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ビットコイン8万ドル突破、米大統領選後の相場をプロが解説|仮想NISHI

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。

ビットコインマーケットレポート(予測日時:11/11 8:00)

ビットコインはアメリカ大統領選挙で暗号資産に対して融和的な態度をとっているトランプ氏の勝利が伝わった11/6に急騰し史上最高値を更新した。さらに11/8のFOMCでは▲0.25%の利下げが発表され、11/10には8万ドルを突破した。(執筆時点1,230万円前後)

足もと

ビットコイン成行注文のアクティブOI(未決済建玉)は価格が急騰しているにも関わらず、アクティブOIはか比較的少ない状況(下画像赤枠)であり、デリバティブ市場の連鎖反応によるボラティリティ上昇の可能性が低い状態にあり、現物を主導とする上昇余地があると見受けられる。

現物市場

成行売買動向を見ると、全体的にデリバティブ市場よりも現物市場の旺盛な買いが見られる傾向となっている(下画像青枠)。ビットコイン現物ETFは先週(11/4-8)、歴史的な資金流入額を見せており、直近は現物の買いが主導していると考えられる。

デリバティブ市場

取引価格が現物価格よりも高い水準にあり買われすぎの状態がみられる(下画像赤枠)がそれ以上に現物の買いが押している状況にある。

先物市場

CMEを見ると、価格差益を狙う「Leveraged Funds」は依然としてロング比率14%とショートポジションが多い状況が続いており、ショートカーバー(売りポジションの買戻し)による価格の上昇が起きる可能性がある。(下画像赤枠)

オプション市場

現物渡しで取引されるオプション市場では、現在価格(8万ドル)より高い価格帯に建玉が集中(下画像赤枠)していることや、PCRが低下している状態が続いていることから(下画像黄矢印)、市場参加者の投資心理が価格上昇にもかかわらず強気を維持していると捉えることができる。

外部環境

市場全体ではトランプ氏が大統領に選出されたことにより、トランプ氏の政策を見越した「トランプトレード」が見られているが、ビットコインがその代表格にありすべての金融商品の中でも傑出した上昇率をみせており、株価指数との相関性もかなり強くなっている(S&P500+0.85)。

加えて10年債利回りと2年債利回りの金利差が+0.131%と広くなっていることからUSDTを中心としたステーブルコインの発行もしやすくなっており、ビットコインの上昇を後押ししている。

オンチェーン環境

ハッシュレートは過去最高値近くの水準であり、次回難易度予想は+4.46%な難化予想。マイナーの強気な姿勢は継続している。

直近のクリプト指標

・11月13日 米消費者物価指数(CPI) 公表

・11月15日 米小売売上高(10月) 公表

総括

ビットコインはトランプ氏の大統領選挙勝利、FOMCの利下げの二つの追い風が吹き史上最高値を更新した。

デリバティブ市場でやや過熱感が見られるものの、現物の買いがそれを上回っている状態にある。米機関投資家のクリスマス休暇による年末ポジション調整や、FOMCの議事録公開(11/26)、トランプ氏の大統領就任式(2025/1/20)に事実確定売りなどの懸念があるものの、全体的には好調を維持する可能性が高い。

画像出典:Tainoko Lab(https://discord.com/channels/488195891220447243/707958214515228692

関連:ビットコインETFは日本で買える?現物BTCとのメリット比較や関連銘柄の買い方も紹介

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寄稿者:仮想NISHI仮想NISHI
クリプトアナリスト。BTC Status Alert制作協力者、DECOCHARTの企画・監修者としても、日本の業界に必要な投資関連情報の配信に携わっている。
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