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イーサリアムの『エンドゲーム』とは? 財団研究者が語る将来の展望

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

AMAセッションで議論

イーサリアム財団の主要研究者らが25日、RedditでAMA(Ask Me Anything=何でも聞いて)セッションを開催し、イーサリアム(ETH)の今後の展開について議論した。

セッションには、ヴィタリック・ブテリン氏やジャスティン・ドレイク氏など、イーサリアムの開発を主導するトップ研究者が参加。スケーリングやベースレイヤーの収益の強化、セキュリテイ、3月の実施を目指す次期アップグレード「Pectra(ペクトラ)」など、さまざまなトピックがカバーされた。

また、イーサリアムの「最終段階」(エンドゲーム)についても議論された。エンドゲームとは、イーサリアムが目指す最終的な技術的進化やビジョンを指している。

ブテリン氏は、デジタル製品は「いつまでも完成することがない」ため、エンドゲームに達することがないのでは、というユーザーからの質問に対し、以下のように答えた。

理想的には骨化(可塑性のない状態)可能な部分と、進化し続ける必要がある部分を分離することができる。これは、実行/コンセンサスの分離により、すでにある程度行われている。

同氏は、ドレイク氏が昨年11月に発表した「ビーコンチェーン」の再設計計画について言及。「ビームチェーン(Beam Chain)」への進化というアイディアなど、コンセンサスに関しては、より「勇敢に」進んでおり、「これらの規範は進化し続けると予想している」と述べた。

一方で、研究のペースは5年前より鈍化しており、最近重点が置かれているのは段階的な改善に留まっていることから、技術的な質問の多くには「トンネルの先の光」が見えると付け加えた。

関連:イーサリアムリサーチャーがビームチェーンへの新計画を提案 最終設計目指す

ネットワークに対するリスク

イーサリアムが大企業によって乗っ取られるリスクについて尋ねられると、ブテリン氏は、それは常に懸念事項であり、イーサリアム財団の役割は、そのようなリスクに対し積極的に対抗することだと述べた。

そして、目指すのは「イーサリアムの中立性であり、イーサリアム財団の中立性ではない」と指摘。その二つが一致しない場合、前者を追及することが重要だと主張した。

現在、同氏は、レイヤー2(L2)とウォレットレイヤー、およびステーキングとカストディのプロバイダーを大きなリスクとみなしているという。イーサリアム財団は、相互運用性標準の採用促進により、L2とウォレットレイヤーについては対処を開始したと説明した。

ネイティブ・ロールアップ

現在イーサリアムは、OptimismやArbitrumなどのL2ソリューションを活用して、スケーリングを実現してきた。しかし、これは諸刃の剣でもあり、ベースレイヤーの収益性の低下につながっている。

ドレイク氏は、ロールアップ機能をL1チェーンに統合する「ネイティブ・ロールアップ(Native Rollup )」について議論を進めた。

同氏は、ネイティブ・ロールアップに関する議論は始まったばかりだが、この概念はより受け入れられやすいだろうと主張する。

ロールアップにネイティブになるオプションがあるのなら、なぜそうしないのか。これは、L1によって実質的に無料で提供される完全な改善だ。

ドレイク氏は同氏は「良いエンドゲームの思考モデル」について、「ネイティブおよびベースドロールアップ(Based Rollup)を、単に手数料がはるかに低いL1スマートコントラクトだと考えること」だと説明。これらのロールアップは、L1のスマートコントラクトと同じネットワーク効果とセキュリティを享受しつつ、スケーラブルになると主張した。

同氏は、Arbitrum、Base、Optimism、Scroll など、L2の「トップ ロールアップ」がすでに「ネイティブ化」に関心を示していると指摘した。

イーサリアム財団のアンスガー・ディートリックス氏は、どのような形態であれ、ロールアップは「スケーリングの最終段階」に到達するために不可欠だと指摘。精密なアーキテクチャはまだ進化中だが、一般的なアプローチとしては、明らかに正しいものだと述べた。

ロールアップとは

イーサリアムのスケーラビリティを向上させるための技術の一つ。大量のトランザクションをオフチェーンで処理し、それをまとめて圧縮した形でメインチェーンに記録する仕組み、処理速度の向上と手数料の抑制につながる。

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