
*本レポートは、X-Bankクリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
仮想通貨マーケットレポート(6/4 AM8時)
クリプト市場マーケットレポート(6/10日AM8時執筆)
ビットコインは急騰し、約2週間ぶりに11万ドルの大台を回復した。円ベースでは24時間比で約70万円の上昇となっており、市場全体に再び強い上昇ムードが広がっている。
今回の価格上昇の主因は、米証券取引委員会(SEC)委員長であるポール・アトキンズ氏の発言にある。
同氏は、仮想通貨における「自己保管権」を擁護する立場を表明し、従来の規制一辺倒の姿勢とは一線を画す姿勢を示した。この好意的な発言が、仮想通貨市場にポジティブなインパクトを与えた。加えて、米国の長期金利が低下傾向にあることも、相場を下支えする要因として作用した。
6月3日~6月4日相場状況
デリバティブ市場を見ると、アクティブOIとファンディングレートのいずれもが増加・上昇しており(下画像赤枠・青枠)、やや過熱気味であると評価される。このことから、超短期的には相場のボラティリティが一段と高まる可能性がある。
一方で、オプション市場に目を向けると、プット・コールレシオ(PCR)は低下しており(下画像黄線)、リスク選好が強まっている状況にある。特筆すべきは、最大建玉の価格が14万ドルとなっている点(下画像赤枠)であり、これは市場参加者が短中期的にかなり強気の目線を持っていることを示唆している。
現状分析(6/10日AM8時)
米中の貿易交渉に一定の進展が期待されている中、仮想通貨業界に対して全体的に批判的な態度を示してきたゲーリー・ゲンスラー前SEC長官に比べ、より柔軟なスタンスを持つとされるポール・アトキンズ氏の発言が、投資家心理に明確な転換をもたらしている。
市場全体としては、短期的に高いボラティリティが継続する可能性は否定できないが、オプション市場に表れる参加者の姿勢は非常に前向きであり、今後の史上最高値更新も視野に入る展開となっている。
今後の重要な日程
- 6/11日 米CPI
- 6/13日 消費者信頼指数
- 6/17日 米小売売上高
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