSNSなんかで書いてないけども、米中貿易戦争の影響が深刻化してくると、中国の法定通貨である「人民元」が安くなってくると思うんですよ。

国民が資産を逃がそうと考えても、国が資本統制しているから、日本人が外貨の米ドルを買うように簡単にはいかない。そうなると、仮想通貨で海外送金するしか選択肢がないのではないかと。

今のところそういった現象がないんで、あまり声を大にしては言えないんですけど、もし米中貿易戦争がさらなる長期化で深刻化した場合、中国の方の規模が大きくなってくる可能性もあるかなと思います。

『なぜ、仮想通貨の税制を改正すべきなのか』藤巻健史議員インタビュー(前編)
仮想通貨の税制改正問題など、国会の場で問題提起されている参議院議員の藤巻健史先生に、CoinPostで独占インタビューを実施。ビットコインなど現在の仮想通貨業界に関する見解を伺った。

これからの10年は「面白いことになる」

Civicの創業者でMulticoin CapitalのパートナーでもあるVinny Lingham氏も、国際経済の状況が一気に変わる可能性がある今後10年の中で、仮想通貨の可能性を見る一人だ。

日本の様な先進国で、普通に生きているだけでは実感し辛い経済の動き、多くの専門家が世界経済の先行き不安を訴える中、今後の動きを見極める見方は必要になっていくだろう。

前回の金融危機の時には存在しなかった仮想通貨が、今後どのような役割を果たすのか注目したいところだ。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

弱気相場でも超強気なビットコイン価格予想を継続するTim Draper氏|理由は世界的経済危機
今月10月末に開催されたCrypto Invest SummitにベンチャーキャピタリストのTim Draper氏が「ビットコイン価格が2022年までに2800万円に高騰する」と、弱気相場でも依然強気な姿勢を示した。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/27 木曜日
17:20
モブキャストHD、ソラナ財団認定バリデータに選定 ステーキング運用規模を拡大
モブキャストHDがSolana財団の公式バリデータプログラムに採択。累計3億円・約1.1万SOLの取得実績が評価され、将来的には50万SOL規模の運用を目指す。
17:00
韓国大手取引所アップビット、約48億円の不正流出 全額を自社資産で補償へ
韓国最大の仮想通貨取引所アップビットがソラナネットワークで約48億円の不正流出を発表。24銘柄が流出も全額補償へ。ホットウォレットから未承認送金、入出金サービスは一時停止中。
15:07
リップル社のステーブルコイン「RLUSD」、アブダビADGMが正式認定
中東での企業利用が加速へ リップル社は27日、同社の米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」が、アブダビ金融サービス規制庁(FSRA)により「法定通貨参照トークン」として正式…
14:02
Xapo Bank、ビットコイン信用ファンドの提供範囲を拡大
ジブラルタルのXapo Bankがビットコイン建て信用ファンドを全会員に拡大。初期段階で1億ドル調達。2022年の業界崩壊後、厳格なリスク管理で市場回復。長期BTC保有者向けに安定利回りを提供。
14:00
ビットコイン需要の低迷続く 市場は横ばいか=Glassnode分析
Glassnodeが最新市場レポートで、仮想通貨ビットコインの需要低迷を指摘した。新たな資金流入が回復するまで市場は狭いレンジで推移する可能性が高いと分析している。
13:55
タイ当局、サム・アルトマンのワールドコインに120万件の虹彩データ削除を命令
タイ個人情報保護委員会が、生体認証プロジェクトWorldに対し、仮想通貨と引き換えに虹彩スキャンデータを収集した行為が個人情報保護法違反として、120万件のデータ削除と業務停止を命令。世界各国でも同様の規制措置が相次いでいる。
13:35
世界取引所連合が米SECに書簡、仮想通貨企業への免除措置見直しを要請 トークン化株式に懸念
世界取引所連合が米証券取引委員会にトークン化株式を提供する仮想通貨企業への包括的な免除措置の見直しを求める書簡を送付した。ナスダックやCMEグループなどが加盟する同連合は、適切な規制遵守なしに仮想通貨プラットフォームが証券取引所の役割を果たすことへの懸念を表明。
11:10
「BTCが74000ドルまで下落しても転換社債に対する価値は5.9倍」ストラテジー
ストラテジー社は、仮想通貨ビットコインの価格が同社の平均購入価格である74,000ドルまで下落しても、転換社債に対して5.9倍の資産を保有していることになると投稿。債務の安全性を強調した。
10:30
韓国最大級仮想通貨取引所Upbit、ネイバーと合併 約1.5兆円規模の株式交換で傘下に
韓国IT大手ネイバーが仮想通貨取引所Upbit運営のドゥナムを1.5兆円規模で買収。韓国国内シェア7割超のUpbitとネイバーペイを統合し総合デジタル金融エコシステムを構築。2025年6月の合併発効を目指す。
10:15
BTCマイナーのクリーンスパーク決算発表、売上高が過去最高に AIインフラを拡大中
ナスダック上場のビットコインマイナー、クリーンスパークが決算報告。過去最高の売上高を記録した。AIとビットコインの両ワークロード対応の包括的プラットフォームへ進化中だ。
09:55
ソラナ特化型ウペクシが最大35億円調達、SOL財務戦略などに利用
ナスダック上場のウペクシが普通株式とワラントの私募により最大2300万ドルを調達すると発表した。調達資金は仮想通貨ソラナ財務戦略と運転資本に充てられる予定だ。
08:45
セキュリタイズがEU取引決済システム認可を取得、アバランチで展開へ
セキュリタイズがスペイン国家証券市場委員会からEU全域での取引決済システム運営認可を取得した。同社は米国とEUの両方でライセンスを持つ唯一の企業となり、欧州システムはアバランチ上に展開される。
08:00
S&P、USDTのドルペッグ能力を最低評価に引き下げ
S&Pは、テザー社の米ドルステーブルコインUSDTに対する評価を最も低い「5」に引き下げた。仮想通貨ビットコインを準備資産として保有する割合などに触れ、判断の根拠を説明している。
07:02
大口投資家の売りが加速、ビットコイン平均入金額が1年ぶりの高水準に=クリプトクアント
クリプトクアントが報告したデータによると、ビットコイン価格が8万ドルまで下落した後、大口トレーダーによる取引所への送金が増加している。最近では9000BTCが送金され、その45%が100BTC以上の大口入金だった。
06:25
ビットワイズのドージコインETFも取引開始、グレースケールに続く
ビットワイズがドージコインETFの取引を米ニューヨーク証券取引所で開始した。管理手数料は0.34%で最初の1カ月間は資産5億ドルまで免除され、グレースケールとREX-オスプレイに続く3番目のドージコインETFとなる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧