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世界の仮想通貨億万長者が24万人突破、1年で40%増加 利確リスクも=レポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインの高騰が貢献

投資・移住コンサルティング企業Henley & Partners(ヘンリー&パートナーズ)が23日に発表した「Crypto Wealth Report 2025」(暗号資産(仮想通貨)富裕層レポート2025)によると、世界の仮想通貨億万長者の数は、過去12ヶ月で40%増加し、24万1,700人に達した。

このような驚異的な増加は、ビットコインで富を成した「ミリオネア」(保有額100万ドル=約1.5億円以上)が前年比70%増の14万5,000人と、劇的に増加したことが主要因となっているとレポートは指摘した。

なお、このレポートは、グローバル富裕層インテリジェンス企業New World Wealth(ニューワールド・ウェルス)のデータ(2025年6月30日時点)に基づいている。

2025年6月末時点で、仮想通貨市場全体の時価総額は前年比45%増の3.3兆ドル(494兆円)に拡大したが、ビットコインの時価総額は前年比72%増の2.1兆ドル(314兆円)とその伸びは特出している。

ビットコイン億万長者の劇的な増加は、ビットコインの大幅な高騰を反映しており、前出のミリオネアに加え、1億ドル(約150億円)以上のBTC保有者は450人(38%増)、10億ドル(約1,500億円)以上のBTC保有者も17人(55%増)に上る。

一方、1億ドル以上の仮想通貨ポートフォリオの保有者は450人(38%増)、10億ドル以上は36人(29%増)だった。

レポートは、このような大幅な増加は、機関投資家による仮想通貨採用の転換期と重なっていると指摘。トランプ大統領とメラニア夫人が発行したミームコインが、その象徴となっていると述べた。

なお、保有資産の価値の劇的な増加に伴い、大規模な利確リスクも警戒されている。

関連:「ビットコイン市場が冷え込むリスク依然高い」Glassnode市場分析

国境なき富

「住所を持たない」仮想通貨は、資産の移動や保管において地理的な制約を取り除く。

ニューワールド・ウェルスの調査部門を率いるアンドリュー・アモイルズ氏は、「過去数十年に渡りダイヤモンドなどの貴石は、その携帯性から国境を越えて資産を密かに移動させる手段として広く使われてきたが、今日では、仮想通貨と金(ゴールド)が、携帯可能な富の現代的な保存手段として、富裕層に好まれる代替資産となっている」と述べた。

また、レポートは仮想通貨市場の成熟とともに、仮想通貨富裕層の資産管理方法が大きく変化していると指摘。今では、機関投資家は機械学習による資産運用の割合を増加しており、スイスはカストディサービスの中心拠点として台頭してきている。

また、Z22 Technologiesの創業者フィリップ・バウマン氏は、ビットコインを投機的資産ではなく担保として利用する方向への転換は、重要な進化であると以下のように述べた。

ビットコインは並行する金融システムの基盤になりつつある。もはや法定通貨の価格上昇を狙った単なる投機対象ではなく、富を蓄積するための基軸通貨となっている。

さらに、レポートは、仮想通貨で築かれた富が、富裕層のグローバルな移動(移住)を加速させていると主張する。

ヘンリー・アンド・パートナーズの顧客担当責任者であるドミニク・ボレク氏は、仮想通貨で富を築いた富裕層は、仮想通貨を認めるだけでなく、国際的に移動するライフスタイルに合った居住地や市民権に関するソリューションを提供する法域を求めていると指摘。仮想通貨の台頭によって、かつては超富裕層に限定されていた機能が民主化されていると次のように述べた。

これまで多国籍企業が利益移転やリスク分散のために国境を越えて活用してきた仕組みが、今ではインターネット接続さえあれば誰でも利用できるようになった。
これは極めて大きな変化であり、個人がグローバルなスケールで自らの資産をコントロールできる力を手に入れる一方で、経済活動を監視・規制・課税する能力に依存してきた政府の在り方に対しても大きな挑戦となっている。

仮想通貨投資に有利な移住先

レポートは、移住プログラムのある29カ国から、仮想通貨普及率、インフラの普及度、イノベーションとテクノロジー、規制環境、経済要因、税制優遇度という6つの指標に基づいて、仮想通貨富裕層に有利な移住先の選択肢を示した。

  • シンガポール:インフラ・イノベーション・規制バランスでトップスコアを獲得
  • 香港:堅調な経済と高い税制優遇度
  • アメリカ:普及率と革新的なテクノロジー
  • スイス:カストディに優れる
  • アラブ首長国連邦(UAE):税制優遇度が満点:仮想通貨取引、ステーキング、マイニングは非課税

そのほかマルタと英国は洗練された規制の枠組みで、カナダ、タイ、オーストラリアは複数の要因でバランスが取れたことが強みとなり、高スコアを獲得した。

税制で有利なの国として、1年超保有のキャピタルゲイン税0%のポルトガル、個人所得税0%で超富裕層にアピールするモナコ、仮想通貨に証券税制を適用するオーストリアが挙げられた。

関連:【ビットコイン積立】月1万円で今いくら?主要5銘柄のドルコスト平均法実績を徹底シミュレーション

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