新たなイーサリアムへ
イーサリアム財団のリサーチャーのジャスティン・ドレイク氏は12日、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のカンファレンス「Devcon」で、新たな開発計画を提案した。
具体的にはコンセンサスレイヤーを再設計する内容。現在の「ビーコンチェーン」を「ビームチェーン(Beam Chain)」へと進化させ、イーサリアムの最終設計に近づけることを目指すという。
ドレイク氏は今回のプレゼンに先立ち、自身にとって最も野心的な計画をDevconで発表すると予告していた。数カ月にわたってリサーチャーや開発者と計画を熟成させ、ついに自身の提案を発表できる準備が整ったと説明している。
Announcement of an announcement!
— Justin Ðrake 🦇🔊 (@drakefjustin) November 11, 2024
Tomorrow at 5pm on the Devcon main stage I will unveil my most ambitious initiative to date. For one year I have been thinking about what a from-scratch redesign of the Ethereum consensus layer could look like. The goal is to suggest a credible…
今回の内容を発表する際、まずは、これはあくまで自身からの提案であることを強調。また、新たなトークンやネットワークは不要であることも前置きした。
その上で、ビーコンチェーンは誕生から5年が経過して仕様が古くなり、現在までには様々なことが変わり、新しい技術も生まれているとし、再設計の必要性を主張している。
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具体的な効果
今回ドレイク氏は、ビームチェーンを導入することで、スロットタイム(ブロック生成時間)を現在の12秒から、例として4秒に短縮できると説明。また、ブロックの確定(ファイナリティ)も例えば3スロットごとに行えるようになり、処理速度が向上すると主張している。
また、現在よりもステーキング要件を下げ、小規模なバリデータ運営が可能になるとも説明。これは例えば、ステーキング数量が1ETHでもバリデータになれるようになることを目指すという。同様の提案はイーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏も先月に行っていた。
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他にはゼロ知識証明(Snarkification)を活用したり、量子コンピューターへの耐性を持ったりすることを提案。ドレイク氏の今回の提案が実現すれば、イーサリアムが大きくアップグレードすることになる。
ゼロ知識証明とは
証明(Proof)プロトコルの一種であり、証明者が「自身の主張は真実である」以外の情報を検証者に開示することなく、その主張が「真実である」と証明するメカニズムのこと。
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