はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン下値模索も相場の底入れは近いか|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

2/23(土)〜2/28(金)の週次レポート

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週、2/23(土)〜2/28(金)の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)大円相場は下値を模索する展開となり、28日正午時点で、1200万円周辺で推移している。

21日に発生したbybitでの不正流出が尾を引く中、週明け24日の米国時間にはエヌビディア(NVDA)の決算を控え米株が急落を演じ、BTCも連れ安で1400万円割れを試した。25日朝方にドル建てBTCが9.4万ドルを割り込むと、売りが加速し、BTC円は1400万円を割り込んだ。

この日はgmail経由でバイナンスからも不正流出が報告された他、米サウスダコタ州で戦略的ビットコイン備蓄法案が否決された上、ナスダックが続落したことで、相場は1300万円周辺まで水準を更に下げた。

26日朝方からの相場は若干反発するも上値は重く、1340万円台で戻り売りが入ると、トランプ米政権が近日中にEUに対して関税賦課すると発表し、BTCは1300万円を割り込んだ。

この日の米国市場引け間際にはエヌビディアが決算を発表し、強気の業績見通しが好感されBTCは1200万円台中盤で下げ止まった。27日のアジア時間には、段階的に水準を戻し1300万円を一時回復したが、海外勢参入後に戻り売りが入り上げ幅を縮小した。

その後発表された米経済指標がまちまちな内容となると、景気減速懸念から米株式市場が軟化。BTCも連れて下落し、東京時間の下げ幅を掻き消すと、28日アジア市場にもリスクオフムードが波及する中、BTCは一時1200万円を割り込んだ。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbank.ccより作成

先週はあと一歩のところでテクニカル的なセンチメントが回復する状況だったBTCだが、①海外交換業からの不正流出、②決算絡みの米株の下落、③トランプ関税の影響によって一気に下値を模索する展開となった。

経験則上、交換業からの不正流出は一時的な影響にとどまることが殆どで、既に材料は消化されたとみている。

また、②と③に関しては景気への影響が懸念されている訳だが、これによってFF金利先物市場はFRBが夏までに追加利下げに踏み切る可能性を再び織り込み始めており、一概に悪材料とは言えず、足元のBTCは売られ過ぎな印象を受ける。

また、トランプ関税に関しては、2月の対カナダ、メキシコでも見られたように、トランプ氏は「ハイボールを投げて相手から材料を引き出す」という交渉戦術と言え、市場は警戒し過ぎと言えよう。

翻ってオンチェーン上では、保有期間が155日未満で且つ含み損にあるBTCの取引所への送金は25日に380万ドルを超え、今週は相場下落に伴って短期筋(STH、Shor-Term Holder)によるパニック売りが起きていると指摘される(第2図)。

【第2図:BTCドルと含み損短期筋から取引所への送金】
出所:Glassnodeより作成

実際、STHのBTC売却価格を購入価格で割ったSOPR(Spent Output Profit Ratio)は、中立の1を大きく割り込んでおり、短期筋が急いで損切りしている様子が窺える(第3図)。

尤も、STHのSOPRが1を大きく下回ると売り圧力の解消によって相場は値固めあるいは底打ちとなることが多い。

【第3図:BTCドルとSTH-SOPR】
出所:Glassnodeより作成

既にBTC市場でセリングクライマックスが起きたかは断定し難いが、以上に鑑みて相場の底入れは近いと見ている。

BTCは28日正午時点で節目の8万ドルを割っているが、もう一段安くなれば昨年11月にシカゴマーカンタイル取引所(CME)で開いた窓(7.7万ドル)も閉じることから、やはりそろそろ自律反発が起きてもおかしくないだろう。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:おすすめ国内仮想通貨取引所 投資家のクチコミ比較ランキング

関連:ビットバンクプラス公式サイト

過去のレポート一覧

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/26 金曜日
18:02
Aave、ブランド資産移管案を否決 DAOガバナンスの課題浮き彫りに
Aaveのブランド資産移管提案が26日のSnapshot投票で否決。反対55%、棄権41%、賛成わずか3.5%。CoW Swap手数料問題が発端となった所有権紛争は、DeFiガバナンスの構造的課題を浮き彫りに。
18:00
仮想通貨の税制改正大綱、押さえておくべき重要ポイントを専門家が徹底解説|Gtax寄稿
税制改正大綱で、暗号資産(仮想通貨)税制の大幅見直しが示されました。分離課税・3年間の繰越控除が導入される一方、対象となる「特定暗号資産」や取引形態には制限も。現物取引とデリバティブ取引の損益通算、ステーキング報酬の扱い、NFTの課税方式など、今後の制度設計を見据えて準備すべきことを公認会計士・税理士が詳しく解説します。
16:00
リトアニア、仮想通貨ライセンス義務化へ 申請低迷
リトアニア中央銀行が仮想通貨事業者にMiCAライセンス取得を義務化。2025年12月31日以降、無許可運営には罰金や最長4年の禁錮刑。370社以上が登録するも申請はわずか30社で全体の1割未満。同国はEU内でMiCAゲートウェイとしての地位確立を目指す。
15:05
仮想通貨投資への期待高まる、税制改正で約5割が投資拡大を検討=ビットバンク調査
ビットバンクが発表した2025年仮想通貨投資実態調査によると、2026年の市場期待として「税制改正」が34.3%で最多。税制が20%の申告分離課税に変更された場合、約5割が投資拡大意向を示した。知識不足が投資の障壁だが心理的ハードルは低下傾向。
14:01
ユニスワップ重大提案が圧倒的に可決 1億UNIバーンと手数料スイッチ起動へ
ユニスワップのUNIfication提案が賛成票1億2500万票超で可決。国庫から1億UNIをバーンし、プロトコル手数料を起動。取引量増加が供給減少に直結するデフレ型モデルへ転換。
14:00
ステーブルコインとは|市場規模・取引量・主要銘柄と規制の行方
ステーブルコインとは、価格が安定するよう設計されたデジタル通貨。本記事では仕組み・種類(USDT/USDC/JPYC等)・市場規模・リスク・将来性・国内での買い方まで、初心者にもわかりやすく解説します。
13:50
フィリピン当局、未登録取引所への取り締まり強化 コインベースなどアクセス遮断
フィリピン規制当局が無登録の海外仮想通貨取引所50社へのインターネットアクセス遮断を命じた。コインベースやジェミニも対象になっている。
13:20
ST市場効率化目指す、SBI新生銀行ら6社が新たな決済実証を開始 預金のトークン化で
SBI証券、大和証券、SBI新生銀行ら6社がトークン化預金DCJPYを利用したセキュリティトークンのDVP決済の実証に関する協業を開始した。
13:00
イオレ、仮想通貨レンディング「らくらくちょコイン」の事前予約開始
東証グロース上場のイオレが暗号資産レンディング「らくらくちょコイン」の事前予約を開始。年利8%〜、約1万円から利用可能。2026年1月下旬の正式リリースを予定し、事前登録者には4月まで13%の特別料率を適用する。
12:50
クシム、社名を「HODL 1」に変更 Web3・仮想通貨トレジャリー事業へ転換
東証スタンダード市場上場のクシムが社名を「HODL 1」に変更すると発表した。Web3・仮想通貨トレジャリー事業を中核とする企業へ転換。
12:25
国内衣料上場企業ANAP、15億円で109BTC追加購入
衣料品販売のANAPホールディングスが15億円で仮想通貨ビットコインを追加購入し、総保有量が1346BTCに達したと発表した。
11:37
中国環境省、環境管理にブロックチェーンなど先端技術を導入
中国生態環境部が12月25日、ブロックチェーン、AI、ビッグデータを環境管理に統合する方針を発表。全国炭素排出権取引市場ではデータ改ざん防止に既に活用。中国は仮想通貨を規制する一方、ブロックチェーン技術応用は国家レベルで積極推進。
10:36
パンテラ専門家の2026年仮想通貨12大予測 DAT企業統合や量子パニックなど
パンテラ・キャピタルのジェイ・ユー氏が2026年の仮想通貨業界12大予測を発表。AI技術の浸透、DAT企業の統合、トークン化ゴールドのRWA主役化、ステーブルコイン決済の拡大、量子コンピューターによるBTC懸念など、注目のトレンドを解説。
10:02
2025年仮想通貨デリバティブ市場レポート、取引高1300兆円突破=コイングラス
コイングラスが2025年の仮想通貨デリバティブ市場に関するレポートを公開。ETFやDAT企業などへの機関投資家による投資が加速したと分析している。
08:54
ビットコインの買い方をやさしく解説|初心者の不安を解消【図解】
ビットコインは500円から購入可能。スマホと本人確認書類があれば最短当日から取引開始できます。口座開設の手順、おすすめ取引所の比較、初心者が押さえるべき投資の心構えまで図解でわかりやすく解説。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧