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Bakkt CEOが語る企業トレジャリー革命 日本市場を基点とした国際戦略とは|WebX2025

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Bakkt Keynote

大型Web3カンファレンス「WebX」では25日、暗号資産(仮想通貨)取引インフラとビットコイン戦略についてのキーノートスピーチが行われた。

タイトルは「Bakkt Keynote」。登壇したのは以下のメンバーである。

  • Phillip Lord氏:堀田丸正 CEO / Bakkt International President
  • Akshay Naheta氏:Bakkt CEO
  • 佐藤 麗亜氏:CoinPost(モデレーター)

「WebX」は国内最大手のWeb3メディア「CoinPost」を運営する株式会社CoinPostが企画し、一般社団法人WebX実行委員会が主催するWeb3カンファレンスで、今年は8月25日と26日に「ザ・プリンスパークタワー東京」で開催された。

堀田丸正のビットコイントレジャリー戦略

Phillip Lord氏は、東証上場企業である堀田丸正のCEOとして、同社のビットコイントレジャリー企業への転換計画について説明した。

「堀田丸正に投資し、CEOに就任した。近く開催される臨時株主総会(EGM)において、ビットコイントレジャリーを追加する予定である」とLord氏は述べた。

Lord氏は1999年から日本に移住し、5年間居住。2013年まで日本市場での取引と投資を行ってきた経歴を持つ。「日本に戻ってこられて非常に興奮している。株主の承認を前提として、将来的にデジタル資産企業になることを目指している」と語った。

同氏は日本市場の魅力について「日本は世界で最も流動性の高い市場の一つである。国内市場だけでなく、国際的にも受け入れられている市場だ。将来的に日本において極めて大きなデジタルトレジャリー企業になり、グローバル市場でもトップ企業の一つに食い込むことができると考えている」と期待を示した。

Bakktの3つの主要ビジネスライン

Bakkt(NYSE:BKKT)のCEOであるAkshay Naheta氏は、同社がIntercontinental Exchange(ICE)からスピンアウトした企業であり、ICEが最大株主として残っていることを説明した。ICEはニューヨーク証券取引所を保有する世界的な取引所・金融データサービスのリーダー企業である。

Naheta氏は約5ヶ月前にBakktに参画。同社は規制されたグローバルインフラを基盤に、3つの主要ビジネスラインを展開していると説明した。

第一のビジネスは「規制されたブローカレッジ・イン・ア・ボックス技術」である。「機関投資家が30〜40日という短期間で米国でローンチし、米国の消費者や企業に暗号資産取引を提供できるようになる。通常これらのライセンス取得には3〜5年かかるが、我々は既に米国で全てのライセンスを保有しているため、企業を即座に立ち上げることが可能だ」とNaheta氏は説明した。

第二のビジネスは「Bank Agent」という新しいバンキングプラットフォームである。「9月のLabor Day(米国の祝日)にベータ版をローンチする予定で、世界90カ国以上の銀行口座に直接クロスボーダー送金が可能になる」と述べた。

第三のビジネスは「国際ビットコイントレジャリー戦略」である。「我々は国際ビットコイントレジャリー戦略を追求する米国の上場企業であり、制度化されたプラットフォームを異なる市場に展開する。最初の市場が日本だ」と、日本市場に注力する理由を説明した。

日本市場の優位性と税制メリット

両氏は日本市場の魅力について、「日本の株式市場は国際的にも認知されており、流動性が非常に高い。規制当局も素晴らしい仕事をしており、グローバルに尊敬されている。国内の個人投資家だけでなく、Fidelity Capital、BlackRockなど世界の機関投資家にとって、アジアで最高の市場だ」と評価した。

Naheta氏は日本の規制環境の優位性について「日本の規制環境は、デジタル資産トレジャリー企業にとって魅力的だ」と述べ、以下の3点を理由に挙げた。

  • ビットコイン投資益に適用される法人税
  • NISA口座による税制優遇
  • 日本の機関投資家および個人投資家の流動性プールがアジアで他に類を見ないこと

「我々のEGMが開催されれば、すぐに数億ドル規模の資金調達できると考えている。これは大きな違いを生むだろう」とNaheta氏は述べた。

ビットコインの将来展望と企業トレジャリー戦略

ビットコインの将来について、Lord氏は「私は2017年に友人のRoger Verのおかげで暗号資産に参入した。政府は支出を続け、日本円や英ポンドなど各国通貨は弱体化している一方、ビットコインは上昇している。供給が限られており、長期的には政府の支出が続くため、自国通貨よりビットコインを保有することを好む」と述べた。

Naheta氏は「現在ビットコインの時価総額は約2兆ドルだが、価値の保存手段として金などと比較すると、現在の位置と将来の可能性には大きなギャップがある」と指摘した。

さらに「Bakkt全体として、総供給量の1.5〜2.5%のビットコインを保有することを目標としている。世界中でデジタル資産トレジャリー企業を立ち上げていく中で、この目標を達成していく」と野心的な計画を明らかにした。

Lord氏は「TeslaやMicroStrategyなど多くの企業がビットコインを追加しているが、これは企業全体の0.01%に過ぎない。なぜフィアット通貨を保有するのか。ビットコインを保有してバランスシートを強化できる。デジタル資産トレジャリー企業はその一例だ」と企業のビットコイン採用が今後加速するとの見方を示した。

Naheta氏は「小売銀行と消費者金融のスタック全体が再発明されるだろう。米国がその道をリードし、Bakktは新しいバンキング製品でリーダーになる非常に強いポジションにある」と述べ、伝統的金融システムの変革におけるBakktの役割を強調した。

また米国の新政権について「トランプ大統領は米国を世界の暗号資産の首都にすると話している。ジーニアス法案によりステーブルコインが完全に規制され主流になり、年内に可決されるクラリティ法案はあらゆる種類の資産のオンチェーントークン化について定めている」と規制環境の改善を評価した。

▼登壇者概要

Phillip Lord氏(堀田丸正 CEO / Bakkt International President)

堀田丸正(東証:8105)のCEOとして、同社のBitcoin.jpへの変革を主導している。

また、Bakkt International(NYSE:BKKT)のPresidentを務め、長年にわたり暗号資産の支持者および投資家として活動している。

Akshay Naheta氏(Bakkt CEO)

Bakkt(NYSE:BKKT)のCEO。元SoftBank幹部として数十億ドル規模のグローバル投資を主導。

規制されたデジタル資産インフラストラクチャーと金融イノベーションの構築に注力している。

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