はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインキャッシュ分裂騒動で緊急対応に追われる取引所 把握したい最新の状況とは|仮想通貨市況

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市場
ビットコインキャッシュのハードフォーク目前にして、SV派が大きく優勢になったことで危機感が現れ始めた仮想通貨業界。各取引所は緊急対応方針を相次いで発表するも、各取引所で対応が異なる状況へ発展。押さえておきたい最新の状況とは?

仮想通貨市場

仮想通貨市場は14日、ビットコインキャッシュ価格が日本時間夕方過ぎに急落する場面が見られるなど、ビットコインキャッシュのハードフォーク日程を目前に価格が乱高下する場面も見られ始めた。

下落要因になったのは、CoinPostでも速報で報じた、海外大手取引所OKExのBCH先物取引の停止と強制清算の発表が、実施直前で行われた事で、ユーザー内で混乱を招いた。

当時取引の停止こそ発表されていたが、その内容も公開されずにいることから、緊急の対応であったことがわかる。

このように取引所が緊急の対応に追われている、または声明を改めている例は、OKExだけでなく、日本の取引所でも相次いでいる。

取引所の対応方針に現れる業界の慌ただしさ

これまで、対応方針としてBitcoinCashのハードフォーク対応方針を発表してきた日本の取引所だが、昨日より具体的なハードフォークの分裂通貨の名称を挙げ、公式対応声明を発表する場面が見られた。

直近で注目の対応方針を数点取り挙げて、状況をみていく。

まず、BitcoinABC(BCHのアップデートを実行を目指す派閥)とSV(サトシナカモトを自称するクレイグ派閥)の対立が強まる中で、取引所が今まで扱ってきたBitcoinABCのソフトウェアをそのまま引き継ぎ、分裂後も同様にビットコインキャッシュとして扱うと発表したbitFlyerとCoinCheckの動きだ。

ハードフォーク発生以降、当社では引き続き、Bitcoin ABCが参照するチェーンをBitcoin Cash(BCH)として表記致します。なお、当社の判断によりこの表記は変更となる場合がございます。

CoinCheck

分岐チェーンが発生した場合、当社サービスにおける BCH は Bitcoin ABC を指します。ただし、ハードフォークの状況に応じて表記を変更する可能性がございます。

bitFlyer

また、より具体例を入れて記載した国内取引所は、「Liquid by Quoine」だ。

同社は、公式の通知にて、ビットコインSVへの対応を行わない旨を説明していたが、発表当時は、そのままビットコインABCのネットワークに引き継がれるという前提に立脚していたと説明。

しかし、各派閥のシェア率を示すハッシュレートの状況が変わってきたとした上で、顧客資産保護と利便性確保の観点から、ビットコインSVもサポートすることを表明している。

このように各取引所でも対応方針を急ぐ動きがみられ、現状ではABCの対応を行いつつも、送受信への明確な対応、通貨分岐をどのように扱うかという対応表明がでている。しかし、SVが優勢な状況が、ハードフォーク後明確かされた場合、取引所によって対応の異なる状況が出始める可能性もあるため、状況は芳しくない。

なぜそのようになったのか?

まず、日本時間11月16日1時40分頃に控える、ビットコインキャッシュのアップデート内容に伴うハードフォークにおいて、「Bitcoin ABC」と「Bitcoin SV」が対立し、2チェーンに分裂してしまう可能性が生じている。

特にこのハードフォークで問題とされいるのは、主に2点で、「取引所やウォレットがBitcoinABCを採用している点」と、「リプレイプロテクションを実装していない点」にある。

今までのビットコインキャッシュのソフトウェアは、BitcoinABCのものを取引所やウォレットなど通貨を扱う企業が採用しているが、仮にビットコインキャッシュの対立による通貨分裂が起きたのちに、BitcoinSVが優勢となり、メインのビットコインキャッシュとして認められる状況になった場合、各企業がSVへの対応を取る必要も生じる。

しかし、上記でも記載したように、取引所によっては、どのような状況であってもBitcoinABCの通貨を「BCHのティッカーシンボル」として扱うとしており、取引所によって「BCH」が指す通貨が異なる可能性もありえるという懸念点が浮上している。

また、リプレイプロテクションを実装していない点もかなり重要で、分岐したチェーンを別物だと認識させる仕組みを持ち合わせていないということであり、取引所内の取引はできる可能性はあるが、ブロックチェーンの取引が必要な通貨の送受信などのネットワーク網に支障がきたす可能性がある。

よって、コミュニティの対立の行方、またはどちらかのコミュニティが対応せざるを得ない状況になるなど、通貨を取り扱う企業側は状況を見定めつつ対応する必要性に迫られる可能性がある。

特にこれらの対応が必要な状況、つまりSV派閥が優勢な状況が、問題視される状況であると考えることができるが、ハッシュレートが現状SV派に大きく偏っている状況や、分裂通貨のプレトレードを提供しているPoloniexなどの価格もSVがついにABCを上回るなど、状況として現実味を帯び始めている。

実際に、状況こそ各コミュニティの動きなどを正確に見定める必要はあるものの、SV派のコインギークの創業者が、BCHのブランドをコントロールする存在になり得ると勝利宣言をする状況からも、対立が継続する見方は強い。

すでに各取引所が緊急対応に追われている状況だが、ビットコインキャッシュの値動きにBTC価格もつられている状況もみられており、相場の乱高下に注意したい状況にあると言えるだろう。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

仮想通貨ビットコインキャッシュのハードフォーク、投資をする際の「4つの注意点」
ビットコインキャッシュのハッシュ戦争 ビットコインキャッシュはABC派とSV派で...
BCH(ビットコインキャッシュ)ハードフォーク:新通貨付与に関する「仮想通貨取引所」対応一覧表
11月16日未明に決行した仮想通貨ビットコインキャッシュのハードフォークでBitcoin ABCとBitcoin SV、2つのチェーンに分裂が生じた。国内外の取引所とウォレットサービスの対応方針を一覧表にまとめた。(随時更新予定)

CoinPost動画

CoinPostで厳選した、仮想通貨のニュース動画はこちら。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/22 土曜日
13:45
ANAPホールディングス、企業向けビットコイン戦略支援「ビットコイン道場」を開始
ANAPホールディングスが企業のビットコイン活用を支援する継続型プログラム「ANAPビットコイン道場」の提供を開始した。会計や税務などの実務を専門家が包括的にサポートし、参加企業がコミュニティ形式で課題解決に取り組む仕組みを提供する。
13:02
コンヴァノがビットコイン戦略から本業回帰、AI・ヘルスケア事業に注力へ
コンヴァノが仮想通貨ビットコインを最大約2万BTC取得する計画を取り下げ、成長中の事業へ軸足を移す。業績予想を上方修正しており本業成長を重視する戦略転換となる。
10:55
米当局がビットメイン製品を国家安全保障リスクで調査、トランプ関連企業も1万6000台使用
米国土安全保障省が中国メーカーのビットメインを調査し、機器がスパイ活動や電力網破壊に使用される可能性を指摘。トランプ大統領の息子たちの会社アメリカン・ビットコインも1万6000台を購入した。
10:05
コインベース、ソラナのミームコイン取引所「ベクター」を買収
コインベースがソラナ基盤SocialFiプラットフォーム「ベクター・ファン」を買収すると発表した。年内に取引完了予定で、ソラナエコシステムへの参入を拡大し、すべてを取引できる取引所の構築を目指す。
09:35
ベセント米財務長官、ビットコインバーにサプライズ訪問 仮想通貨業界への影響は
スコット・ベセント米財務長官がビットコインバー「Pubkey DC」を訪問し、仮想通貨コミュニティで話題になっている。業界関係者の反応と今後の影響を解説する。
08:25
NYSEがグレースケールのXRPとドージコインETF承認、25日上場予定
NYSEがグレースケールのドージコインとXRP ETFの上場を承認し、11月25日に取引を開始する。今週はビットワイズのXRP ETFやフィデリティのソラナETFも上場し、アルトコインETF市場が急拡大している。
07:45
「仮想通貨財務企業などの上場後の事業の大幅変更について対応を考える必要」JPXのCEO
日本取引所グループの山道CEOは、ビットコインなどを保有する仮想通貨財務企業への規制強化は現時点では検討していないと説明。一方で、事業の大幅変更については対応を考える必要があるとも述べている。
07:05
個人マイナーがビットコイン採掘に成功、1億8000万分の1の確率を克服
極めて小規模な個人マイナーがわずか6TH/sのパワーでビットコインブロックの採掘に成功し、約26万5000ドル相当を獲得した。確率は1億8000万分の1で、近年最も幸運なソロ採掘となった。
06:25
トム・リー率いるビットマイン、初の配当実施もイーサリアム保有の含み損は6250億円超 
イーサリアム最大の企業保有者ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが11月21日、2025年8月期通期で純利益3億2816万ドルを計上し、大手仮想通貨企業として初めて配当を実施すると発表した。しかしイーサリアム価格下落で含み損は40億ドル超に達している。
06:02
金持ち父さん著者キヨサキ、3.5億円分ビットコインを売却し広告事業投資へ 以前の姿勢から一転
『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏が11月22日、約225万ドル相当のビットコインを売却し、外科センターと看板広告事業に投資すると発表した。以前の「売らずに買い続ける」発言から一転した。
05:45
マイケル・セイラー、指数除外懸念に反論「ストラテジーはファンドではない」
ストラテジー社のマイケル・セイラー会長は主要株価指数からの除外懸念に対し「我々はファンドではなく上場事業会社だ」と反論した。
11/21 金曜日
17:25
米ビットコインETF、1週間で大規模な資金流出が2回
11月20日、米ビットコイン現物ETFは9億300万ドル(約1,395億円)の純流出を記録し、史上2番目の規模となった。1週間前の記録を更新。ブラックロック、グレースケール、フィデリティの主要3ファンドで流出の大部分を占め、全ETFで純流入ゼロという異例の事態に。
16:38
予測市場が急成長 カルシ(Kalshi)が1500億円調達と報道も
予測市場カルシが2ヶ月で評価額2倍超の110億ドルで10億ドル調達。取引量は10月に過去最高の44億ドルを記録。競合ポリマーケットも120億〜150億ドルでの追加調達を協議中で、予測市場への投資が加速。
16:33
暗号資産(仮想通貨)の申告分離課税が実現したら?押さえておきたい税務のポイント|Aerial Partners寄稿
仮想通貨の申告分離課税が現実味を帯びてきた今、投資家が知っておくべき税制変更のポイントを解説。税率の一定化、損益通算、特定口座の導入可能性など、制度導入後の注意点と準備すべきことをわかりやすく紹介します。
16:10
CAICAテクノロジーズ、JPYC決済ソリューションの提供を開始
CAICAテクノロジーズが日本円ステーブルコインJPYCの決済ソリューション提供を開始。企業向けにコンサルティングサービスと決済モジュールを提供し、ステーブルコイン決済の導入を支援する。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧