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イーサリアムL1の手数料収益が大幅減少 目標達成も課題浮上

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Dencun後、手数料低減が進む

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)レイヤー1の手数料収益が減少している。3月31日時点で、過去24時間の手数料収益は約10万ドル(約1,500万円)だった。

1日時点では、約17万ドル(約2,550万円)に回復しているものの、DeFiLlamaの手数料ランキングでは、様々なブロックチェーン中、イーサリアムは17位に位置しているところだ。

手数料が下がったことは、イーサリアムがガス代(取引手数料)を下げるという目標を達成したことを示すが、同時にインフレーションについての懸念も浮上している。

以前は、イーサリアム上での取引は比較的高価であり、スワップは28ドル、NFT(非代替性トークン)販売などの手数料はさらに高くなっていた。この高い手数料は解決すべき課題とされていたところだ。

昨年3月、イーサリアムはL2(レイヤー2)のガス代を大幅に削減する大型アップグレード「Dencun」を実施。2024年3月のピーク時には、L1の手数料は日次3,550万ドル(約53億円)に達していたが、2024年9月までに、日次手数料は57万8,000ドル(約8,660万円)まで急落した。

レイヤー2の手数料が大幅に下がったため、取引がL1からL2に移行したことも一因と考えられる。

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レイヤー2とは

ブロックチェーンの基本層(レイヤー1)とは別に機能し、トランザクションやスマートコントラクトの処理をオフチェーン(ブロックチェーンの外部)で行うことで、トランザクション処理のスピードと効率を向上させる目的で開発された技術のこと。

インフレーションの可能性

手数料低下により、イーサリアムはソラナ(SOL)やBNBチェーンなどに対抗するコスト面での優位性を取り戻しつつあるといえる。しかし現在、ミームコインやAI(人工知能)エージェント市場の減速によりアクティブ・ユーザーは2月以降減少傾向だ。

出典:ycharts

3月30日時点での日次アクティブアドレスは約39万だった。昨年の10月頃と同等のレベルとなっており、1月のピークであった約71万からは落ちている。

ガス代の低減は、手数料としてバーン(焼却)されるETHのレートが低下することにもつながる。これにより、時間の経過とともにETHの供給が増加し、インフレにつながる可能性がある。

低コストによりユーザーが多く流入すれば、その分バーンされるETHも増え相殺されるが、ユーザーが少なければインフレの可能性が高まるとみられる。

Mitradeによると、3月時点で、毎週バリデータへのステーキング報酬という形で、17,000 ETHがネットワークに流入しており、インフレ率は0.72%となっている。

また、3月後半はネットワーク上の一時的なデータパケット「ブロブ」の使用手数料からL1が得る収益も低下した。L2が支払う「ブロブ」手数料が無料に近いほど安くなり、BaseやArbitrumなどの最もアクティブなプロトコルでさえ、L1へほとんど「ブロブ」手数料を支払っていない日があった。

ガス代低下により、イーサリアムのチェーンを使用してトークンをミントするタイプのプロジェクトが復活。例としては、Lightchain Protocol AIやBC.Gameが挙げられる。インフレを抑えるにはイーサリアムL1が今後、継続的にユーザーを呼び込めることが課題であるという見方もできる。

イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は1月、イーサリアム財団が組織改革に取り組んでいるところだと表明した。技術的リーダーシップの強化や、エコシステム参加者とのコミュニケーション向上、人材登用による実行力の加速などを目指している。

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