- Huaweiの商業用ブロックチェーンサービス(BCS)、国際市場で本始動
- 中国の最大手通信機器メーカーファーウェイが商業用ブロックチェーンサービスを、国際市場でも正式に開始したと発表した。企業向けの最適化システムは『5〜10分』で構築可能だという。
中国Huaweiがブロックチェーンサービスを開始
中国の大手通信機器メーカーHuawei (ファーウェイ)が10月に中国で開始した商業用ブロックチェーンサービス(BCS)を、国際市場でも正式に開始したと発表した。世界中の企業や開発者は同社のクラウドプラットフォーム「HUAWEI CLOUD」上でBCSを利用し、簡単にブロックチェーンアプリケーションの作成や管理を最小限のコストで行うことが可能となると紹介している。
同社はホワイトペーパーの中で、BCSはHyperledger Fabric 1.1およびKubernetesに準拠するオープンで使いやすいサービスで、セキュリティーやプライバシー保護が高く、ブロックチェーンの開発および導入コストを大幅削減できると述べている。
また多様なビジネスに適したブロックチェーンシステムが、より時短(5~10分)で構築可能だという。
現在、多数の企業がブロックチェーン技術に関心を示し、アプリケーションの導入を検討しているが、「クラウド×ブロックチェーンの分野は高度な専門知識が必要」という先入観から、「ハードルの高い」と躊躇する企業も少なくないとされている。
Huaweiは、様々なアプリケーションやIoT(モノのインターネット)、金融といった多方面における利用が期待されているBCSが、こうした未知の世界に対する固定観念を、より身近で実用的なものへと変えていくと示している。
さらに、国際市場に開放されたことで、クラウド×ブロックチェーンのイノベーションが今後益々加速すると同時に、HuaweiがTencent(テンセント、中国No.2大手IT企業)など同国でブロックチェーン分野に参入しているライバル大手企業と差別化を図るチャンスになると予想される。
アジア企業で唯一、Hyperledgerに現在も参加
スマートフォンメーカーとして出荷台数ではAppleを追い抜き世界第2位に躍り出たHuaweiだが、制覇を狙う市場はスマホに留まらず、クラウドやブロックチェーンを筆頭とする広範囲なイノベーション分野でトップの地位を狙っている模様だ。
10月には今後1~3年で10億人民元(≒1137億円)を投じ、クラウドビジネス用のAI開発に本腰を入れる計画を明らかにした。
そして、Linux Foundationの運営する「Hyperledger Project」に2016年から参加しており、現在ではアジアで唯一の参加企業として、ブロックチェーン実装のパフォーマンス特性を追跡可能にするベンチマークツール「Hyperledger Caliper」をIBMやOracleなどと共同開発するなど、積極的な支援を続けている格好だ。
Amazonが放つブロックチェーンネットワーク開発サービス
一方で、クラウドを利用したブロックチェーン関連サービスを提供しているのは、Huaweiだけではない。
直近ではAmazonがクラウドサービスAWS(アマゾン・ウェブサービス)の一環として、企業向けプラットフォームのブロックチェーンネットワーク開発サービス「Amazon Managed Blockchain」を開始したばかりだ。
企業は同サービスを利用することで、簡単にスケーラブルなブロックチェーン・ネットワークを構築可能になる。またフルマネージドサービスの台帳データベース「Amazon Quantum Ledger Database(QLDB)」に、ブロックチェーン・ネットワークの改ざん不可能なアクティビティのコピーを複製することが可能なため、オフラインでもネットワークのアクティビティ容易に分析できる。
なお、Microsoft Azureが提供するクラウド・ブロックチェーンアプリケーションの構築システム「Blockchain Workbench」などを加え、「シンプルかつ柔軟にブロックチェーンをビジネスに取り入れる」というコンセプトを追求・発展させることで、ブロックチェーン採用の幅がさらに広がるのではないだろうか。
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