ジョークから本物の金融商品へなるか
2024年の仮想通貨市場において、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の現物ETF(上場投資信託)の歴史的成功は最も注目すべき出来事となった。この成功を受けて、次の焦点は、ミームコインとして知られるドージコイン(DOGE)のETF承認可能性に移っている。
トランプ次期大統領は、アメリカを「ビットコインの首都」にすることを公約に掲げ、仮想通貨に対して友好的な姿勢を示している。さらに、億万長者のイーロン・マスク氏が率いる「政府効率化局(DOGE)」を創設するなど、ミームコイン文化への理解を示している。ETFストアのネイト・ゲラシ氏は、新政権下で仮想通貨の証券性が明確化される可能性を期待している。
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ドージコインは元々ジョークとして誕生したものの、現在では時価総額約620億ドル(9.3兆円)を誇る第7位の仮想通貨に成長している。ブルームバーグのエリック・バルチュナス氏は、「今日の風刺(ミーム)は明日のETFになる」との見解を示し、ドージコインETFの可能性を示唆している。
一方、ウォール街のアナリストたちは、ドージコインETFの承認には慎重な姿勢を取っている。オール・スター・チャートのルイ・サイクス氏は、「ウォール街はミームから生まれた資産を好まない」と指摘し、ソラナ(SOL)といったレイヤー1銘柄のETFに比べてドージコインETFの可能性は低いと評価している。
一方、Two Prime Digital AssetsのCEOであるアレクサンダー・ブルム氏は、起業家精神のある金融企業がドージコインETFの申請を「確実に」行うと予測している。ただし、その承認は別問題だと慎重な見方も示している。ドージコインの大口保有構造が高度に集中しているため、公正な市場であることを証明するハードルは高いという。
現在のSEC委員長であるゲーリー・ゲンスラー氏は2025年1月20日に退任を予定しており、仮想通貨業界にとって大きな転換点となる。また、トランプ次期大統領は、元商品先物取引委員会(CFTC)委員長のクリス・ジャンカルロ氏をアメリカ初の「仮想通貨特命官」として指名することを検討しているところだ。
これらの動きは、アメリカのデジタル資産の規制環境が大きく先進する可能性を示唆している。ジャンカルロ氏はこれまで、ゲンスラー氏の仮想通貨に対する消極的な姿勢が、この分野の発展を抑制してきたと批判し、新たな規制環境への期待を示している。ドージコインETFの承認は、この文脈において、単なる投資商品以上の象徴的な意味を持つ可能性が出てきた。
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