- NYSE最高責任者:仮想通貨に未来はある
- Consensus Invest 2018に登壇したJeffrey氏は、仮想通貨市場の将来について確信を見せると共に、子会社Bakktについても「機関投資家が参入する大きな転機だ」と期待を示した。
NYSE最高責任者が仮想通貨の未来に言及
今週火曜日に大型カンファレンス「Consensus: Invest 2018」が開催された。
NYSE(ニューヨーク証券取引所)の最高責任者であり、その親会社ICE(Intercontinental Exchange)のCEO、Jeffrey Sprecher氏は、仮想通貨市場の現状に反して、マーケットの規制が整えば、仮想通貨に未来はあると発言した。
「仮想通貨が、これから生き残っていくのか」との質問に対しては、「確実に生き残るだろう」と回答。また、取引所という立場であることから、価格に対して意見を述べることは適切でないとして明言を避けた。
Bakkt開設延期
ICEは今年8月、スターバックス、マイクロソフト、BCG(ボストン コンサルティング グループ)と共同で、新たな仮想通貨プラットフォーム「Bakkt」の立ち上げを発表した。
Bakkt is designed to enable consumers and institutions to seamlessly buy, sell, store and spend digital assets.
— NYSE (@NYSE) 2018年8月3日
Follow: @Bakktapp
Bakktの開設は、当初2018年12月12日としていた。
しかし、先日コインポストでも報道した通り、12月12日に取引開始が予定されていた、Bakktのビットコイン先物取引が来年の1月24日まで延期されることが発表された。
ICE Futures US Inc.は、Bakktの現物決済ビットコイン先物取引の取引を2019年1月24日に開始する。
その点に関して、BakktのCEOであり、NYSE最高責任者Sprecher氏の妻であるKelly Loeffler氏は、公式ブログで以下の理由を挙げている。
- 顧客のオンボーディングを進めている
- 米CFTCと連携して、規制の認可を進めている
- 興味度の高さとさらに準備を整える期間として、1月24日まで延期
Bakktは、ビットコインの先物取引開始を予定しているが、同社は、米商品先物取引委員会によって規制されている。
Loeffler氏は、Bakktの役割や他の取引所との違いについて詳細に述べている。
同氏は現在、取引所により価格が異なっているが、それは規制が行き届いていない証拠だとし、Bakktの役割としては、それらを是正し、詐欺や価格操作のないビットコインのカストディ・サービスや、価格発見機能を提供することだと説明している。
それに続けて、同氏は以下のように言及した。
我々は、現時点でどこにも存在していない、”新たなるインフラ整備”を進めている最中だ。
機関投資家が参入する大きなきっかけになると捉えている。
Bakktのもう一つの鍵となる違いは、先物取引の清算方法だとしている。
現在ビットコイン先物取引を扱う取引所に、CMEやCBOEなどが挙げられるが、いずれも現金決済となっている。
ビットコインは指標であり続ける
Sprecher氏は、ビットコインについて、全ての仮想通貨のうち(ビットコインは)技術的に最も優れたものではないかもしれないが、それでも、その他仮想通貨を測る基準として台頭し続けるだろうとしている。
同氏は、こう述べている。
なんとかビットコインは厳しい状況を耐え抜いた。
世の中には何千ものトークンがあり、ビットコインよりも優れているものもあるかもしれないが、それでも(ビットコインは)成長を続けており、注目され続けている。
またLoeffler氏は、ダウ平均株価になぞらえ、以下のようにも発言している。
ダウ平均株価は数十年に渡り存在しているが、必ずしも”優れた指標”とは言えない。経済状況についてより的確に表す指標の提案は可能だが、それでもダウ平均株価は存在し続けている。
それと同様に、ビットコインも欠点はあるが、確かな指標として存在し続けるだろう。
なぜなら、金融においてはベストなものではなく、一般に広く普及しているものが指標となるからだ。
このようにLoeffler氏は、ビットコインが広く大衆に受けられているという観点から、今後もビットコインは指標として存在し続けるだろうとの見解を示した。