- JVCEAが紛争解決センターと協定を締結
- 「日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)」は、利用者の申立による紛争解決(金融ADR)に関して、紛争解決センターと協定を締結。金融トラブル時に金融ADR機関へ相談が可能となるなど、日本における仮想通貨業界や取引所サービスへの利用者の信頼性の向上にも繋がる重要な動きだ。
JVCEAが紛争解決センターと協定を締結
仮想通貨取引所で構成される認定自主規制団体「日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)」は、利用者の申立による紛争解決(金融ADR)に関して、紛争解決センター(京弁護士会、第一東京弁護士会および第二東京弁護士会がそれぞれ運営する東京弁護士会紛争解決センター、第一東京弁護士会仲裁センターおよび第二東京弁護士会紛争仲裁センター)を紛争解決措置として利用する、協定を締結したことを発表した。
金融ADR制度とは
金融ADR制度は、金融機関との取引に関して、利用者と金融機関との間でトラブルが発生したときに、当事者以外の第三者(金融ADR機関)に関わってもらいながら、裁判以外の方法で解決を図る制度のことです。
出典:JVCEA
どのようなタイミングで利用できる?
金融ADR制度を導入することで、金融分野に知見を有する専門家が、紛争解決にあたることで、金融サービスにおける専門性を確保、 事案の性質や当事者の事情に応じた迅速・柔軟・簡便な紛争解決が可能とする。
利用者においても大きなメリットがあり、これまで取引所とのトラブルなど、当事者間協議が行われていた内容を、第三者機関である仲裁センターに相談することが可能になる。
金融トラブルに巻き込まれた利用者が、金融ADRにおける仲裁センターに申立することによって、専門的立場に詳しいあっせん人(主に弁護士など)が、当事者間の状況を把握、資料提供を求める動きや和解案の提示など、サポートを行なってくれる。
これにより、日本における仮想通貨業界や取引所サービスへの利用者の信頼性の向上にも繋がる事が期待されている。
なお、「紛争解決センター・仲裁センター」を利用する例としてJVCEAが挙げているものは以下の3点。
- 会員による説明では納得できない場合
- 苦情の処理によらずに金融ADRによる解決を求める場合
- 苦情の申し出から3か月以上にわたり苦情の解決が図られていない場合
金融ADR利用の費用は?
基本的に申立や話し合いに必要な費用は、自主規制団体であるJVCEAが負担してくれる。
トラブルが解決した際は、成立手数料が発生し、顧客側と金融機関側で負担することになるが、今回は「申立人と相手方の負担割合は、当事者の話し合いまたはあっせん人・仲裁」と定め、割合を以下のように設定している。
手続きの流れは?
金融ADR利用手続きの流れは、今回JVCEAが紛争解決センターとして利用協定を結んだ東京三弁護士会の資料に掲載されている。
着々と動き出す日本の仮想通貨業界
年初より2度、仮想通貨取引所による仮想通貨流出事件が起こり、複数の仮想通貨取引所に業務改善命令が出されるなど、業界全体のイメージも相場と共に落ち込んでいた日本の仮想通貨業界ではあったが、認可取引所で構成された自主規制団体「日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)」が、金融庁の認可を得て公認自主規制団体となり、投資家保護の目的などで取りまとめた自主規制案に基づく措置適応が可能になってからその動きは加速している。
その事例として、取引所関連では、自主規制案に基づき、DMMでのプラットフォーム上でのレバレッジを4倍へ変更するなど、適応事例も出てきている。また金融庁でも、研究会で議論されたICO規制に取り組む意向を固め、独自通貨販売業者への登録制度義務化に方針を打ち出した。
これまで、仮想通貨「特有のリスク」把握や、業界全体の問題把握、また適切な法律の適応などが議論を行なってきた金融庁を中心に、自主規制団体も一丸となって、業界健全化に向けた規制施行へと動きだしている。
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