
イーサリアムの財務戦略見据え
東京証券取引所スタンダード市場上場企業のクオンタムソリューションズは26日、米大手サスケハナ・インターナショナル・グループ(SIG)を中心とする海外投資家グループから新たな資金調達を行うことを発表した。
同社は、AI技術を活用した電気自動車および関連システム・アプリの開発、次世代データセンターインフラ(AIDC)、Web3アプリケーション、コンテンツテクノロジーの融合型開発に注力している。
今年8月には、国際的なプライベートファンド「Integrated Asset Management (Asia) Limited」から1,000万ドルの資金調達を完了し、ビットコインを準備資産として保有する投資戦略を開始。今回の新たな資金調達により、イーサリアム(ETH)を軸にした財務戦略にも乗り出す。
イーサリアムを財務戦略の軸とする動きは広がりを見せている。海外ではビットマインやシャープリンク・ゲーミングが先行して導入しており、日本国内では、デフコンサルティングがビットコイン中心の戦略からイーサリアムへの方針転換を発表した。
海外大手から大規模調達
今回の調達には、暗号資産ETF分野で知られるSIGのほか、テスラへの投資で著名なキャシー・ウッド氏率いるアーク・インベストメント(ARK)、フォーブス・メディアの筆頭株主であるTC Yam氏が創業したIAMが参画した。
調達手法は第三者割当増資で、新株予約権3,400万株と新株予約権付社債1,000万株の合計4,400万株を発行。これらがすべて転換・行使された場合、発行済株式数は現在の約2倍となる。割当先はSIG関連のCVIが中心で、IAMとARKにも一部を割り当てる。
同社は、スマートコントラクトやDeFi(分散型金融)、ステーブルコインの基盤となるイーサリアムの特性を活かした事業展開を進める方針。運用面では三者間カストディーを採用し、ステーキングやトレーディングは外部パートナーと連携する。
各投資家はそれぞれの強みを活かした支援を行う。SIGは流動性供給や収益戦略で貢献し、ARKは先端技術分野のネットワークを提供、IAMは金融とメディア両面から事業をサポートする。
フランシス・B・ジョー(Francis B. Zhou)代表取締役社長は「伝統的な金融と暗号資産分野の投資家が結集した。世界のETH財務市場で競争力を高め、今後の成長資金調達を加速できると確信している」と述べた。
同社は今回の調達により資本基盤を強化し、AI、AIDC、Web3、IPコンテンツ開発の各事業領域でグローバルな協業とアライアンス構築を進めていく。