
株価4.4%上昇
米決済大手ファイサーブ(NYSE: FI)は23日、年内に独自ステーブルコイン「FIUSD」を含むデジタル資産プラットフォームの開始を発表した。同社は約1万の金融機関顧客と600万の加盟店ネットワークを通じて年間900億件の取引を処理している。
FIUSDはパクソスとサークル(株価前日比9.6%高)のインフラを活用し、ソラナ(SOL)ブロックチェーン上で運用される予定だ。
また、別の発表では、独自のステーブルコインを持つ決済大手PayPalとのパートナーシップも発表する予定で、カードネットワークとの提携に向けた交渉も進めているという。
ファイサーブのタキス・ゲオルガコプロスCOOは「我々の規模とリーチ、技術リーダーシップにより、ステーブルコイン決済の発展とブロックチェーン金融サービスの民主化を推進していく」と述べた。
新ステーブルコインは24時間365日決済が可能で、従来の決済システムの摩擦を削減する「プログラマブル・マネー」として位置づけられる。同社は預金トークンなど他のトークン化商品も検討し、銀行の資本負担軽減を目指している。
この発表は米国で初の連邦ステーブルコイン法案『GENIUS法』が上院を通過した時期と重なる。法案は1対1の現金または米国債による裏付け、定期監査、厳格なマネーロンダリング対策を要求している。
関連:トランプ大統領がGENIUS法成立を強く要求、「天才的法案」と称賛
アマゾンやウォルマートなど、多国籍企業もステーブルコイン展開を計画しており、規制明確化が進む中で企業の参入が加速している。ファイサーブのサークルとの提携は、欧州のMiCA規制など他の法域での展開にも有利に働くとみられる。今回のニュースなどが好感され、サークルの株価は前日比9.6%高となった。
関連:ステーブルコイン「USDC」の買い方、DeFi運用・使い方を徹底解説